表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

カウントダウン1‐ドール少女‐







この物語は、一人の少年をとりまく、死についてのお話。                                  









━━━━━━━━━━━━カウントダウン1‐ドール少女‐

━━━━━━━━━━━━










―――ここは教室。   


                        黒板には『自習』    の文字。        


            

            

教師達は、なにやら臨時の会議でみんないない。              



            生徒達はある話題で盛り上がっていた。                  


                        



            『ねぇ〜聞いたぁ?転校生来んだってさぁー』   


            『知ってる知ってるッ!何か、外国から来たコらしいよ〜』         


            『へぇーそうなんだぁ、でっ女?可愛いの?この学年?』 


            『あーいっぺんに聞くな!…それがよくわかんないんだ、そのコ見学にもきてないみたいで…』     


            『まじでぇ?』                                                     


                                    とまぁ、生徒の声が聞こえてくる。                                                                    




            ここ、聖桜高校は最近できた高校で、女子の制服が可愛くて、男子のは格好いいと言う理由で人気がある高校でもある。

しかも偏差値が低いし、誰でも入れる。                  

            


そんな理由ではないが、俺六条青(ロクジョウ ソラ)は先月入学した。    理由は家から近いと言うだけ。                                                                                  


            (さっき、女子達が言ってた転校生ってどんなヤツだろ?)                     






なぜだか、いつもはそーゆーことはあまり、てか全然気にしない俺だがかなり気になった。       


                                   







              バサッ  バサッ  


            カーテンが音を立てる。             


            今日はやたらと風が強い。             







俺の席は窓側の端の列の一番後ろの席の隣。                                        ―――ふと、外を見た。                         


                                                            銀色の糸‥‥‥‥‥?……………いや、髪の毛だ。                                                 



            (なんで人形があんなトコに‥?ここ3階…だよなァ)           






その人形は大きな純白のカマに座り銀色の長ーい髪を地面にむかって垂らし、そして哀しいような深い碧色の目をしている。                



    

俺には人形にしか見えなかった。

              


            ――その目は俺を見ている気がした――                                            







               ガラッ                                          俺が驚いていたところに担任の珠洲邑伶奈(スズムラ レイナ)が教室に入ってきた。  

珠洲邑伶奈は教師にしては可愛いと言うか、童顔な先生だ。

担当教科は音楽。                                                    ハッと思い、さっき人形がいた窓を見ると、                                                    ――そのドールは                     居なかった。            

            










「え〜と、みなさんおはようございます。」                


                        もちろんその挨拶は生徒達に聞こえるはずもなく、かえって来るのは、質問だけ。                       

            


            『センセー、転校生ってどうなったんですかァ?』                                     

            さっき話していた女子生徒が質問をぶつけた。                           


            「‥はい、そのことですが、先生たちで話し合った結果〜、転校生の子はうちのクラスに入ってもらうことになりました!…というか、そのこの希望で。」                                      


            『…まじでぇー!』               『よっしゃーあ』                『やったねぇ☆』                                                                



            ザワザワと盛り上がっていく教室内。                                           

                        「えっと、ではどうぞー!!」                                                           



            教師がドアにむかって少し大きな声で叫んだ。               

            すると                                                                                                ガラッ                                                                                          「…‥」                                                        


                                    ドアが開き俺は興味深く入ってきた子を見る。                    




「………!!!!」                                                   俺はびっくりして声にならない感情を表現した。                                               




            そう、今教室に入ってきた子は、ついさっき見たあの人形にそっくりだったのだ。                        







再び窓をみた。                                                                                                                 だが、その人形はいない。                                    

                        俺が驚いているのをそっちのけで先生はどんどん話しを進めていく。     

                                                            いや…俺だけじゃなく皆が驚いている。                                                                              

            その女の子をみて。                                                   

                        そのこはさっき見たとおり銀色の長ーい透き通った髪の毛を垂らし、頭上には黒いリボンのついたカチューシャをしていて、そして何よりも、大きい瞳。   淡い碧色。       

            真っ白と言っても過言ではない白い肌。                  

            ちょっとおかしいといえば身長。                                 

            高校生にしては小さすぎる。           たぶん144センチぐらいだろう‥…                      


            それ以外は度を越えている美人可愛い、      

            どう表現していいのかわからないんだっ!     

