表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

第1話 医クラちゃんとキラキラちゃん

「医クラちゃん! 来週の土曜日にコーシー先輩のオンライン講演会があるんだけど、参加してくれない?」

「うーん、土曜日は映画を見に行きたいからちょっと……」


 ある日の放課後、医クラちゃんが退屈のキワミ感のある講義を終えてさっさと帰ろうとしていると、同じく医学部医学科4年生でボランティア部に所属しているキラキラちゃんが話しかけてきました。


「だってあのコーシー先輩だよ? 在学中から起業して今やIT企業の新鋭社長で、そんな人の講演会に参加できるなんてすごくない?」

「まあ確かにすごいよねー……」


 キラキラちゃんは5年ほど前にこの大学を卒業して会社を経営しているコーシー先輩の話で興奮していますが、大々的に始まってすぐ潰れたベンチャー企業に投資したことがある医クラちゃんにとってはアホらしいとしか思えません。キラキラちゃんは1年生の頃から意識が高すぎたせいで学年内で微妙にハブられており、こういう性格の医クラちゃんぐらいしか友達がいないのです。


 医クラちゃんはそんな講演会にはオンラインでも参加したくないし、来週土曜日は最近話題の青春リア充アニメ映画を見て感想をツイッターに投稿しなければならないのでどうにか断る方法を考えました。


「私は出られないけど、後輩にツテがあるから学年ラインに宣伝を流して貰おうか? それなら何人か参加したい人いそうだし」

「ありがとう! こういう時医クラちゃんって本当に頼りになるよね。また今度資料あげるからね!」


 キラキラちゃんはそう言うと他の数少ない友達に同じ話を持っていき、医クラちゃんは資料の内容というより資料をくれていることへの返礼として後輩にラインを送りました。



 1週間経っても既読は付きませんでした。



「医クラちゃん、コーシー先輩の講演会に参加したらボランティア部員しか来てなかったんだけど、本当に後輩にライン流してくれたの?」

「知るかボケェ!!」


 休み時間にツイッターで社会に物申している時に文句を言ってきたキラキラちゃんに、医クラちゃんはつい本音が出てしまいました。



 (つづく)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