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希望の旗の物語(仮題)  作者: アレキサンドル スヴォーロフ
第一章
6/12

朝に

どうもアレキサンドル スヴォーロフです。

まず、皆さんへの謝罪から入りたいと思います。

前回、私、今回で戦闘に入る、とか書いてましたが…

すいません!入れませんでした!

言い訳としては、書いていたら俺が思っていた以上の文章量になってしまい、ここで切ることにしました。

それともう一つ、今までは日付変更と同時の投稿でしたが、これからは19:00投稿にしたいと思います。

拙作を楽しんでいただけると嬉しいです。

彼とその仲間はまだ子供だった僕に冒険の話をしてくれた。その話が、彼の存在が今の僕を作った。そして、彼がただの親父たちの常連客で本当によかった。今考えると本当にそう思う、とはある商会長の談である。


窓から差し込む朝日が部屋を明るくする。

差し込む朝日の眩しさに目を覚ました。俺は寝ている二人を揺すって、起こす。

「ヘルマ、コーブ、起きろ。朝だ。」

「んん?ふぁ~、もう朝か。おはよう、アレク。」

「zzz」

少しすると、俺と同じベッドの上段からコーブは起きて来たが、もう一つのベッドの下段のヘルマはいまだ起きない。

「コーブ、それ取ってくれないか?」

「これか、ほれ。」

「ありがとう。」

俺はコーブから俺の使っていた枕を受けとると、両手でしっかりと掴み、振りかぶって、ヘルマの顔面に叩きつける。

「起きろオラァ!」

「ふぎゅっ。何だ、何だ!?」

「この手に限る。」

枕を叩きつけられて、飛び起きたヘルマに言う。

「さっさと起きろ、このアホヘルマ。早く準備しないと依頼連れてかないぞ。」

「わかった、わかったから。さっさと準備しますよ。」

ヘルマを起こした俺は朝飯を準備するために調理場に向かう。


「いい匂いだね。あれ、シレルはおきて来てないのか?」

「アレク、今日のめしは~?」

朝飯を作り始めた頃、コーブとヘルマが降りてくる。

「今日の朝飯は野菜のスープ、エッグベーコン、パンだ。そんなにかからずに出来上がるから、ヘルマ、アステル起こして来い。おそらく、シレル困ってるだろうから。あと、コーブはテーブルと椅子が少し埃被ってるから拭いといてくれ」

「オーケー、オーケー」

「わかった」

二人は動き出す。


「アステル、お前、村出てきたときのあれは何だったんだよ。」

「しょうがないでしょ、昨日は準備してから寝たんだから!」

「まあまあ、お二人とも喧嘩はほどほどに。でも、アステルさん。出来るだけすぐに起きてください。どれだけ声を掛けても起きないので、私、すごく焦ったんですからね。」

「はい…善処します…」

朝飯を作り終え、コーブによってきれいになったテーブルに配膳しているとアステルたち三人が降りて来た。

「おはよう、シレル、アステル。朝飯はできてるよ。」

「おはようございます、アレク。いい匂いですね。」

「おはよう、アレク。朝ごはん、ありがとうね。」

全員が揃ったので俺は席に座り、声をかける。

「さあ、席に着いて。朝飯にするよ」

四人が座ったのを確認すると俺は祈りの祝詞を捧げる。

「ーーー女神フレイアに感謝と祈りを。いただきます。」

「「「「いただきます!」」」」


「そういや、アステル起こしてたから気にしてなかったけどシレルさんって何時から起きてたんだ?俺が行ったときにはもう準備は終わってたみたいだけど」

食事の最中、ヘルマがシレルに尋ねる。

「私ですか?私はいつもの癖で日が出る前に起きてしまいました。」

「ああそうか、シレルさんは教会で働いていたんだったな。そりゃ早起きだわ。」

ヘルマが納得してるとシレルは少し照れながら、言う。

「そんな、私なんて神に仕える者としてはまだまだですよ。教会で働いているなんて…私には教会で人を助けられるほどの徳はまだありません。」

アステルが尋ねる。

「シレルって教会でどんな仕事してたの?やっぱりまだ若いから雑用と勉強?」

「まあ…そんなところです、はい。」

「ちなみに俺は、十七の時にオットー侯爵の騎士団に入って、出てくる前までは小隊の副隊長やってた。まあ、一番長くやってたのは高階騎士の従卒だけどね。二年間、従卒やっている間はそんな現場には出なかったな。」

