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ウサギと亀の恋

作者: うずらの卵。

僕は大手企業に勤めるサラリーマン。

名前は亀田、名前の通り何をするのも遅い。

見た目は平凡で彼女も出来た事が無いんだ。皆からはノロ亀と言われている。

でも、仕事は真面目で殆んど休まず頑張っている。

そんなある日、社内にカツンカツンと言う音が聞こえて来たと思ったら、金髪で厚化粧でミニスカの派手な女が、ハイヒールの音を響かせながら入って来たんだ。

すると部長がその女に走って行き、うさこお嬢様おはよー御座います、と低姿勢でお辞儀をしてた。

僕は隣の同僚に誰?と聞くと、同僚は社長のお嬢様だよと。

僕は見た事がなかったから驚いた。

すると、うさこお嬢様は社内を見回すと、僕の方にカツンカツンと歩いて来て、

急に僕に言ったんだ。「今から私に付き合いなさい」

僕は仕事が有るしと戸惑っていたら、部長が行って来いと言うから、僕は仕事の途中でお嬢様について行った。

お嬢様に名前を聞かれたので、亀田ですと言うと亀ちゃんねと言われて、僕はドキッとした。

そして、会社の外に止まっていたハイヤーに乗り込み、フランス料理のお店に連れて行かれ、少し早いお昼を食べた。

僕は緊張して味が殆んど解らなかった。

そして、何回かお嬢様に仕事中に呼び出され、買い物に付き合わされたりした。流石に同僚とかに嫌味を言われるようになって来たんだ。

僕も流石に仕事が進まなくなり、

ある日又お嬢様に呼び出された時、遂に僕は「もう、うさこお嬢様の我が儘には付き合えない」と言ってしまった。

お嬢様は真っ赤になり、「パパに言ってあんたなんかクビにしてやる」と言い放ちカツンカツンとハイヒールを鳴らしながら去って行った。

僕はもう終わったと思い、やりかけの仕事だけは終わらせようと思った。

でも、数日経ってもクビ宣告はされなかった。

そして、平常な日常に戻って来たある日、

部長が女の子を連れて来たんだ。

見た目黒髪で化粧っ気がなく、眼鏡をかけた地味な感じの女の子だった。

そして、部長が紹介した女の子の名前が、梶川うさこと言って、あのお嬢様と同姓同名だった。部長は「亀田、お前が面倒見るように」と言うと、女の子がカツンカツンとハイヒールを鳴らしながら、亀ちゃん宜しくねと笑顔で挨拶して来た。

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