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アタシと勇者の恋の話  Ⅺ

こんにちは! 本当は日曜日も更新したかったんですけど、昨日が課題テストだったんです。でも、今日はちゃんと更新しますよ!

今回はルミアさんとラウスの会話になります。

では、ごゆるりと~

「ラウス」

「ルミア」

 お父様の遺体を寝かせたアタシはラウスと向き合う。

 今から人間と魔族の未来を掛けた話し合いが始まるんだから、しっかりしなきゃ。

 ・・・と、思ったんだけど、ラウスの口から出たのは、

「すまなかった」

 と言う謝罪の言葉だった。

 アタシは不意打ちに返事も言えず、黙ってしまう。

「お前のお父さんを救ってやれなかったのは俺のせいだ」

 ラウスは本当に悔しそうに唇を噛みしめた。

 ・・・あぁ、本当にこいつはいい奴だ。

 そんなことを再確認してしまう。

 だから、言わないと。

「謝らないで。別にアタシは怒ってなんかないわ。それに・・・アタシも謝らなきゃ」

 そう言うと、ラウスはきょとんとして「なんで?」と言う顔をした。

 その表情が可笑しくて不謹慎ながらつい笑ってしまう。

 けど、笑いを堪えラウスを見つめながら、

「だって、アタシは魔族であることを隠していたのよ? ・・・しかも、魔王の娘だし」

 と声のトーンを落として言った。

「な、なんだそんなことか」

「そんなこと!? 魔王の娘って、そんなことで済ませれちゃうものなの!?」

 まさかの反応についツッコんでしまう。

 恥ずかしかったからコホンと咳払いをした。

「と、とにかく、・・・ごめんなさい」

 謝るなんて久しぶりね。

 ちょっと、恥ずかしいかも。

「別にいいよ。だってさ、人間も魔族も同じじゃないか」

「え・・・?」

「だから、人間だって魔族だってこのプレイグに生きてるんだぜ? 人間だからどうとか、魔族だからどうとかって関係ねえよ。俺は人間と魔族が互いに仲良くできるような未来を作りたくてここに来たんだ。俺は2つの種族の可能性を信じたいんだ」

「ラウス・・・・」

 本当にこいつは勇者だ。

 どれだけ憎しみ合っている種族でもいつかは分かり合えると信じてたんだ。

 アタシは・・・・アタシには何が出来るだろ。

「だ、だからさ。ルミア」

「何?」

 ラウスは顔を真っ赤にして、

「俺、お前のことが好きだ。だから、俺の奥さんになってくれ」

 と手を差し伸べてきた。

 ・・・あはは、アタシも顔真っ赤じゃん。

 すっごく嬉しい。泣きたいくらい嬉しいよ。でも、でも、ダメなんだよね。

「っあ、こ、こんなときに不謹慎ってのは分かってる。でも、今じゃなきゃ伝えられないだろ」

「・・・分かってるわ。とても、嬉しい」

 アタシがそう言うとラウスは「じゃ、じゃあ」と言った。

 でも、首を横に振る。

「でもね、ダメなの」

「・・・ッ」

「アタシもラウスのことが大好きよ。愛してる。でもね、きっと人間と魔族が完全に仲良くなれるのはもっと先だと思うの。それに、アタシは魔王の娘だからあなたと結婚するとなればあなたは裏切りの勇者になるわよ」

 アタシは論破した。それでも、ラウスは食い下がる。

「そんなの別にいいんだ! 皆が何を言おうとお前の事は絶対守る」

 今にでも抱きつきたい。アタシもあなたを支えるって言いたい。

 でも、ダメなんだ。

「アタシのせいであなたが中傷されるなんてあなたが許しても、アタシが絶対許さない」

「ルミア・・・・」

「本当はアタシも今すぐに駆け落ちしたいわ。でも、あなたには故郷で待っている人たちがいるの。だから、だから・・・お願い」

 アタシは懇願した。

 お願いだから。これ以上、引き留められると決意が揺らいじゃうの・・・。

「・・・分かった」

 ラウスはゆっくりと頷いた。

「ごめん。ごめんなさい。ごめんなさい!」

「いいんだ。だから、泣くなミア」

 ラウスは泣きやむまで待っていてくれた。

 この時間が永遠に続けばいいなって思ってしまうくらい彼は優しかった。

今日は諸事情によりリュミエールの更新はできません。

すみません・・・。

あ、最後まで読んでくださってありがとうございます!

ついに百話まで到達!

次回の更新は土曜日です。

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