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レグ、修行する  ~まずは入門から~

祝50回目到達です!

今回は、ヘタレなレグくんの修行のお話です。

ではでは、お楽しみにです~

 ルシファーたちが帰った次の日。俺はおっさんのベッドの前で土下座をしていた。べ、別に悪いことしたわけじゃないんだからねっ! ・・・冗談だって。

 別に目的がなくて土下座をしてるわけじゃない。好き好んでするのなんてスフェラちゃんくらいだろう。うん。もちろん、おっさんは困惑している。

「・・・なあ、レグ。俺を夜這うために土下座するなんて最低だぞ」

「誰がおっさんなんて夜這うか!」

 勘違いも甚だしい。

「冗談だって。どーせ、修行したいから俺に師匠になれって感じじゃねーの?」

「・・・・・・・」

「あり? 図星かよ」

 ・・・最悪だ。言う前に先に言われるとは。KYにもほどがあるだろ。

「うーん、俺的には別にいいんだけどさー。それじゃ面白くないから俺が納得できるような理由を言え。それで、俺が納得したなら弟子にしてやる」

「そりゃ、あれだよ。女の子に守られてるなんて格好悪いだろ。だから、俺は強くなりたいんだ!」

 これは、立派な理由だ! ふん、これでおっさんも教えてくれる・・・


「ダメ」


 それは、即答で明確な拒絶だった。

「な、んで・・・?」

「そんな理由じゃ俺は納得できない。分からず屋のレグのために時間をやろう。ただし、期限は今日までだ。それまでに、俺の所に来て納得できる理由を言えるならOKを出す」

 おっさんはそう言って、俺を部屋から追い出した。



 強くなりたいって理由のどこが悪いんだよ・・・。

「あれ? レグ、どうしたの?」

「スフェラちゃんか・・・」

 実家から帰ってきたらしいスフェラちゃんが不思議そうに俺を眺めていた。

「元気ないみたいね。あたしが相談にのってあげるわ」

「え? べ、別にいいよ。つーか、おっさんの所に行くんじゃねーの?」

「もちろん行くわよ。でも、デザートは最後にって言うでしょ?」

「おっさんは後でおいしく頂かれるのか・・・」

 一瞬で不安になった。けど、相談するのとしないのとでは全然違うだろうというスフェラちゃんの意見を通して俺の部屋で話すことになった。



「で、どうしたの?」

 俺のベッドを占領しているスフェラちゃんが聞く。

「「あんま、詳しいことは言えないんだけど・・・たとえば、スフェラちゃんが強くなりたくて誰かに修行を頼む。で、その”師匠”がスフェラちゃんに「なぜ、修行をしたいのか理由を言え」って言うんだ。スフェラちゃんならどう答える?」

「んー・・・難しいわね」

 スフェラちゃんは「うむむ・・・」と呻きながら悩んだ末にこう答えた。


「あたしなら、多分「大事な人を守る為に強くなりたい」って言うわ」


「!」

 彼女の答えは俺の中の何かを変えた。その言葉はまさしく魔法だった。

「そっか、そうなのか・・・」

 俺に足りないのは他人のための強さだったのだ。だから、おっさんは「ダメだ」って言ったんだ。

「スフェラちゃんありがとう! 先におっさん借りるぜ!」

「はぁ!? アスモデウスさま補給するのはあたしが先よ!」

「逃げるが勝ち!」

「待ちなさい!」

 全速力で走った結果、俺のが先だった。



「・・・おっさん」

「お、レグじゃねぇか。答えは見つかったか?」

「あぁ」

 俺が真っ直ぐ見つめて言うとおっさんはニヤリと笑い「そうか」と呟く。

「なら、答えろ。ただし、回答権は一回だけだ」

 一回だけ・・・。俺は深呼吸をして恐れずに答えた。


「俺は、シェアラちゃんやスフェラちゃんたちのために強くなりたい。もう、スフェラちゃんが大怪我するようなことにはしたくないから」


「それが、お前の出した答えか」

「あぁ」

 おっさんはすくっと立ち上がり俺の頭に大きな手を乗せる。

「大正解だ。明日から修行つけてやる」

「よろしくな、師匠」

 俺とおっさんは拳同士をこんとして笑った。

次回の更新は明日です。

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