答える時、シレルの顔に一瞬陰が差したがコーブの話になってしまった。

「へー、コーブは騎士団でそんなことやってたのか。意外だな、酒場のを見てると現場にずっといたのかと思ってたぜ。」

「付く騎士にもよるけどな。中隊長級の騎士なら殆ど現場と変わらないし、大隊長、大隊参謀くらいの騎士に付くと俺もだけど現場に出る機会は結構減る。」

「そんなもんなのか。」

「そんなもんだ。そういう兄弟達は村では何やってたんだ?」

コーブは俺達に尋ねる。

「俺は魔物中心の狩人やってた。だから、今持ってる弓も動物用の物じゃなくて、魔物用の物だからかなり引きが重い代わりに、結構威力出るんだ。」

「兄弟はどれくらいからやってるんだ、狩人。」

「十五で動物用の弓が引かせてもらえるようになってからだから三年くらいだな。魔物用の弓をひきはじめたのはここ一年だな。」

「なるほど。アステルはどんな感じなんだ?」

ヘルマが答え、質問の矛先はアステルになる。

「私?私は結構長いわよ。魔法の勉強自体は八歳くらいから始めてたけど使い始めたのは十二歳くらいかな。実戦で魔法を使い始めたのは、こいつらと一緒に十六歳の時、衛兵の手伝いし始めた頃からだから、だいたい二年くらいね。」

「アステルはかなり早い時から勉強を始めてたんですね。親御さんが魔法使いか何かなんですか?」

シレルが尋ねる。

「ええ、母さんが冒険者の魔法使いとして昔、活躍しててね。そんな家庭だから魔法の勉強は早くからやっててね。まあ、私自身、魔法は好きだったから別に構わなかったんだけどね。」

「じゃあ、最後にアレク。お前はどんな感じなんだ?」

アステルが終わり、最後に質問の矛先は俺に向く。

「俺は村の衛兵の家に生まれたから、衛兵見習いとして十四の時から仕事に出るようになった。一昨年に頭の上から見習いが取れた、至って普通の剣士だ。」

「なるほど、なるほど。アステルや兄弟とはやっぱり長いのか?」

「村で唯一の同い年達だからな、腐れ縁だ。…っともうそろそろ片し始めないと受付の開始に遅れないか?」

俺がそういうと、コーブは明るく成ってきている外を見る。

「おっ、もうそんな時間か。すまない、随分話していたみたいだ。それじゃ、アレク、終わりの祝詞を頼む。」

コーブは少し照れたように言う。俺は全員が食べ終えたことを確認して、言う。

「改めて神フレイアと日々の糧に感謝を。今日の一日がよき日であらんことを。ごちそうさまでした。」

「「「「ごちそうさまでした。」」」」

俺は自分の皿を重ねながら言う。

「それじゃ、さっさと片付けてギルドにいこうか。」


ギルドの中は多くの人で溢れ、朝早くだと言うのにかなり賑やかだった。

「まだ受付開始前なのにすごい人ですね。」

「基本的には半日以上移動した先での依頼が多いから朝早くに受注を済ませて、出来るだけ早い馬車に乗りたいんじゃないかな。」

「なるほど、冒険者はもう少し時間にだらしないと思ってました。」

「まあ、基本的に冒険者のイメージってそんなもんだよね。」

そんなギルドの様子を見て、シレルとアステルが言う。二人のそんな話を聞きながら待ってると一人のギルド職員が窓口前に出て来て、大声で言う。

「窓口、受付開始します!冒険者の皆さんはパーティー毎に受付で担当を呼んで、依頼を受注してください!受付を呼んだら、後が詰まっていますのですぐに脇に抜けてください!」

