中二病魔王を家庭訪問・・・その1
そして、翌日。俺たち5人は悲しくも中二病になってしまった怠惰王・ベルフェゴールを更正するべく怠惰王の城へ来ていた。
ぴん、ぽーん
『あ、すんませーん。やっと、エロゲ届きましたー?』
「「「「「・・・・・・」」」」」
素だ。通魔電のときと違い若い男の声が聞こえてきた。だが、おっさんの反応を見るにはその声の主こそ《七つの大罪》が1柱、怠惰王ベルフェゴールなのだろう。
『あれ? すみませー・・・・・』
扉が開き、俺たちと怠惰王が対面する・・・っていうか、この人・・・
すっごくイケメンなんですけど!?
え? なにそれ? 中二病のおっさんと同年代のはずなのに俺と同じ年くらいのイケメン? 何そのチート属性。え? 今流行の残念系イケメン? 何それ食べれるの?
「あー、ベルフェ。久しぶりだな」
「あ、えと・・・ま、魔王一行か・・・ふ、この勇者ラルゴが」
「そんなことどうでもいい。私たちは疲れている。さっさと城にいれて」
「ごふっ・・・ど、どうでもいい・・・・」
シェアラちゃんの口撃! ベルフェゴールは1000のダメージ!
「そんなことで心が折れるの? 本当に怠惰王ベルフェゴール・・・?」
シェ、シェアラちゃん! もうやめてあげて! ベルフェゴールのHPはもう0よ!
「ちょ、シェアラやめなさい。相手はベルフェゴールさまよ? ちょっと、落ち着きなさい」
「・・・・分かった」
「ククク・・・勇者の怖さを思い知ったか! まあ、入れてやろう。慈悲深き勇者の心に感謝の頭を垂れるがい」
ばーーーーーーーーんん!!!!
「にょほぉ!?」
いつの間にか残念イケメンの後ろには肌黒のメイドお姉様がいた。メイドお姉様は鋭く冷たい目で残念イケメンを睨みつけている。
「御客人さま方。我が主・ベルフェゴールがご迷惑を掛けました。申し訳ございません」
「な、なんだ! 勇者に向かって・・・・ひぃ・・・!」
「ベルフェゴールさま? 誰に向かって口を聞いているのでしょうか?」
「すすすすみません・・・」
怠惰王撃沈。つーか、メイドお姉様強いな。
「申し送れました。私はキサラ・ティーアと申します。では、皆様どうぞ中にお入りください」
「えっと・・・キサラ。俺は・・・」
おずおずと言う残念イケメン。よっぽど怖いんだろうな。
「ベルフェゴールさまは城壁から入ってきてください。ちなみに制限時間は10分で」
「お、鬼ぃぃぃ!!!」
あぁ・・・俺、おっさんのとこでよかった。だって、こんな所で見習いやってたら・・・死ぬよね。俺は、おっさんのありがたみを身に受け城の中に入った。