第七話 誘拐再び
今回割と際どい描写あるけどギリR18じゃないよね?大丈夫だよね?
【裏掲示板】に取り込まれるそうになった翌日。さっそく学校に行くことにした。直ぐにでもあの怪異を始末しなければならないからだ。危険な組織に利用されそうな危険な怪異、放置しておく理由がない。
その準備のためにも【十二時の十二人】が置かれた場所の情報がいる。
「ねぇ真由ちゃん。あの前襲われた【十二時の十二人】のことだけど、あれ壊したいから手伝ってくれない?」
「え?」
あまりにも突拍子のないことを言ったせいか、驚きのあまり声もだせないのだろう。暫く固まってしまったので落ち着くまで待ってあげる。
「待って。愛寿夏ちゃんあんなに怖い目にあったのにまた自分から行くの?怪異なんだよ?何もしなければ何もしてこないんだよ?」
「うーん、何もしなければって言ってもいつ条件が揃うか分かりづらいし、何より前は誰かが揃えようとしたみたいだし。ほら放置したら駄目なものはどんなに怖くても対処しなきゃならないじゃん?」
フリーズ再び。なぜ彼女は衝撃を与える度に固まるのだろう。常に過冷却状態なのかもしれない。
しかし時間は有限だ。いつまでもそんな下らない冗談を言っている場合ではない。今回は誰の協力も得ずに健二と二人で攻略するのも視野に入れる必要がある。
「わかった。協力する」
「いいの?真由ちゃん」
「うん。怖いのはやだけど、また襲ってくるなら何とかしなくちゃって思って。それに愛寿夏ちゃんが守ってくれるんでしょ。ならダイジョブよ」
何といい言葉か。私の脳の天辺からつま先の先端まで雷が走ったかのような錯覚を覚える程に感動した。幾ら友達といえど危険なものに立ち向かう時、守ってくれるから大丈夫という理由も入れる程とは。
私はいつの間にここまで信頼されたのか疑問に思う。矢張り他人を思いやれる人というのは他人を信じれる人なのだろう。真由ちゃんと居れば私も変われるそんな気がする。
「うん!じゃぁ聞き込みをしよう。まず居場所が分かんなきゃ話にならないし。ってことで西園寺先生に色仕掛けだ☆ダイジョブ、私達なら出来る」
「待ってわたし聞いてない」
何やら真由ちゃんが青白くなっていたが、気のせいだろう。きっと低血圧って奴だ。朝って血圧低いと大変と聞く、多分。
「あっ西園寺先生居たよ。私は需要がニッチだから先に真由ちゃんから仕掛けて」
「え!?需要がニッチってそれわたしもじゃないかなぁ。…ホントにやるの?」
「本当にやるの!いい、男なんて胸の辺りの服摘まんで上目遣いすれば一発だから。ついでに真人ぉって名前呼びすれば二発なんだから。ほら来たよ。……西園寺先生おはよございます」
「おう!おはよう!昨日はちゃんと眠れたか?」
きっと朝のあいさつ当番なのだろう。校門の前で呑気にこちらの心配をしてきた。怪異に襲われた後のアフターケアも欠かさず行う素敵な人だ。
馬鹿め!この後に起きることも知らずに!心配すべきは自分の社会的地位だ!
