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キミもあの月を見ている

作者: するめ




今日は月が綺麗だ




昨日も月が綺麗だった




一昨日の月も綺麗だった





明日の月もきっと綺麗だろう





月を見るといつも涙が出る





綺麗だから・・・切ないから・・・






キミが恋しいから・・・






"キミもあの月を見ているから”










約束だよ”




"これからもずっと一緒だよ”





この約束は約束のまま




果たしたかった





果たせなかった





"じゃあね、大好きだよ”




そうか細い声で一言俺に伝えてキミは去っていった




俺の右頬に手を添えてあったはずのキミの左手がすっと落ちた




俺は・・・俺は・・・





この世で世界で一番大好きな人を失った瞬間だった






俺の名前は白上優希







世界で一番大好きな岩瀬くるみを亡くして早半年





あれから俺は恋ができなくなった





俺の隣でよく笑うくるみが頭から離れない






キスをするといつも照れて顔が赤くなるくるみ





泣きもろくいつも恋愛系のドラマや映画では声を出して泣いていた






些細なことで喧嘩したときもあったけ





だめだ・・・全ての思い出が恋しくて





こんなにも鮮やかなのに





なのに・・・






俺の心は真っ暗だ






「優希!」





はっ!





声が聞こえたと思い後ろを振り返るとくるみの姿が






「くるみ!」






俺はくるみの元へ走った






走っても走ってもくるみの元へと辿りつけない






「待って!消えないで!くるみ」






くるみの名前を大声で叫び目が覚めた






あ、また夢か






ここ最近、いや、亡くなったときからずっとこの夢ばかり見る






めちゃくちゃくるみに会いたいんだよな






めちゃくちゃ好きだったんだよな







「好き、会いたいよ、くるみ」






途切れ途切れの言葉でそう呟く






数時間後






いつの間にか俺は泣き疲れて寝てた





時計を見るともう夕方






顔を洗っても目の腫れはとれない






「ふふ、優希目が腫れてるよ」






「くるみも目腫れてるじゃん」






恋愛映画を見て2人で号泣して目が腫れたときの会話を思い出しまた視界がぼやけた





だめだだめだ






家の中にいてもくるみのことを思い出すだけだ





そう思いスマホと財布だけを持ち外を散歩することにした






あ、ここのクレープ屋初デートで来て食べたところだ







開店前から並んで2人で何にするか決めてたっけ







「私はいちごの生クリームのやつ」






「俺はこれにする」






「私のやつ1口あげるから優希のやつ1口ちょうだい」





そう言って大きい1口で俺のクレープの1口を食べた






「くるみの1口でかすぎだろ」






そう言って笑いあった






久しぶりにクレープが食べたくなりクレープ屋に入った






「いらっしゃいませ、ご注文は?」






「いちごの生クリームのやつ1つで」






あの日のように







あの日のことを思い出しながら





でも1つ違うところは






「いちごのやつ全然甘くないじゃん」






一緒に食べた時は甘くていちごのちょっとした酸っぱさだった





俺が今1人で食べているのは甘くなくて切なくてしょっぱい



















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