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腐血姫の最強譚 〜自称普通の少女は、VRMMOで無双する、かもしれない〜  作者: おまめあずき
3 世界歴史書(ワールドレコード)クエスト
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遅れて申し訳ございません。予約を間違えてました(一週間後二話投稿することになってました)。

お正月回を途中まで書きましたがボツにしました。


「小癪な。」

「んなこと言われてもね…。本来こっちがメインだし…。」

 チャコの戦斧を受け流した手をそのまま振りかぶる。

 腹をめがけて繰り出されたその拳をチャコは戦斧で受け、吹き飛ばされる。


(―――吹き飛ばされる?)

 その結果に、リツキは違和感を覚える。

(ここまでの戦闘からして、このくらいの、魔力をまとっているとはいえ、あまり力の入っていない拳を受けたところで…。)


「あはッッ♥」

(吹き飛ぶ、はずがないッ)

 自分の懸念が当たっていたことに気が付き即座に横薙ぎで振るわれた戦斧をガードするリツキ。


「ふぅん…? これ、止めるのね…。」

 チャコは、ニヤリ、と楽しそうな笑みを浮かべる。

 思わず、というふうに。


「ぐ、ぅ…ッ」

 だが、彼女は極振り勢。

 ゲームを始めたときからずっと変わらない、一点集中スタイルの彼女は、例えレベルで上回ろうとも、そう簡単に倒せるわけもない。

(練度が、違う…!)


 対するリツキはオールラウンダー…。

 確かに、多彩な技を使える。

 使える武器も、戦略も、チャコよりずっと多いだろう。

 だが、練度が違う…。


 動作の一つ一つ、全てに対する効率化を、本能で行えるまでに。

 無の局地――それに到れるまでに鍛えられたその戦い方に。

(勝てない…―――)


 そう、思わされてしまう。


 ギリ、と唇を噛む。

「いや、負ける訳にはいかないだろ。」

 なにせ、彼の相方であるシルフィードは、彼女の上―――世界ランク二位と、渡り合っているのだろうから。

 この、世界ランク三位に、ここまでの執着をされるほどの実力者であるのだから。

「それに見合わないと、いけないだろ…ッ!」


 彼の中に、ここで敗北するという選択肢はない。

 彼の中に、シルフィードとパーティーを解消するという選択肢はない。


「もおおおおお♥

 とっとと諦めて死に晒せぇっ♥」

 再び、戦斧を振りかぶる。


「―――…大振りの、右。」

 その戦斧の軌道を、リツキは目で追っていた。

「ッはッ!?」

 それに気がついたチャコが、慌てて身を引く。

 あのまま、あそこで戦斧を振り下ろしていたら。

 己は、―――。


 その、地面に這いつくばる己の姿を幻視して、チャコは無意識にその笑顔を歪ませる。

「……おも、しろいじゃん。」

 それも、瞬きの間。

 一瞬後……ニィ、と。

 狂気じみた笑みを、浮かべる。


「あはははっはッッ!

 〈籠絡姫インディゴ・プリンセス〉、PN・Chaco(チャコ)!!

 シルちゃんにふれた罪で―――」

 改めて、名のりを。

 己に敗北感を一瞬でも感じさせた、称賛に値するその()に。


 いつの間にか現れた、()()()()()()の手を握り込みながら。

 龍は、獰猛に嘲笑った。

「PN・リツキ。先代竜王に与えられた名は、―――。

 (ただ)―――己が欲のために(受けた恩を返すために)。」


「「お前を倒す。」」


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