怠惰王は中二病になっていたようです
昼、相変わらず、することのなかった俺は城の中をうろうろしていた。すると、おっさんが《通信魔法電話》、略して通魔電で誰かと話していた。べ、別に盗み聞きするわけじゃないんだからね!
「おっ、やっと繋がったぜ~。ベルフェゴール、元気だったか?」
『な、なんだ貴様は!? ・・・はっ、まさか魔王の手先か!?』
「あ? んだよ~、俺だよ。俺俺、アスモデウスじゃん。つーか、お前も魔王だろ?」
『なぬ!? 貴様が神をも恐れぬ闇の支配者・魔王だと!?』
「・・ベルフェゴールくん、頭の方は大丈夫?」
『お、おのれぇ・・・貴様はこの偉大なる勇者・ラルゴをバカにする気か!?』
・・・・・どうやら、話相手は《七つの大罪》の1人、怠惰王・ベルフェゴールだったようだ。しかし、アレだな・・・まさか、こんなところで・・・うん。なんかさ、《七つの大罪》ってすっごく残念だよね。つーか、魔王なのに勇者とか・・・・。これは重度の中二病だね。
「ったく、なんだよー。ベルフェの奴、とうとう頭までゲームに感染されたんじゃねーの?」
おっさん、アンタの気持ちはすっごい分かるよ。
「う~・・・ん? おい、レグまさかお前・・・聞いてた?」
ぎくっ
「イ、イヤナンニモキイテナイヨ」
「絶対聞いてるじゃん! はぁ~・・・まあ、お前は将来俺の後を継ぐんだから言っとかねえとな」
「な、何か悪いな・・・」
「いやあ、そもそもハデスさまも残念な性格だったし・・・。《七つの大罪》も中々に酷いよな」
「まさか、怠惰王が中二病だったなんて・・・」
「ちゅうにびょう・・・? 何だそれ?」
「ここで、お役立ちのスフィリと」
「シェアラの」
「「中二病講座~」」
「んんん~」
「「えぇ!?」」
突然、スフィリちゃんとシェアラちゃん+縛られて猿轡されてるスフェラちゃんが現れた。
「シェアラ先生、中二病とはなんですか?」
「はい、分からないスフィリのために私が教えてあげましょう」
眼鏡をかけて先生のコスプレをしているシェアラちゃん。スフィリちゃんは制服を着ている。
「中二病とは思春期の少年少女に発祥する精神的な病です。自分は特別な力が使える。自分は○○の○○○の生まれ変わりなんだ、と思う残念な病気なのです」
「中二病になるとどう大変なの?」
「まず、突然『ククク・・我は闇の支配者○○!』とか言い始めるので対応が面倒です。次に中二病が治ったとき恥ずかしくて死にたくなります」
「わー、それは大変だぞー」
スフィリちゃん、絶対思ってないよな。
「「では、中二病講座終わり~」」
「・・・これは、深刻だな」
「おっさん?」
「よし! 明日、皆でベルフェゴールの自宅まで乗り込むぞ!」
「「「おー!」」」
「え? え?」
どうやら、明日は怠惰王の自宅に乗り込むようだ。つーか、俺を置いていくなよ。