中二病魔王を家庭訪問・・・その2
で、城の中に入ったわけだが・・・。俺は小さくおっさんに心の中の疑問を尋ねてみる。
「なあ、怠惰王はおっさんと同世代なんだろ? どうして、アイツは10代のイケメンなんだよ」
「あ? そんなの、《七つの大罪》の奴らは皆、自分の容姿を自由自在に変えれるに決まってんじゃねーか」
「知らねーよ」
ん? それって、じゃあ、俺も魔王になったら超イケメンじゃん!
「では、御客人さま方。ここで座ってお待ちください。ただいま、紅茶を淹れて参ります」
つーか、キサラさんってスフェラちゃんよりもメイドらしいよな。肌黒で金髪で唇が少し、ぷくっとしていてキスが上手・・って俺は変態か! で、でも、シェアラちゃんほどではないが、アレは美乳だな。
「むー、キサラは相変わらずシャイだぞー」
「そうね、でも、キサラ姐さんのあの鋭い視線がカ・イ・カ・ン☆」
「スフィリちゃんもスフェラちゃんも知り合いなんだ」
「そうだぞ、レグレグ。わたしはメイドの女王だから、全国のメイドを覚えておくんだぞ」
「あたしの実家、ミュコス家は魔王に使える優秀なメイドを輩出してきたんだけど、スフィリの前の『メイドの女王』リィ・ミュコス・・・つまりはあたしのお婆ちゃんが孤児だったキサラ姐さんを気に入って養子にしたの」
「え、でも、キサラさんってキサラ・ティーアじゃ・・・」
「キサラ姐さんは「ずっとお婆ちゃんに頼ってちゃダメになるから、独り立ちする」って言って出たのよ。そのときにお婆ちゃんがお祝いに名前をあげたの」
ようは義理の姉ってことか。
「お茶が入りました。温かい内にお飲みください」
「「「「「ありがとー」」」」」
「ところで、アスモデウス様。訪問のご用件を」
「ん? あぁ、あのバカベルフェを更正させようと思ってな」
「それは、嬉しいです。我が主は魔王のくせをして勇者を名乗っているドアホですから」
「おのれ、キサラまでこの勇者・ラルゴをバカにするのかぁ!!!」
「おやおや、これは我が主。ようやく、辿り着きましたか。アスモデウス様の優しいお心を理解してください」
「っは、そんなのいらぬわ! この俺の前世は勇者! つまり、俺が魔王であることは許されぬこと!」
「「「「「「つまり?」」」」」」
「え・・・あ・・・そんな、いきなり答えを求められるとか・・・困る」
おい、素に戻ってるぞ。
「はあ・・・ベルフェゴール様。お疲れのようですから、皆様と一緒に世間話でも。私は紅茶を淹れて参ります」
「ひぃぃぃ! キ、キサラが優しくなった!? こ、これは明日は世界が滅びるぅ!」
「・・・ベルフェゴール様。そこまで私に拷問されたいのですか?」
「はい! あたしはされたいです!」
「では、淹れて参ります」
「はぁん・・・放置プレイなんて、キサラ姐さんのイ・ジ・ワ・ル☆」
「スフェラはガムテープで口を塞いでいるべき」
「いや、シェアラちゃん。それは、逆に悦ばせるだけなような・・・」
呆れつつも俺は紅茶を一口飲んだ。