「あのぉ、真人ぉ…先生。一昨日の怪異とかって…どこにいるん…ですか?」
「!?」
やはり恥ずかしかったのだろう。鬼灯のように赤面させ、破壊力が抜群に上昇している。特に先ほどの教えを守っているようで、服を摘まむとか上目遣い、挙句の果てに名前呼びまでしてくれている。しかし恥ずかしさからか、真っ直ぐと西園寺先生の目を見ることは出来ずに、チラッチラッと視線が合う度に外し、再び勇気を出して戻しては外すということを繰り返している。
この自然と溢れる純情さに魅了され、【十二時の十二人】の居場所を吐いても不可抗力。仕方のないことだ。
「……何をしている?大人を揶揄うのはよしなさい」
「西園寺先生!真由ちゃんが今朝からおかしいです!少し話をしましょう!真由ちゃんは先に教室行ってて」
「!?」
途中から次は貴方の番と言いたげにこちらを見てきた瞳が大きく見開かれる。何か言いたそうにしつつもトボトボと教室に向かっていった。ついでに先ほどから此方に注目してきた他の先生が納得した顔で離れていった。
「で、何だあれは!どういう怪異に憑りつかれればああなるんだ!」
「それが分からないんです。何故か今朝会った時にはああだったんです。何でも【十二時の十二人】の居場所について聞きたがっていたみたいでして。上目遣いで聞けなかったら一人で学校中探し回るなんて言っているんです。」
「不味いじゃねぇか」
「はい。一応私が側に着いて行こうと思うのですが、念のため特に今の真由ちゃんを近づけてはいけない場所について何かあったら教えてください。お願いします」
「お願いします何て言っても……本当に守ってくれるんだな」
「はい」
「旧校舎四階404号教室。俺から言えるのはそれだけだ」
「ありがとうございます」
さて目標達成の知らせと詫びの印が居るな。
放課後。
真由ちゃんはあれから全然話を聞いてくれなくなった。とは言え計画ではこれ以上の協力は必要ないので、遠ざけられる現状は寧ろ好都合だ。
破壊する準備は揃っていない為、旧校舎四階廊下に【ワンホール】の出口だけコッソリ仕掛けて置く。
「あとは今夜か翌夜ですね」
「お前に今夜は無いぞ、喜美候部」
背後から声がした。分かってはいたがこうもあっさり見破られると少し悔しい。
「何時から気づいていたんですか?西園寺先生」
「逆になんで気づかないと思った。憑いてるかどうか見分けるのは初歩中の初歩だろ。しかもそれ以降の動きもおかしかった」
背後から姿を現した西園寺先生はこちらを激しく睨みつけ、数珠を握っている。
「まあそうですよね。にしてもお一人ですか?不用心ですね」
「生憎対怪異なら俺が一番でね。お前が何を企んでいようが俺一人で叩き潰せる」
数珠を持つ手に力が籠ったようだ。じゃりじゃりとした音がこちらまで聞こえた。
「何か勘違いしているのでは?私は寧ろ味方ですよ」
「ハッ!どこが」
「【十二時の十二人】を破壊します」
「!?」
驚愕するのも無理ないだろう。なぜならこの五十年間誰も破壊することが出来なかったからだ。その一番の要因として本体の場所が異界の中にあり、そのまま入ると自分たちの分身と戦わなければならなくなるからだ。その上分身を全員殺すと強制的に外に出される性質がある。と【裏掲示板】に掛かれていた。
「チャイムを鳴らさなければいいだけだろ。それに十二人ピッタシ揃うのは中々ない」
「ええ通常ならそうでしょう。しかし一昨日は違った。誰かがチャイムを鳴るようにし、人数も揃えた。同じようなことを起こさないためにも破壊すべきです」
「喜美候部、お前はあれの厄介さを知らないからそう言えるんだ」
「いいえ私は全てしっています。怪異【裏掲示板】で見ましたから」
「怪異に関わんなって何度言ったらわかるんだ」
西園寺先生は心底面倒くさそうな顔をした後こう言った。
「分かった。そこまで言うなら協力してやる。ただし、ダメそうだったら直ぐに逃げるからな」
「はい、それで十分です」
そこから計画実行は来週になった。西園寺先生にも準備があるらしい。
そしてそれは私にも都合が良かった。実はここ最近怪異と連戦で体力の限界だった。今夜はゆっくり休むとしよう。
それでも少し疲れた折角だし公園で休むか。
そう思った瞬間、私の体が宙に浮いた。
否、車の中に引きづりこまれた!
