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腐血姫の最強譚 〜自称普通の少女は、VRMMOで無双する、かもしれない〜  作者: おまめあずき
3 世界歴史書(ワールドレコード)クエスト
70/74

68

更新が遅れてすみません。スランプでした…。


…羽と羽根って何が違うんだろうと思ってたら…。

羽根がばらばらになったほうで、羽がつばさの意味の方なんですね…。知らなかったです…。

(77編の編集をする気力はありませんでした。)


―――睨み合い。


 技を変え立場を変え、どちらかが上回るまで。

 そんな攻防の様相を見せていた、死の狼と腐血の戦いとは違い、此方はただ睨み合っていた。


 膠着状態。

 互いに互いの一挙一動を警戒し、ただ見つめ合う。


「っ」

 先に動いたのは、チャコだった。

 彼女の戦斧がピクリと動いたかと思うと、彼女はその羽根の機動力を活かし、地を舐めるようにして接近する。

 またたく間の間の出来事。


 だが、リツキもただ立っていたわけではなかった。

「【氷床(アイスバーン)】…【氷柱(スティーリア)】。」

 瞬間、リツキの足元が淡く発光したかと思うと、氷柱が地面から鋭く生える。


 チャコは氷柱の届かぬ前の場所で立ち止まることとなり、更に後退する。

「っ」

 もう一つの魔法、【氷床(アイスバーン)】。

 【氷柱(スティーリア)】を発動させるための魔力短縮、という意図ももちろんあるが、チャコの足場を削ぐというのが本命の役割。


 瞬く間にその範囲を伸ばした【氷床(アイスバーン)】から逃れようと、チャコは宙に舞う。


――ギィンッ!


 その瞬間を狙って放たれた氷の刃が、チャコの戦斧にあたって砕ける。

「怖いねぇ。【鋭利化】」

 お返し、とばかりに、チャコの羽根が刃のように鋭くなり、リツキの方へと飛んでいく。


 幾重もの羽根の刃は、【氷柱(スティーリア)】で作られた氷獄をいともたやすく破壊する。

 だが、破壊され尽くした守りを超えてその刃がリツキに届く前に準備は終わっていた。

「っっ!」

 インベントリを操作し、現れたその剣で、まずは上から下へ。そして返す刃で斜めへ、横へ、上へ、縦横無尽に切り裂く。


「あははっ!」

 羽根の中を潜るようにして現れたチャコへ、対応が少し遅れる。

「っ。」

 それでも冷静に切り返したのは、何度も見た動きだったからだろうか。

 キィン…と硬質な音が響く。


「あっっはははっ!」

 その勢いのまま、剣と交わっているままの戦斧を起点として身体を回し、場所を移すチャコ。

 彼女が先程までいた場所にはいつの間にか【氷柱(スティーリア)】が生えていた。


「楽しい戦い方するねぇ!」

()は全然楽しくないけどね!」

 一瞬でも反応が遅れたら命を落としてしまいそうなほど激しい衝突。

 この攻防が成り立っているのは、リツキとチャコの間にあるレベル差と、リツキの思考能力の高さ。

「っっ!」

 それでもリツキが不利になりかけるというのだから、チャコの技量は相当なものであった。


「まるで遊園地みたいだ!」

 縦横無尽に飛び回りながら笑うチャコ。

 いつ、何処からか飛び出してくるかわからないチャコと何度も何度も刃を合わせ、ときに受け流し、カウンターを仕掛けながらも食らいついているリツキ。

 自身とともに向かってくる羽根の刃は、リツキの身体に幾筋も傷をつけた。

 その羽根とチャコ自身を防ぐためにリツキが生み出した氷の柱は、もう隙間がないほどだ。


「あっはは、流石にここまでやればもう君のMPは残りわずかでしょう??」

 その口元に凶悪な笑みを浮かべ、チャコは中高く舞い上がる。

「最後にこれだけ見せてあげる。」

 自分に対する絶対的自信からくるその笑みは、凶悪でありながら、強烈な魅力をまとっている。

 才能だけではない。

 己がこれまで積み上げてきた努力、それが報われた結果、勝利によって積み重ねられた自信。


「『黒き羽 輝きし() 白にして黒にあるものよ

  我らが意義は 天に有りて 地を赦し 紡ぐことよ

  代弁者は滔々(とうとう)と語る ただ(いち)となったとき いつかの夢に 限りあらん祝福を』」

 聞いたことない詠唱。

 高まる魔力。


「【黒き天使の(ノワールエンジェル)存在意義レゾンデートル】!」


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