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腐血姫の最強譚 〜自称普通の少女は、VRMMOで無双する、かもしれない〜  作者: おまめあずき
3 世界歴史書(ワールドレコード)クエスト
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「リツキさんって、SP(ステータスポイント)全振り勢なんですね。」

「そうなんだよね。

 姉が残しておくのはもったいない、って感じの精神だからさ…。それに影響されたって感じかな。」

「姉!?!?!?!?!?!?」

 私は驚いて思わずぐりんっっっっっとリツキさんの方を振り向く。


「リツキさん、お姉さん居るんですか!?」

「え、あ…うん。居るよ。

 というか、バララキと会ったのも姉繋がりでね。」

 私の勢いに押され気味になりながらも、きちんと答えを返してくれるリツキさん。


「お姉さん居たんですね…。」

 いいなぁ…。

「そう言うシルフィ…は一人っ子?」

「えぇ、はい。なので、兄弟がいる家庭が羨ましいんですよ。」

 年上のいとこは居るけど、それは姉妹、兄妹って言うより、友達っていう感覚なんだよね。しかも、あんまり会えないし。


「……そんなに良いものじゃないよ? 兄弟って。

 俺は姉が一人と妹一人が居るんだけどね、女性比率が多いから権力が強いのなんのって…。

 俺たち男性陣の話は全く聞いてくれないこともしばしばあるしね。」


「それはちょっとコメントしづらいですね…。

 あ、リツキさん。ちなみに、龍王(ドラゴン・キング)になる目処ってたちました?」

「う゛」

 ステータス見てて気づいたんだけど、まだリツキさん、龍王(ドラゴン・キング)になれていないみたいなんだよね。

 やっぱり、なにか特殊な条件でもあるのかな…?


「まだなんだよね…。

 そもそも、進化条件がわかってない以上、どうしようもない気がするんだけど…。」

「そうですよね…。あ、そうだ。

 【はじまりの街】に帰ったら、図書館行きましょう、リツキさん。」

「え? なんで?」

 ずべての書物を閲覧できる【叡智の書庫】があるなら問題ないんじゃ…。

 とさも言いたげな顔をするリツキさん。


「いや、スキルを過信するのもあんまり良くないなぁ、と思いまして。

 ほら、『しあわせなこのゆめに』っていうクエストあったじゃないですか。あれで、街の図書館で確認できる情報が開示された=書物があるって思ってたんですけど、いくら調べようが見つからなかったんですよ。

 つまり、図書館に色々しかけでもあるのかな、と。」


「……それなら図書館になにかありそうだね。

 でも、図書館は未だ見つかってないけど、どうするの?」

 う、それを言われると痛い。

 確かに、攻略班総出で探したことがあるらしいが、【はじまりの街】に図書館は存在しなかったというのだ。


「そこは、NPCの皆さんにお聞きしようかな、と。」

 NPCなら、図書館があるかないかくらいはわかるだろう、と思ったのだ。

 勿論、この方法を攻略班が試していないはずがない。

 攻略班も試してみたがほしい回答は得られなかった、という情報がまとめサイト書いてあった。

 ただ、私はとあるツテがある。


「というか、正確には、私の友人が図書館を見つけることが出来たらしいのでその方法でちょっと一階試してみようかな、と。」

「はい???」

「あ、友人曰く、自分が案内することは不可能…というか約束を破るからしたくないそうなので、教えてくれる条件を教えてもらいました!

 なので、大船に乗った気でいてください、リツキさん!」

 私は、教えることが出来なくてごめんね、と謝りながらヒントを教えてくれた中性的な見た目の友人のことを思い浮かべる。

「はいぃい??????」

 リツキさんは、頭の上にクエスチョンマークが幻視できる位に驚いていた。


「いやぁ〜、このゲームをやっている友人なんて居ないと思っていたら、居ましたよ。しかもクラスメートに。」

「いや、え? すごいね、その友人さん……。え? どうやって?」

 その時、私たちは階段を下り終え、人が三人入るのが限界であろう狭い通路に出た。

「すいません、とりあえずその質問は後回しにしていいですか?

 後のことはこのダンジョンクリアしちゃってから考えましょう。」

「あ、うん。そのほうが良いよね。ごめん。」

 そう言って、リツキさんは目の前にあらわれた魔物を魔法で倒す。

 動作が早い。


「とりあえず、一本道みたいですね。」

「がんがんすすんじゃおっか。」

「はい!」

 その返事の数秒後、私たちの目の前に現れたモンスターに、私は刀を握り、リツキさんは詠唱をしたのだった。


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