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レグ、修行する  ~魔法中級編~

今回は魔法の中編です!

 ―――――丸い炎に包まれた球を頭で描くように

「灼熱の剛火球、ファイアーボール!」

ぼうっ

 俺が唱えると魔法陣が描かれ、小さな炎の球が現れた。

「やった!」

「ほお、シェアラのアドバイスだけでここまで上達するかぁ」

「へっへーん!」

「威張るなアホ」

 おっさんの鋭いツッコミが俺を襲う。ま、上達したのはシェアラちゃんが

―――魔法を信じて

 と言ってくれたからなんだけどな。

「さて、初級は終わったから次は中級だ」

「ファイアーボールは定番だけど、炎魔法の中級ってなんだ?」

「あー・・・イラプションだな」

「いらぷしょん?」

 魔法学の基礎は学校でも習ったけど中級とか上級とか専門的なことは知らない。特に元々、勇者になる気なかった俺は最低限の剣術しかやってなかったしな。

「イラプションてのはまぁ、あれだ小さい火山みたいなのだ。ちっこい火山が噴火~みたいな?」

「みたいな? って疑問系で言われてもなぁ・・・・」

「仕方ないなぁ・・・。俺が実際にやってやるよ・・・ふんっ」

どんっ、ばんっ

 おっさんの「ふんっ」の掛け声と同時に床が盛り上がり、ぽっかりと黒い穴が開く。そして、ドロドロのマグマが噴出してきた。

「うわぁ!」

「これが、イラプションだ」

「す、すげええ」

「魔王になると、詠唱もいらなくなるんだ」

 なんて、羨ましい・・・! ・・・でも、イラプションの詠唱はどんなのなんだ? まさか、忘れたとか。いや、このおっさんならやりかねないぞ。

「・・・んだよ」

「いや、詠唱の方は・・・」

「覚えてるぞ。えーっと、確か・・」


「”怒れる山の神よ、愚かなる者を負の炉へ誘え”よね? デヴィット」

「はい、姫」


「「レヴィアタンとデヴィット!?」」

 振り向くと魔女用の漆黒のローブを着たレヴィアタンと相変わらず上から目線のデヴィットだった。

「ふん、勘違いしなさい。レグを教えるという名目でアスモに逢いに来たんだからねっ!」

「姫、かわいいです!」

「えと・・・ありがとな、レヴィ」

「ふ、ふんっ! 感謝しなさいよね!」

 俺は「ははは・・・」と苦笑するしかなかった。ここで、喋ったらレヴィアタンに殺されそうだし。

「レグ・ハーディア」

「デヴィット、どうした?」

「シェ、シェアラさんは・・・」

「あー・・・自室だと思う」

「そ、そうか・・・」

 すこし、残念そうなデヴィット。

「とにかく、魔法に関してはうちのデヴィットが教えるんだからね! 覚悟しなさいよ!」

「はぁ~い・・・」

 また、面倒な人に教えてもらうなぁ・・・と気が重くなった俺だった。

次回の更新は土曜日です。

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