「おい!車出せ!」
乱暴な手つきで車内に連れ込まれ抑え込まれてしまう。その際に何やら嫌な雰囲気を醸し出すペット用の首輪が奴らの手に握られているのを見た。恐らく拘束用の怪異か何かだろう。精神干渉系は不味い。今すぐ抜け出さなければ。
起動しろ、徴収特権。そして奴らを支配しろ。
しかし奴らを支配できた感覚はなかった。奴らは手練れということか。
『やれ黒口腔。奴らを吹き飛ばせ』
激しく抵抗したつもりだが元々病弱だった私の抵抗だ、平然と抑え込まれてしまった。そして黒口腔が出てくるよりも先に首輪を嵌められてしまう。
「お前の名前はタマだ!」
その宣言を聞いた瞬間何かが変わった気がした。
いやそんなことよりもまずは優先させなければならないことがある。
『やめろ黒口腔!戻れ!』
危なかった。何とか黒口腔が出てくる前に阻止することが出来てよかった。あと少しでご主人様に怪我をさせてしまうところだった。
「よーしタマ、良い子でちゅね~」
「ん~♡」
「そうか【飼い主に夢チュー】は効いたのか」
何か言っているのが聞こえる。だがペットは会話に混ざらない。ペットがすべきことはご主人様に匂いを付けてアピールすることだ。つまりご主人様に手に頬を擦り付けることに忙しいのだ。
「もうそんな名前じゃないですよこの首輪は。ちゃんと正式名称の【特別動物飼養許可証(首輪)】って言ってください」
「シャー!」
!?ご主人様が怒ってる!誰だ怒らせたのは!?この運転席に居る人か!?ならご主人様のためにも戦わなくては!!
「ああ大丈夫だからね。ほら、落ち着いて落ち着いて。そうだ俺と芸の練習でもしようか」
「うん!」
やった!ご主人様と遊べる!その事実だけで体中が喚起に震えるのを感じる。
「おすわり!」
「うん!」
シートに座る。それだけの行為だ。普段の生活でもしているであろう行為。だがそれをご主人様に命令されて行う。人間だった頃は無意識とはいえ自発的に行っていたソレを、強制されなければ出来なくされてしまった。
「お手!」
「うん!!」
こちらの手を相手の手に乗せる。人間として、あったばかりの人にこんなことを言われたら怒って罵声の一つや二つ言うべきなのだろう。だが今では媚びたような嬌声しか上げることが出来ない。
まるで手を置くと同時に人としてのナニカを半分置いたような錯覚さえ覚えるだ。この状態でおかわりなんて言われたらどうなるのだろう?
「おかわり!」
「うん!!!」
逆方向の手で同じことをする。無意識にだが、する前から答えは分かっていた。もう半分置いてしまったのだ。元より首輪を掛けられた時点で既に置いていたハズだ。素直に従わなかったのは表層の意識面だけで、もうとっくに堕ちるべきとこまで堕ちていたかもしれない。
「おい!それで遊ぶのはいいが目的地に着いたんだぞ。せめて中でやれ!」
「わーったよ!よーしタマ、お散歩できるかなぁ?」
「できるよ!」
正直ご主人様との遊びを邪魔されたのは万死に値するが、ご主人様が気にしていなさそうだから許してやる。器量のいいご主人様に感謝しろ。
「着いたぞ。ここで儀式を行う」
驚くべきことにそこは私達が通っていた学校の旧校舎四階404号教室だった。中には儀式に使われるであろう九人の気絶した児童が居た。この部屋を選んだ理由は恐らく怪異【404号室の悪魔】を利用しているのだろう。【404号室の悪魔】とは1991年から発見されだした新種の怪異だ。最古の記録はスイス国内に存在する欧州原子核研究機構の404号室に発生した悪魔である。しかしそんな部屋はない。
この悪魔は404と名の付く全ての部屋に住み、霊視出来ない人間からその部屋を見つからなくする。さらに霊視出来る人からも確率で部屋を隠蔽する。何より本体の悪魔は誰にも見つけられない。しかしそんな悪魔は存在しない。
