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「よし、討伐完了。」
「早かったね…。一本道だったから楽だったってのもあるけどさ。」
リツキさんが言うように、この地下通路は一本道。
特に分岐する感じはなかったから、案外早く最終到達点―――つまり、ボス部屋につけた。
隠しボスは死霊の塊。
とりあえず、光魔法を打ちまくっていたら(攻撃は剣でパリィ)倒せた。他のモンスターよりしぶとかったな、というのが私の感想。
討伐報酬は1000Gと、武器が出た。
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木の杖(殴打用☆)
〈説明〉
何の変哲もない木の杖。握った時、力が
入れやすいように作られている。
〈効果〉
●物理攻撃力 +25%
●魔法攻撃力 −25%
●付与魔術威力向上 +25%
所持者…シルフィード
耐久値…50
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効果はこんな感じ。
杖って、魔法使いとかが使うんじゃないの? 魔法攻撃力下がったら本末転倒じゃない?
ちなみに、討伐報酬では私とリツキさん、どっちもこの杖が出た。
ボス部屋で一休みしているとき、不意にリツキさんが呟いた。
「いやぁ…やっぱり運営もひどいことするよねぇ…。」
「どういうことですか?」
何に対しての話だろう?
「いや? 普通のVRMMOだったらさ、迷宮に入る前になになにのダンジョンだよ〜って書いてることが多いよね?」
言われてみれば…と私は他のゲームを思い出す。
「…確かに。そうですね」
「だけど、このゲームはそれがない。
つまり、NPCに聞いて回らないと、ここがどういう場所なのかとか、ダンジョンの名称とかわからないよね。」
うんうん、と私はうなずく。
「…じゃあさ、NPCに聞いて回れる条件はわかる?」
聞いて回れる条件? そんなものあったのか。
しばらく考えてみるが、よくわからなかったのでわかりません、と素直に言った。
「ん〜、分かった。じゃあさ、NPCだって人なわけじゃん。犯罪者の人とかに迷宮はないか、って聞かれて普通に答えられると思う?」
「あぁ! そういうことですか。心証が悪いと教えたくないとか、現実でもあるやつですね!」
「うん、そういう事。現実では犯罪者だとか見えないけど、この世界ではマーカーの色によって分かっちゃうからね。」
あぁ、更にハードル上がってるんですね…。
というかそもそも犯罪するなって話ですけどね。
「よーし、帰るか。」
「ですね。」
ボスの強さ⇩
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死霊ノ王
レベル:50
性別:なし
種族:死霊塊
HP:410/410
MP:40/40
スキル:【死霊合成】【王の権威】
装備:なし
概要:死霊が集まってできた塊。
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シルフィードたちが強かっただけで、普通にコイツも強いです。




