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腐血姫の最強譚 〜自称普通の少女は、VRMMOで無双する、かもしれない〜  作者: おまめあずき
3 世界歴史書(ワールドレコード)クエスト
72/74

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今回は前半リツキ視点、後半シルフィード視点です。


――ピロンッ


_____________________


    敵役撃破を確認しました!

 イベントアイテムがインベントリに送られ

        ました。


 ・(あま)の欠片

_____________________


 さらり、と首をはねられたチャコの体がポリゴンとなって溶ける。

 それを見届けて、俺は全ての魔法を解除した。

「………。」

 勝った。

「あはは、」

 勝てた。


 じわじわと実感が身にしみてきて、力が抜けてくる。

 だが、まだ此処は戦場。

 いつ、誰が襲撃してくるかわからないこの場所で、気を緩めるわけにはいかない。


「戻るか…」

 少し遠目に見える領主の城に、リツキは歩き出した。


 ***


 アスランを倒した後、部屋の中から比較的きれいなソファを引っ張り出し、そこに腰掛けて本を読んでいた私は、知っている気配に前を向く。

「あ、リツキさん。

 ……満身創痍、って感じですね。」

「あはは…」

 お恥ずかしながら、と頬をかきながら私の隣に座るリツキさん。


「…どうでした?」

「相性最悪、かな?」

 ……まぁわかっていた。

 チャコもリツキさんも、戦闘中に『学習する』タイプだ。

 向こうの動きを学習したと思ったら、その学習を更に相手が学習する。

 どんどんそれが積み重なっていって、動きが洗練されてくる。


 戦力底上げの模擬戦と言うならば、その特性や武器も相まってこれ以上ないほどよい相手だ。

 だが、本気の戦闘となると、大きな差がない限りどちらに天秤が傾くかは正直賭け。

 今回はその賭けに勝ったようだ。


「相打ちとかにならなくてよかったです。

 結構最悪のパターンだったので。」

「あはは…最悪にならなくてよかったよ、本当に。」

 苦笑するリツキさん。

 一番最悪なのはリツキさんがチャコに完全敗北することだけど……。

 リツキさんが負けるなんて考えはなかったしね。


「…ちなみにリツキさん、もらいました?」

「ああ…イベントアイテム?」

「そうです。」

 敵役であるアスランを倒した時に出てきたアイテム――「天の欠片」。

 インベントリの中から取り出すと、半透明の光の加減で何色にでも光る、言い表すなれば七色に光るガラスのは破片ようなものだった。


「イベントの内容的に、最後に提出するものなんだろうね。

 アイテムの説明もそうなっているみたいだし。」

「じゃあ、これで十個の枠のうち、四つが埋まったわけですね。」

 ナナの羽根二枚に、天の欠片が二個。


「あと六つ、か。あと半分ちょっとかな。」

「時間的にはちょっとやばめですけれどね。」

 もう、二日目も終わりに近づいている。

 とりあえずリツキさんにささっと聖水を飲んでもらって(アスランにぶっかけたやつの残り)、回復のために少し休憩する。


「……よし、大丈夫ですか?」

 数分後、ちゃんとリツキさんが回復したであろう頃を見計らって私は立ち上がる。

「うん、ちゃんと動けるよ。」

「じゃあ、館探索に戻りましょうか。」

「うん。」

 私達はようやく館の探索に乗り出すことができたのであった。

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