傲慢王の家出・・・④
今回で傲慢王編終了です☆
「はぁ!」
「やぁ!」
ばん! ごきっ! どん!
「す、すげえ・・・」
ルシフェルさんとシェアラちゃんの戦いはすごいものだった。
一方が殴ればもう一方が殴り、一方が蹴ればもう一方が蹴るの繰り返しだ。ルシフェルさんはグングニルを放り捨て軽やかな動きでシェアラちゃんを惑わす。
シェアラちゃんも負けじとターンをしてかわしつつも強烈な蹴りを入れる。
2人は互角だ。
「シェアラ、あなた強いわね!」
「ルシフェルの方こそ。久しぶりに楽しい」
「そういうのは、笑顔で言うもの、よ!」
「うぐぅ!」
ルシフェルさんの拳がシェアラちゃんのおなかにヒットした。崩れ落ちるシェアラちゃん。
「どうした、立ち上がりなさい」
「言われなくても、分かってる!」
「っ!?」
シェアラちゃんが下からルシフェルさんの足首を掴み引きずる。そして、持ったままくるりと回り投げた。
「あぁ!」
「私のほうが強い」
「・・・・くっ」
「大人しく観念する」
「するものですかぁ! グングニル!」
「な!」
落ちてあったグングニルが浮かび上がり高速でルシフェルさんの元に戻ってくる。しかも、シェアラちゃん目掛けてだ。グングニルはシェアラちゃんの後ろにあった。そして、シェアラちゃんの目の前にルシフェルさんがいる。
つまり、このままじゃ、シェアラちゃんが串刺しにされてしまうということだ。それだけは嫌だ!
「止まれグングニル!」
俺が叫んだ瞬間、グングニルが止まりシェアラちゃんの背中の前で落ちる。
「なっ、なぜ、グングニルが私以外の人間のいうことを・・・!?」
「レグ、どうして、止めた?」
「別に、殺しあうまで戦うことないじゃないか! 戦いで誰かが命を落とすなんて俺は嫌だ!」
それで、大好きな人を失うなんて俺は嫌なんだ・・・。
「そうだぞ、シェアラ。お父さんとしても娘の柔肌に傷跡が付くのはけしからん」
「・・・分かった」
渋々ながらも納得したシェアラちゃん。ルシフェルさんはその場で座り込んでいた。
「グングニル、どうして? 私じゃダメなの? 私より後継者の方がよかったの? ねぇ、教えて!」
グングニルを抱きしめながら泣いていた。俺がグングニルを止めてしまったことによって傷ついたようだ。・・・・どうして、俺に止めることができたのかもわからない。
「おい、ルシフェル! 落ち込むなんてらしくないな!」
「ルシファーくん・・・」
ルシフェルさんの前にルシファーが仁王立ちしていた。
「一回、自分の武器に裏切られたからって落ち込むな! グングニルはお前に必要のない殺人をしてほしくなかっただけだ! ・・・・多分。大体、お前はグングニルを信じていたのか? 信じる心が足りなかったんじゃないのか? ・・・多分」
いい事言ってるのに「多分」って付け足してるから台無しだ。それでも、恋する乙女には感動したのだろう。ルシフェルさんはパァァと顔を輝かせて立ち上がる。
「ルシファーくん、愛してる!」
むぎゅううううう。ごきっ
「待って! ギブ! ギブ! 俺様も愛してるから! ぎゃあああああ!」
・・・死んだな。
「シェアラ、今日はありがとう! また会いましょう。アスモデウス様、すみません。では、帰らせていただきます!」
「体はそっちに曲がらないいいいいい!」
2人はただ、その言葉を残して消えた。
「・・・・いい迷惑」
「スコルゥ」
「なんか、もう疲れた」
「「「寝よ」」」
その日、俺たちはグッスリと眠れた。
次回の更新は土曜日です。




