29
☆現在、連続投稿中☆
※ただ、作者は書くのがおっそいので、いつまで続くかは不明です。
⚠作者は剣の世界などはわかりません。ただの妄想です。生暖かい目で見てください。
「ギブフリー」における、攻撃手段は大まかに3つ。
1つ目は武器での物理攻撃。
剣や刀、大槌などで打撃や斬撃などでダメージを与えることができるが、幽体である魔物―――幽霊や煙々羅(本体が煙の魔物)など―――にはまず効かない。
武器は街で買ったり、自作したりすることで入手できる。
半分以上のプレイヤーは武器での物理攻撃を主としているだろう。
2つ目はスキルだ。
【魔法 - 火】や【魔法 - 風】など、スキルによる魔法もここに分類される。
スキルは物理攻撃の補助として使うものも多い。
ただ、スキルの中でも魔法以外に、攻撃判定がなされるものがある。
例えば、【飛翔斬】や【辻引き】など。これらはすべて主に刀―――つまり武器を使うことを前提としたスキルである。
が、その説明としては、「【飛翔斬】…斬撃範囲をを倍にする。」となっており、その定義は広い。
斬撃、と一言で言っても、実態のない剣や、手刀でも作り出すことが可能である。
これ以上は長くなってしまうので割合するが…最後に一つ。
スキルは無限の可能性を秘めている。
3つ目。
それは、“個人戦闘技”、だ。
これもまたスキルという名前を冠しているものの、その原理はスキルとは全くの別物である。
この“個人戦闘技”、というものはそのプレイヤーにしか使えない、そのプレイヤー専用の技の総称である。
通常のスキルと違い、“個人戦闘技”は、作られているものを付与されるのではない。
……プレイヤー本人が創るのだ。
どのような“個人戦闘技”を創るのか、それはプレイヤー次第。
新たな魔法を作り出すのか、新たな武術を作り出すのか。
勿論、出来上がった“個人戦闘技”は出来によってそれなりの代償を要求してくるし、まずまず作り出すことも容易ではない。
シルフィードが創った、微慈流・壱の型 【五月雨雫】もまた、“個人戦闘技”である。
彼女の、彼女のための、彼女だけの技。
彼女は、「ギブフリー」で2人目の“個人戦闘技”保持者となった。
だが、あの技は、あの土壇場で創り出すにはあまりにも、出来上がりすぎていた。
そのクオリティの高さをを実現してしまったのは、シルフィード自身の発想力の高さと、天舞の才。そして―――
―――鍛え上げすぎたプレイヤースキル、中でも、並行思考の練度の高さにあった。
***
「ア……ァァ………ぁ……………あ……ぉ…ち……ぁ……ああ……ぁああ……。」
上段の一撃で魔物核が破壊された少女は、金縛りにあったように微動だにせず、うわ言のように何かを呟く。
その表情は、絶望しているようにも、喜んでいるようにも見えた。
シルフィードの“個人戦闘技”、微慈流・壱の型 【五月雨雫】は、慈悲の斬撃。
痛みを感じずに、哀れな者を助けるための剣技。
【五月雨雫】は、五月雨の時期に降る雨の雫のように、上から下へ―――つまり、完全攻撃型である、上段の構えをする技である。
シルフィードはまだ壱の型である【五月雨雫】しか作り出してはいない。
痛みを感じない。その特性のせいか、少女が己の死に気づくのが遅れている。
「…や…ぁ……ぉも………ゃ……ぉ…ぉね……ちゃ………。」
少女の顔が、絶望一色に染まっていく。
少女のうわ言は、徐々に鮮明になっていき―――
「…ぉ、ねぇちゃ………っっ!!」
一際強く発されたその言葉とともにシルフィードは、少女の記憶の中に入っていった。
今回はひたすら説明回。
次回はちゃんとお話を進めてまいります…。