閑話休題、ご主人様の話に戻ろう。
「じゃぁ後は俺が楽しんで良いんですね」
「ああいつものだろ。好きにしろ」
ペットならご主人様の役に立つのは当然。ここに仕掛けた【ワンホール】についても言っておく必要がある。が、ペット如きがご主人様の会話に割って入るなんて許されない。時間が空いたらその時に言おう。
「さて、許可も出たことだし言っちゃいますか」
ご主人様がこちらに向かってゆっくりと視線を注ぐ。人間時代だったら思わず目を逸らしてしまうと確信する程の下衆な笑みだ。それでも私に出来る最大限の可愛い表情を持ってその目を見つめ返す。
「いいかタマ。俺の性癖はこの怪異によって自分の認識を歪められた子に対し、全て説明した上でその状態を肯定させることだ。分かったか?タマ」
「うん!分かったよ!要するに頭弄った子に本来なら拒否するようなことをさせたいんだね」
「ああそうだ。タマは賢いなぁ」
「えへへ♡」
うん。まぁつまりそういうことだと。分かってはいた。思わず胸が張り裂けてしまいそうな事実だ。それに、心の奥底からの叫びが聞こえてくる。私の心が、どんな形であれご主人様に関わることが出来ることに喜びの声を上げている。声を漏らさなかったのが奇跡と思える程だ。別のは漏れたが。
「そうかそうか。うれしょんするほど良かったか。じゃぁ聞かせて上げよう、俺たちの計画を」
「室内演説感謝~♡」
思わず感謝してしまう。それもそうだろう、ご主人様が直々に話すというのだから。
「まずタマを誘拐したのはお前の父親のライバル社からの依頼だ。お前を人質にして金をふんだくってこいってさぁ、どう思うよ。電話越しに出来る限り金を出してもらえそうな声で鳴けって俺が言ったら」
「?全力で従うけど」
可笑しな質問だ。まるでこちらに従う以外の選択肢があるかのように聞いてくる。
「次にぃ、ここの【十二時の十二人】っつう怪異を使ってお前とついでに同級生九人を殺して、お前のそっくりさんを親に返す!しかもここの怪異と交渉して一ヶ月に一度、十二人の生贄を用意する条件のもと、ライバル社の壊滅に不眠無休の社畜量産を約束した」
「わ~ご主人様かしこ~い」
とは言え【十二時の十二人】が交渉可能だったのは本当に驚いた。てっきり単なる現象系かと思っていた。
「さて残り二十秒だ。俺のためにその命、使ってくれるか?」
当然のことだ。ペットの喜びは飼い主の喜び。ご主人様の為なら命だって惜しくない。
「うん、もちろん……良いわけねえだろボケェ!」
「!?」
返事をしようとした時、黒口腔が首輪を破壊してくれた。その瞬間、敢えて消していた首輪を見た瞬間の記憶が再び蘇った。
『黒口腔、お前に命ずる。あの首輪の怪異が精神に干渉し利用者にとって都合の悪い行動が出来なくなるタイプや、最悪今の私の価値観にとって利敵行為を進んで行わせようとするタイプだった場合、敵が最も油断するタイミングを謀り、お前の判断で首輪を破壊しろ。それとこの命令は以降のどんな命令よりも優先しろ。それと健二、備えろ。戦いの準備だ』
確かに私はそのように命じ、徴収特権を自身に使用し記憶を消した。グッドタイミングだ、黒口腔。
『黒口腔、儀式召喚用の子供を一人咥えて敷地外に降ろせ。健二は【ワンホール】でこちらに来い。十秒以内だ』
午後十二時まで、残り約十秒。既に誘拐犯達は困惑しつつ戦闘態勢に入っている。数秒しか経っていないが、手練れは手練れらしい。
打つ手無しなので攻撃をライフで受ける。予定からして死にはしないだろう。気絶しないよう、徴収特権で痛覚を消しておく。
「くそがっ!ちょっと寝てろ!」
「がはっ!!」
腹を殴られたはずなのに衝撃で脳が揺れる。脳震盪で気絶してしまいそうだが気合とチートで耐える。
