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スフェラ、ドMじゃなくなる 前編

はい、58話では次回の更新は日曜日って言ってましたが時間が空いたので一挙2話、執筆しちゃいます!

 何気に人気のあるシェアラちゃん視点で、時系列的に言えばレグたちが修行してる時です!

「シェアラー」

「・・・・」

「ねーねー、ちょっと、聞いてる?」

「・・・・」

「ちょっと、ありがとう!」

 レグとアスモデウスが修行し始めてからずっとこの調子だ。私しか相手がいないからスフェラを無視し続けなければいけないようになっている。

「何、スフェラ」

「そのまま、無視してくれててもよかったのに・・・」

「何?」

「はぁん!」

 ・・・・本当に調子が狂う。

「早く言わないと痛めつける」

「逆にお願いします!」

「・・・・言って」

 やっぱり、ドMは嫌い。鬱陶しい。

「ここにクッキーがあるんだけど食べていいのかしら?」

「勝手に食べてもいいと思う。怒られるのはスフェラだから」

「怒られるのは大好きよ☆」

 こういうところが嫌い。

「じゃあ、遠慮なくいただきまーす」

 食べた瞬間、スフェラが倒れた。私はちょっと驚いて、スフェラの元に駆け寄る。

 脈はある。息もしているから大丈夫だけど・・・もしかして、このクッキー・・・。


「やあ、シェアラ」


「!?」

 振り向くと暴食姫ベルゼブブがいた。

「もしかして、このクッキーは・・・」

「あはは、ボクが作った特製クッキーだよ」

 やっぱり・・・。この女はろくなものを作らない。

「・・・・」

 スフェラが起き上がった。異常はないようだ。

「スフェラ、大丈夫?」

「えぇ、大丈夫よ。ありがと、シェアラ」

 異常はあったみたい。私の知っているシェアラはこんなに爽やかにお礼なんか言わない。

「やあ、スフェラ」

「ご機嫌麗しゅうベルゼブブ姫様」

 ニッコリと笑ってベルゼブブに(かしず)くスフェラ。もはや、キャラ自体が崩壊している。

「う、うん・・・・」

 本人も引いている。

「・・・スフェラ、バカ?」

 ドMのスフェラなら悦ぶはず。私は得意の毒舌でスフェラを試した。

「酷いわ、シェアラ。どうしてそんなこと言うの?」

 悲しそうに私を見る、スフェラ。もう、ダメ・・・。

 私は脱力してその場に座り込んだ。

次回の更新は明日です。

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