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腐血姫の最強譚 〜自称普通の少女は、VRMMOで無双する、かもしれない〜  作者: おまめあずき
3 世界歴史書(ワールドレコード)クエスト
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 七月二十五日。

 天気は快晴。気温も二十五度と良好。

 今日は学校も休みで、一日中暇(というか、そうなるように調整した)。

 VRMMO(ゲーム)に没頭するなら最高の日和である。

「よしっ!」

 私は、ゲームの機器を身に着け、電源を入れる。


«……ログインが完了しました。カセットを選択してください。»


「『Give you a world of freedom』」

 私は間髪入れずにゲーム名を言う。


«……VRMMO、『Give you a world of freedom』が選択されました。

…セーブデータが存在します。セーブデータ:シルフィードでゲームを開始しますか?»


「はい。」


«…VRMMO、『Give you a world of freedom』をセーブデータ:シルフィードで開始します。»


 そして、いつものようにポリゴンが崩れていき、真っ白な空間に出される。


«おはようございます。今日のログインボーナス、『ランダムデイリーアイテムパック - N(ノーマル)』を配布いたしました。インベントリにてご確認下さい。»


「おぉ〜。今日はアイテムかぁ。」

 ここまでのログインボーナスでもらったのは、ビーフジャーキーとかクッキーとか、食べ物系ばっかりだったからね。

 食べ物は食べると当然美味しいし、時々効果(一定時間攻撃力増加など)がある食べ物もあるから私は別に良かったんだけど、流石にずっと食べ物だったら苦情とかも来るのかな?

 なんて思いつつ、私は血濡れの廃神社に降り立つ。


 あれ、なんで此処に―――…あぁ、そうだ。

 迷宮(ダンジョン)攻略後に、私たちはここでログアウトしたんだった。

「まずはリツキさんがログインしてるか確認っと…」

 私はステータスボードを呼び出し、フレンド一覧というところに飛ぶ。

「あ、いない。

 やっぱし早かったかなぁ…。」

 横目で時計を確認する。―――午前7時38分。


「…うん、早かった。」

 いつもリツキさんは8時に来るから、ちょっと早かったかな。剣の素振りでもして待ってよっか。


  ***


 剣の素振りをしていたその時、ふわ、と空気が一瞬変わったのがわかった。

 そして、そちらに視線を向けると、やはり、リツキさんが降り立っていた。

「おはようございます、リツキさん。」

「あぁ、おはよう、シルフィードさん。」

 ふあぁ、と眠そうに一つあくびをするリツキさん。

 それはそれとして。


「リ ツ キ さ ん ?」

 私が少しばかり威圧すると、リツキさんはしまった、という顔をして言い直す。

「おはよう、シルフィ。」

「はい!」


「…ところで、今は素振り中?」

 リツキさんは、私の持つ刀に視線を向ける。

「はい。そうです!」

 私が今持っているのは、ただただ刀を模しただけの血液。

 これが【血液操作】と【刀剣】、二つのスキルを効率的に伸ばせる訓練なんだよね。

 この二つならそこまで負担も感じないし、ね。


「やっぱちゃんとした刀がほしいですよねぇ……。」

「……【東陽の國】なら、あるかもよ?」

 …ゔっ。

 ちょっと、ほんのちょっとだけゆらぎかけたけど、でも、

「今日世界歴史書(ワールドレコード)クエスト当日じゃあないですか…。」

「…今、8時。世界歴史書(ワールドレコード)クエストは、17時から。

 …………行けない?」

 こちらをいたずらっ子のような表情で見てくるリツキさん。

「………ん゛ん゛…。行けます、かねぇ…?」


 と、いうことで。

 私たちは【東陽の國】に向かったのだった。

シルフィードの主な敗因:殺傷能力の高い顔面(イケメン)への耐性が低かったこと

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