                        とにかく、クラスの女子が可愛いとか言ってるモデルの人とか比べものにならないぐらい美人。     

            クラスの女子がゴミに見えるぐらい…                                                                   

            皆が唖然としているのを気付いていないのか、先生は話す。

                                                            「え〜この方は、フランス?からこっちに来ました。えっと…あっ!名前は翡翠桜(ヒスイ サクラ)さんです。」                                                             


            (ひすい…?そんな名字聞いたことない。         …しかも、さっきっから、俺ンこと見てない?…目が合うんですけど…‥)                                                              

            やはりそんなことお構いなしに先生は話す。                                                     

            「‥…はい以上です!翡翠さん何か一言ある?」                                      

            その質問に翡翠の目線は俺から外れ、先生のほうにギロリと移った。                 そして一言。                                          

                                    「…‥ない」                                                                                          翡翠の発した声が教室に響き渡る。                                その声は低く艶があった。

                                                



「‥ぇえ…?あ‥そうですか」                                                                                              ちょっと動揺している先生。

                                                                                    「‥えっと…じゃあ席は…」                                                           と言い掛けたとき…                                                   「あいつの隣の席」                                                                                       (あいつ…?だれだろ)                          そう思い翡翠が指をさしているところを見てみると…                                                                        

(俺の隣かよっっ!!!!!)                                                                                                 皆の視線が痛い。                                                                            そして、コツコツとブーツのソコを鳴らしながらこっちにくる‥‥…ってここ学校!!ブーツだめだからねッ!                                                                       と突っ込みながらも翡翠はこちらに近づいてくる。                                                                                                             ストン。                                                                                                                    翡翠が椅子に座る。                                       窓の外を眺めたり、足をぶらぶらさせたりしている。                                                                        窓を眺めている姿は、絵になるような……すばらしい姿だ。                                                         風に銀色の透き通った髪が揺れる。                                            「じろじろ見るな」                                                                                                               突然目の前にいた人形が口を動かし一言。                                                     いや、人形ではなく翡翠桜が一言。

                                                                                    俺は知らぬまに見つめていたみたいだ。                                                                                                      「あ…ごめん」                                                                                         謝ったあと、                                                                              「‥‥ふん」                                                                                          つんとまた翡翠はそっぽを向いてしまった。

                                                                        (なんだそれぇぇぇえ!!!今、俺謝った、謝ったって!!)                                                                                                またもや突っ込みを入れてしまった。

                  …俺、こーゆーキャラだったっけかなァ。

                                                                                                            「えと、では授業はじめます、」                                                                                                         ふと先生の声が耳に入った。                                                                                               「えー今日は数学の先生が体調を崩したそうなのでこの、大学入試レベルのプリントやっていてください。

」                                                                                               『えー』                                『無理!』                               『わかんねぇ』                                                                                                     みんなのブーイングが広がる。                                                                                              


そのなか翡翠は一人、外を眺めていた。                  

     







(これ、NASAレベルってヤツ?)                                                                                             そのプリントには、






χ1,χ2,χ3,………χ2000は、‐1≦χn≦2(n=1,2,3,……2000)

を満たす整数です。

Sn=(χ1)n+(χ2)n+(χ3)n+……+(χ2000)n,  (nは自然数)      を考えます。      S1=19,S2=99のとき、S3の最大値を求めなさい。                                                          







という問題。                                                                                                                              (無茶だァァァァァァァァァァァア!!!!!                                         って、皆真剣にやってるー!!)                                                                                              「はぁ…―」                                                      思わずため息が出る。                                                                                                  「はい、じゃあ回収します!」                                                                              

            (えっもうそんな時間…?)                                                                                                            気付いたら30分がすぎていた。

                                                                                                結局、俺はあの問題を解くことはできなかった。                                                                                                                                      「あれっ…翡翠さん、回答出してください。

」                                                                                                           みんなの視線が翡翠に集まる。                                                                                                            翡翠は、窓の外を眺めている視線を外し、先生に向ける。                                                                      

そして一言。

                                                                                                                                                                        「こんな幼稚な遊びをやるために此処に来たわけではない」                                                         (エェェェェェェェエっ!?)                        



                                                「え…?ってことは翡翠さん解けるんですか?」                                                                                      

            「当然だ。」                                                                                          (まじでかァァァァア!?)                                                                                    「答えは?」                                                                                                      「答えは…、S3=133だ。」                                                                                               

            「‥せ、正解です」                                                                                                               (まじでェェェェェエ!?)                                                                                                                                    皆、クラス全員の顔が唖然としている。

                                                あの問題を解いた。

                        わずか数秒で。

人間とは思えない頭脳だ。                                                                                                (そういえば、なぜこんな時期に日本に来たのだろう?)                                  今は試験が迫っている時期だ。

                                                                        (わざわざ、こんな時に来なくても…来ても、もう少し遅くに転向すればいいのに…‥…しかも、フランスに居たって言ってたよな?日本語うますぎじゃね?)                                                                        なんか翡翠には疑問しか浮かばない。                                                                                          




そして不思議な彼女と初めて出会った日がおわった。

これからも頑張ります。 どーぞ宜しく。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