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今回もリツキ視点があります。
また、第9話でリツキが使っていた【隠密】ですが、【魔法 - 全】の風魔法に分類される魔法になります。
「ええ??」
そのステータスに思わず私は二度見する。
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リツキ Lv.29
性別…男
種族…竜王
称号…力強き者
基本ステータス
HP…160/160
MP…80/80
筋力…12
魔力…10
体力…12
俊敏…12
状態異常…気絶
SP…3
種族スキル
【打撃】Lv.4【魔法 − 炎】Lv.2
【竜鱗】Lv.2【咆哮】Lv.2
【筋力強化】.Lv2【苦痛耐性】Lv.4
【体力強化】Lv.2
ノーマルスキル
【HP自動回復】Lv.2【凶暴化】Lv.3
【MP自動回復】Lv.1【精神耐性】Lv.4
【鑑定】Lv.3【聖域展開】Lv.1
【魔法 - 全】Lv.3
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竜王?
竜とかそこら辺の種族、聞いたことないんですが。
でも、自分の情報ってわけじゃないからヘルプからだと見れないか……。
と、いうことで、【叡智の書庫】、頼んだぞ!
目をつむると、半透明の板が浮かんでくる。
ただし、頭の中でだけだけどね? 物理的には浮かんでないよ?
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検索ワード、『竜王』…
該当する書物は 3 点です。
○幻想種の成り立ち
○龍神
○ブレイブ・シーカーの手記
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3つ!?
少な……。
今までこのスキルを何回か使ってきたが、こんなに少ないのは初めてだ。
少なくとも、十何冊かはあった。
どんだけ記述が少ないんだろ……。
この数ならリツキさんが起きるまでの暇つぶしに丁度いいかな?
一番上の「幻想種の成り立ち」からみていこうかな。
***
〈リツキ視点〉
「ぅ………ん………。」
まどろんでいた意識が覚醒する。
確か俺は、あの女の子―――ステータスによると、シルウィードっていう名前らしい―――からパーティーに誘われて、それでお互いのステータスを共有しようってなって………。
と、寝転んだまま逡巡する。
そうだ、ステータス。
シルウィード、さん? ちゃん? ……まぁ、どっちでも良いや。
あの子のステータスは少し、というかかなり異常だった。
エクストラスキルに称号2つ持ち。
しかも、未だ誰も―――トッププレイヤーでさえ、まだ到達していない50レベ代まで到達している。
どういうことなんだろう。
と、ここで俺は何に寝転がっているのか、ということに考えついた。
恐る恐る、目を開ける。
まず、視界に入ってきたのは、炎を閉じ込めたかのように煌くルビーの腰飾り。
ん???
んん???
俺の部屋にはこんな物はなかったはずだが……。
「ぁ……おきましたか?」
頭上から声が降ってくる。
それとともに、今の自分の格好を理解して、飛び起きる。
「ぉ、おはようございます……。」
恥ずかしそうに頬をちょっと染めてそう言うシルウィード、さん。
「おはよう、ございます?」
疑問形で言葉を返すが、未だに俺の頭は混乱している。
俺は気絶してパタリと横に倒れ込んだ。
しかも、運悪くシルウィードさんの方に。
女性の力じゃどうにもできなくて、俺は膝枕されていたわけである。
「すいま、せん。」
ちょっと途切れながらも話しかけてくるシルウィードさん。
最後の方は何やらかすれていて、おそらくのどが痛いのだろうと推測される。
「いえ、こちらこそすいません。
喉、痛いんですか? 痛いなら、無理しないでも……。」
なんで……と、ポツリと漏らし、パーティー内チャットに何やら書き込む。
程なくして、チャットに
『ありがとうございます。
実は、今、竜王について調べてました。ヘルプの情報とも照合したいので、見せてもらえませんか?』
と、送られてくる。
竜王のことについて?
どうやって調べてるんだろ。
まぁ、それは後にして、竜王についてのヘルプの情報をチャットに送る。
『ありがとうございますm(_ _)m』
いや、返信はやいな。
『ちなみにどうやって調べてるの?』
気になったので、チャットでたずねてみる。
『エクストラスキルの【叡智の書庫】ってやつの効果ですね。
【叡智の書庫】は、称号の全智者ってやつをゲットするともらえるみたいです。
全智者は、思考力を奪う魔法を無化するのと、この称号を持っている者に、
エクストラスキル、【叡智の書庫】を授ける、ってやつです。
この称号は一人しか入手できません。
つまり、私だけの称号ですね。
【叡智の書庫】は、ゲーム内での体感時間が増えたり、この世界に存在する書ならなんでも検索して読めるらしいです。頭の中で。
願えば、その書を現実に出現させることも可能です。』
ええええええええ?????
何そのチートスキル。
この世界に存在した本なら何でも読めるって……それ、やばくないか?
―――ヴン…
『あの、すいません。
リツキさんの種族についてわかったこととかあるんですが、良いですか?』
チャットではなく、自身の前にボードを出現させていた。
え、なにそれ。
設定になんかそんなのあったね。
それにしても、俺の種族もまだまだ謎が多いからなぁ。
ヘルプの情報もふわっとした感じだったしな。
竜の王となるものへと授けられる種族。
竜の王となれる者は一人。
いずれ、龍の王にも行き着くであろう。
……とかなんとか。
龍の王ってやつは竜の王の上位版ってわかるけど、それ以外が意味不明だった。
『リツキさんの種族、竜王は、竜族の間で代々受け継がれてきた特別な種族なんだそうです。
この種族になるには、先代竜王から直々に授けられないとだめっぽいです。』
ほへー。
そういや、クエストの完了条件がそんな感じだった気がする。
いや、覚えてないわけじゃなくて。
俺が受けたクエストの内容もふわっとしてるっていうか…。
不治の病を治し、竜王の怒りを鎮めよ、とかいう感じだった。
治すっていうか、光魔法を使ったら一発だったけどな。
『あの、それで、ここからが大事なところなんですが……。』
あっ、考え事してたわ。
ごめんなさい。
『竜王になった人は、三ヶ月以内に龍王に、半年以内に龍神にならないといけないらしいんです。それじゃないと、一生このアカウントではログインできなくなるかと。』
……………………………………………………………は?