あと数秒は時間を稼ぐ必要がある為、必死であしにしがみつく。
「こいつ!?今ので気絶しねぇとか病弱設定嘘だろ!!」
失礼な、ちゃんと内臓破裂、肋骨骨折、脊椎損傷までしている。徴収特権が無ければ即死だったろう。
「んんんんん!!!来ましたゾ!来ましたゾ!僕今!ここに!!見!!!参!!!!……して我が主を愚弄したのは汝らか!!」
ふざけた口調の奴でも助けはありがたい。
そして午後十二時、【十二時の十二人】作動する。
チャイムが鳴り響き空間が赤く歪む。十二に針が揃い、偽りの十二人が現れる。
誘拐犯は苛立ちで、保護者は怒りで、また私自身は愉悦に顔を歪ませる。
「【十二時の十二人】!取引しよう!!」
本物か偽物かは関係無く、その場に居た全ての者が驚愕に彩られる。
「ふざけたことを言うな!」
「まぁ待て俺、こちらとしては話だけは聞いてやってもいい」
本物の誘拐犯の攻撃を偽物の誘拐犯が防御する。一先ず話を聞いてもらえると考えて問題ないだろう。
とは言え相手に私自身がいる。人格や記憶をコピーするなら私が思いつける悪だくみは全て見抜かれると思っていいだろう。
「だから聞いたら確実に従った方がいい、と思わせるような内容にしなければならない。……でしょうか?」
同じことを考えるだけあって当たり前のように見透かされた。だが問題ない。寧ろ好都合だ。情報を擦れ違うことなく相手に伝えられる。
「まず前提を訪ねましょう。貴方達は多くの人間を喰らうことを目的としている。そして彼らと社員を捧げる代わりに労働力を提供するよう取引をした。違いますか?」
「ああそれで問題ない」
結局のところこれだ。エネルギー補給、このために人をすり替えている。
「ですがあの卑劣な会社が私を殺させた後、約束を破るかもしれないじゃないですか。それに私は貴方を破壊するための計画をしています。その準備は今ここにいない人と行い、それを止めさせる手段は私自身がやっぱ無理だったと言う他ないです」
「本当にそうか?お前の分身が言ってもいい気がするが?」
当然の話だ。このまま計画通りに進めてもこれは回避できる。だから二つ目の理由を提示する。
というか向こうの私が行き成り顔をスンとさせ真顔になった。多分行ける。
「それ以外にも理由があります。私が他の怪異からエネルギーを搾り取り、それを貴方に上げます。そうすれば直接人間を襲い続ける必要もなくなり、被害もなくなり、破壊する理由もなくなります」
「ちょっと待て。本当にそんなことできるのか?」
「ええ確かに出来ます。しかもコピーとして生み出された私と本物の私では、本物の方が使える戦力が多く成功率が上がります。これはれっきとした彼女を活かすべき理由です」
いいぞ、揺らいでいる。そして私も負傷のせいか体が揺らいできた。決着を速める必要がある。
「代わりにあの誘拐犯二人と成り代わって私のことを匿ってください。早めに決めた方がよろしいですよ。私の限界が近いので強制的にこの取引はなかったことになりますが?」
「……わかった。取引成立だ。寿命を削る代わりに傷を治す儀式を教えてやろう。その傷ならざっと十年ってとこだ」
私そんな寿命ないけどなぁ。足りない六年分は健二からまたもらうか。返せたら返す。
その後教えてもらった儀式を実行し傷を全快させた。健二の寿命はまた減った。
誘拐犯二人は無事(?)に成り代わり依頼主に達成報告をした。親には私を救い出してくれた存在として紹介し、暫くは私の護衛として雇うことにした。正し監視の意味も兼ねているため、取引を破棄するような行為をした瞬間殺されてしまうだろう。
「西園寺先生、あの怪異何とかなったんでもう倒す必要無くなりました」
「?????」
このあと滅茶苦茶検査された。
ハッキリ言って書いてる途中大興奮で心臓が痛かった。