一層騒がしさを増した窓口前を見ながら、俺は言う。

「始まったみたいだし、俺達もいこうか。」


「わかりました。ディオナ・ショクトですね。直ぐに向かわせますので空いているテーブルにでも座ってお待ちください。」

俺達は窓口担当の職員さんにディオナさんを呼んでもらうと、未だに人の多い窓口前から抜け出し、空いているテーブルを見つけ、座る。

人混みから抜けてテーブルで一息着いていると、人混みを文字通り潜るようにして抜けて来たディオナさんが見えたため、俺は手を振り、ディオナさんを呼ぶ。

気づいたディオナさんがテーブルに向かってくるのを見て、コーブが隣に座っていたヘルマに尋ねる。

「あのノームの人が俺達の担当か、兄弟?」

「そうだ、親切だし、真面目でいい人だぜ。少なくともコーブ達なら、嫌いになられることもないだろうし、なることもないだろうよ。」

「すいません、遅れました。」

二人がそんな話をしているとディオナさんが到着する。俺は言う。

「いえいえ、大丈夫ですよ。そんなに待ってませんから。」

「そうですか。それならよかったです。それで彼らが約束の二人ですか?」

ディオナさんはコーブ達に目を向けると俺に尋ねる。俺はそれぞれを紹介し合う。

「ええ、そうです。ディオナさん、こっちの鎧来ているのがコーブ、そこの神官服着ているのがシレル。コーブ、シレル、この人が俺達のパーティーの担当のディオナさん。」

「騎士のコーブです。これからよろしくお願いします。」

「神官のシレルです。よろしくお願いします。」

「私がこのパーティーの担当、ディオナ・ショクトです。こちらこそよろしくお願いします。」

互いに自己紹介を済ませると、ディオナさんはこちらを見て言う。

「それにしても、よく見つけましたね。騎士は身分のこともあるのでもちろんですが神官はとても数が少なくて、神官の所属しているパーティーは本当に少ないんですよ。あれは半分ダメ元だったんですけどね。」

「色々ありまして…」

「そうですか、まあ、これでかなり安心して送り出せます。」

ディオナさんはそう言った後、一息置き、依頼の話を切り出す。

「はい、では自己紹介も終わったので、本題の依頼の話です。コーブさん達もいるので始めから説明させていただきます。まず、今回の依頼は…」

ディオナさんが分かりやすく説明する。

「…というものです。ここまで大丈夫ですか、皆さん?」

そう尋ねたディオナさんは俺達五人を見渡し、問題がないのを確認すると、再度話始める。

「問題ないみたいですね。では、依頼の話はこれで終わりなのですが、まだパーティーのリーダーと名前を決めてないので、名前はともかくとして、リーダーを決めてほしいのですが、誰にしますか?」

ディオナさんが尋ねると、すぐにヘルマが口を開く。

「俺はアレクがいいと思うぜ。俺はリーダーやるにはテキトー過ぎるしな。それに俺達がこっちに来てからなんだかんだでアレクについていったみたいなとこあるからな。」

「私も賛成かな。村にいた頃もアレクが中心だったし、何より私は朝と夜遅くは動けないから。」

「俺達二人も賛成だな。まあ、お互いの能力が殆どわかってないからってのもあるが、昨日今日とアレクと一緒に過ごして少しはわかって来たからな。シレルもそう思うだろ?」

「ええ、コーブ。大変な仕事になるでしょうが、よろしくお願いします、アレク。」

四人からここまで高い評価を得ていることに驚きながら、俺は全員の顔を見渡し言う。

「それなら、この不肖アレク・ミハがパーティーリーダーを勤め、パーティーの冒険と利益の為、精一杯努力すると大神に誓おう。改めて…これからよろしく、皆。」

俺がそう言った後、ディオナさんが口を開く。

「それでは、リーダーはアレクさんにしていただくということで。では、皆さん、リーダーも決まったので早急に荷物を持って馬車駅まで急いでください。後少しで馬車の朝便が出てしまいますから。」

全員が急いで席を立ち、荷物を持ってギルド出入口に急ぐ。

「ええ!?まじか、早く行かないとヤベェじゃん!」

「そうですね、急ぎましょう。」

「ありがとうね、ディオナさん。じゃあ、私達い行ってくるよ。」

「ええ、皆さんの依頼の達成と生還を祈っています。」

「ほら、アレク!何をボサッとしてるんだ、さっさといくぞ!」

俺は先を行く、五人の背中を見て、言う。

「ああ、すぐに行く!」


こうして、俺達のはじめての依頼は幕を開けた。


誤字、脱字の発見にご協力下さると幸いです。

感想やレビュー、評価をしていただくと作者が大いに喜び、投稿ペースが上がるかもしれないです。

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