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レグ、修行する  ~魔法上級編~

今回でレグの修行話魔法編の終了です~

次回のお話は後書きにてにて~

「怒れる山の神よ」

 集中して、小さな山の噴火を想像して・・・

「愚かなる者を負の炉へ誘え!」

 唱える!

どんっばんっ

「っしゃあ!」

 炎魔法の中級技イラプションが成功した。初めにしては中々の出来だ。もしかして、俺、魔法の才能ある?

「ふぅん、さすがはアスモの弟子ね。凡人並の才能ってとこかしら?」

「ぼ、凡人・・・」

 やっぱ、手厳しいな。

「ま、レグ、よくがんばったな」

「お、おっさん・・・」

 なんて、いい奴なんだ・・・! ごめん! 師匠なのに全然尊敬してなかった!

「こほん、ところでお義父さん(・・・・・)。シェアラさんは・・・」

「んだと、ごらあ!」

「おっさん・・・」

 デヴィットの邪魔のせいでカッコいいおっさんの印象が崩れ去る。そうだった、この男、親バカだった。ま、シェアラちゃんがカワイイのは分かるけどさ。

「デヴィット、あんた振られたんじゃないの?」

「いいえ、姫。嫌よ嫌よも好きの内と言いますので! ツンデレかと!」

「もう一回言って見ろ? お前、地獄行っても天国行っても永遠の苦しみ味わうようにしてやるからな!?」

「お義父さん、そんなこと言わずに!」

「デヴィット・・・いつか死ぬわよ」

 本当だぜ。シェアラちゃんに振られたくせにいつまで未練たらたらさせんだよ! つーか、シェアラちゃんには好きな人がいるんだからな!

「さて、じゃあ、レグ。デヴィットはいない物として魔法の上級編よ。あんたは、炎魔法なのよね?」

「は、はいっ」

「肩の力を抜きなさい。炎魔法の上級技はフレイムバンよ」

「フ、フレイムバン」

 言葉的には強そうな響きだ。あ、ちなみに言うと魔術師用語でファイアーボールなどの初級魔法は下位魔法、イラプションなどの中級魔法は中位魔法、フレイムバンなどの上級魔法は上位魔法と言う。

 上位魔法を全て極めた魔術師はそれぞれの属性の頂点たる奥義の技を覚えることができるのだ。

「フレイムバンは高度な技よ。かなりの魔力を使うからね・・・魔族の姫であるあたしでもほいほい使えるものじゃないわ。一回だけ、一回だけ使うから見て覚えなさい」

「はい」

 レヴィアタンは胸の前で祈るように手を握り詠唱を始める。

「強き気高き炎の精霊たちよ、命果つように爆ぜろ!」

 唱えると同時にレヴィアタンの周りに赤い光が浮いてきた。彼女の魔力と魔法陣に惹かれてきた精霊たちだ。

「フレイムバン!」

ばぁぁぁんっ!!!

「くっ!」

 一瞬、目の前が発光し目が眩む。しっかりと、目が見えるようになったときにはレヴィアタンの近くにあった床が黒く焦げていた。精霊たちも消えていた。

 す、すげえ、これが、姫の力・・・! レヴィアタンは疲れたように座り込んだが・・・でも、すげえ!

「盛大にやりましたねえ、姫」

「おいおい、また、修理かよ・・・」

「ふ、ふん・・・魔法、使っていいから嬉しくなったのよ・・・」

「あー・・・ま、魔王とかはあんま使っちゃいけねーからな」

「「そうなの?」」

 全然知らなかった。

「えぇ、あたしたちは魔力が多いからね。使ったら周囲の精霊たちも困るのよ」

「へえ」

「ほら、感心してる場合じゃない! きびきび特訓よ! ふふふ、今夜は逃がさないんだからね!」

「レヴィアタンさん!? なんか、黒い微笑みなんですけど!?」

 俺が逃げようとすると両サイドをデヴィットとおっさんが抑える。

「離せ!」

「お前が修行するって言ったんだろ」

「シェアラさんは渡さない」

「デヴィットは違うだろ!」

「さあ、修行よ!」

「いやあああああああああ!」

 その日は修行じゃなくて拷問だった。ま、代わりにフレイムバンは習得したんだけど。

 成果は今度書くよ。とりあえず、魔法修行は終わり!

次回の更新は多分明日です。

次のお話は剣術&武術編です!

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