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恋愛要素ありです。
「ん、ん………。」
ぼんやりと、少し古ぼけた梁が視界に入る。
見たことない天井……。ここは、どこ?
「あ、起きた?」
その声に、私はがばりと身を起こす。
そうだ、私、リツキさんにあって、その後、気絶したんだ。
「あ、あの。」
私は寝転がっていたベットに座り、何やら手元で作業をしているリツキさんに声をかける。
「んー?」
作業が一段落したのか、手を止め、こちらを向くリツキさん。
「ああ、ごめんね。キミ、気絶しちゃったからここに運んできたんだ。
ここは、僕のギルドの宿舎だよ。」
「ギルド……?」
なにそれ初耳。
「あれ、知らない? あの動きからして素人ではないように思うんだけど。ま、いっか。
ギルドはね、複数のパーティーが集まったとこのこと。
複数のパーティーでダンジョンとかに行くことがあるからね。」
ほえー。
パーティー機能があるのは知ってたけど、ギルドなんてものがあるなんてね。
あ、パーティー機能はステータスを左スクロールするとあったんだよね。
「ま、僕はどこのパーティーにも属してない、いわゆるソロなんだけど。
ソロでも所属できるギルドと、できないギルドがあるんだけど、ここはソロOKなギルドだから。」
へぇ〜……って、リツキさん、ソロなの!?
グッドタイミングってやつじゃない?
「パーティーなりませんか!」
「え?」
イケメンだし、めっちゃ強い、こんな人材、のがしてなるものか!
「だから、パーティーなりませんか?」
「ん……?」
ああ、困惑してる顔もイケメン………
じゃない!
「ど、どういうこと??
え、僕の耳がおかしくなければ、パーティーなりませんか、って言った?」
「はい。」
「えええ???」
***
「―――ええと、説明してもらってもよくわからないんだけど、いい?」
「はい、別に。支離滅裂なことを言っていた気もしますので。
むしろ、いきなりおかしいこと言ってすません。」
うん、リツキさんがソロだって聞いたら思考が全部吹っ飛んじゃったんだよね。
あの時何言ってたのかさえ思い出せないわ。
「ええと、あの森―――初心者の森でナイトビーンズを倒したときに、強いって確信したし、自分の足りないところも補ってくれそうだから、パーティーになろうと言った、と。」
うんまぁ、好みどストライクってこともあるけど、大体の理由はそうだ。
「いや、強くないと思うよ。僕、前にも言ったとおりハーフだし。」
「あ、私もハーフなんでそこは大丈夫です。」
そこは大丈夫だよ。
私、腐血、今では大好きだからね。
「え、ガチ?」
「はい。」
そこからリツキさんは信じられない、といった様子で質問攻めにしてくる。
「今、何Lv?」
「えと、40は超えてたかと。
そこから数えてません。面倒くさくて割り振りもしてません。」
「なんのハーフ?」
「え、ええと、それは、リツキさんがお仲間になったら、ということで。」
「なんでハーフに?」
「最初、ハーフが最弱やら雑魚やら言われているのに気づかなくて、ですね……。
いまでは、過去の私がハーフにしたことに感謝してますよ。」
そこからも、色々と。
「はぁぁぁあ……。」
リツキさんは大きなため息をつくが、私は、今喉が痛くてそれどころじゃない。
陰キャボッチな私は喋りすぎると、すぐに喉が痛むんですよ。
「……お試しで、二日間。
今週末の二日間、いいかな?」
「はい!」
「え、で、本当に今、何の種族なの?」
そういや、ステータス、久しく確認してない………。
「ステータス。」
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シルウィード Lv.53
性別…女
種族…腐血姫
称号…血腐の城の主 , 全智者
基本ステータス
HP…80/80
MP…140/140
筋力…13
魔力…13
体力…14
俊敏…14
SP…18
種族スキル
【血流操作】Lv.5【眷属生成】Lv.2
【吸血】Lv.1【魅惑】Lv.2【打撃】Lv.2
【ウイルス生成】Lv.3【飛行】Lv.4
【変化】Lv.2【幻影】Lv.3【隠密】Lv.3
【王族の権威】Lv.1【礼儀作法】Lv.1
ノーマルスキル
【HP自動回復】Lv.5【凶暴化】Lv.3
【MP自動回復】Lv.2【精神耐性】Lv.2
【魔法強化】.Lv2【苦痛耐性】Lv.4
【斬撃】Lv.4【魔法 − 全】Lv.2
【鑑定】Lv.4【聖域展開】Lv.2
【刀剣】Lv.3
エクストラスキル
【叡智の書庫】Lv.2
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「ええ……!?」
なんかめっちゃスキル増えてるし、レベルあがってるし…。
リツキさんに見せる前に、自分で確認しといてよかったぁ……。
「とりま、僕がパーティー入ってパーティー内チャットにしてもらえたら、他の人には見えないから。」
「は、ハイ。」
リツキさんにパーティー申請を送り、承諾してもらう。
その後、チャットでステータスをコピーしたものを貼り付け、送る。
「ありがとう、俺も送ったとこだよ。見といてね。
って……………………………え…?」
私が送ったチャットを見た途端、リツキさんは固まってしまい、そのまま気絶したようで、ぱたりとこちらに倒れてきました。
ふぇあ……。
なんか、私がリツキさんを膝枕をしている感じになっちゃったのですが……。
元々、こういう感じに⬇
〈図解〉
| ベッド |
|____●__|
◯
◯ = リツキ
● = シルウィード(帆風)
座っていたので……。
まぁ、このステータスは流石に異常ですし、こうなるのも当たり前、ですかね?
ちょっと【砂血の大地】でレベリングしすぎでした…。
あ、そうそう、リツキさんの種族、何だったんだろう?
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リツキ Lv.29
性別…男
種族…竜王
称号…力強き者
基本ステータス
HP…160/160
MP…80/80
筋力…12
魔力…10
体力…12
俊敏…12
状態異常…気絶
SP…3
種族スキル
【打撃】Lv.4【魔法 − 炎】Lv.2
【竜鱗】Lv.2【咆哮】Lv.2
【筋力強化】.Lv2【苦痛耐性】Lv.4
【体力強化】Lv.2
ノーマルスキル
【HP自動回復】Lv.2【凶暴化】Lv.3
【MP自動回復】Lv.1【精神耐性】Lv.4
【鑑定】Lv.3【聖域展開】Lv.1
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