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希望の旗の物語(仮題)  作者: アレキサンドル スヴォーロフ
第一章
2/12

始まりは

どうも、アレキサンドル スヴォーロフです。

投稿ペースは基本的に週一回から二回になると思います。

これからもよろしくお願いします。

あの時には既に、アレクさんは人を惹き付ける、何かがあったと思います、とはとあるノームの談である。


村を出て、馬車を乗り継ぎ、丸二日。

日が南の空にはっきりと見えた頃、冒険者ギルドのある都市であり、オットー侯爵の管理せしプルーセン王国中心部最大の都市バルーリンの城門の検問に俺達三人は到着しました。


地方都市バルーリンは管理しているオットー侯爵の方針によって王都を除くプルーセン王国の都市の中でも最も大きく、頑強な城壁を持っている。また、同じように侯爵の方針によって軍人や冒険者といった戦闘職業者やその装備を提供する職人や商人への後押しが強く、その発展具合は四地方都市一とも言われ、戦闘職業者はもちろんとして一部の職人や商人は王都よりもバルーリンの方がいいと言うくらいである。


そんな大きな賑わいを見せる地方都市バルーリンの城門前に到着した俺達だがその噂に違わぬ巨大な城壁に早速度肝を抜かれているところである。

「はえ~、おっきいね~」

「こりゃ、すごいぜ。流石、音に聞きし『不落の大壁』だな」

「この大きさなら巨人だって防げるじゃないかな」

「随分昔だけど、はぐれ竜を防いだこともあるらしいわよ。」

「竜かー、そりゃ、すげえ」

そんな話をしていると、

「次の方ー」

検問の番が来たようだ。


「おはよう、バルーリンには何しに?」

壮年の兵士が審査を始める。

「冒険者になりに。」

「三人で全員か?」

「はい。」

「名前は?」

「ミハ村のアレク・ミハ。」「同じくアステル。」「ヘルマだ。」

「出身は?」

「三人とも侯爵領の北部にあるミハ村から。」

そこまで聞くと壮年の兵士は腰に掛けていた瓦大の石板をアステルの前に出す。魔力判別用の石板だろう。

「お嬢ちゃん、魔法使いだろ。これに手をかざしてくれや。」

「こう?」

アステルは石板に手をかざす。

石板は反応を示さない。

「オーケーだ。三人とも、そこの兵士に荷物を見せて、許可証を受けとれ。それで検問は終わりだ。よき冒険を。」

俺は手を振り答える。

「ありがとう。幸福を。」

俺たちはそれぞれの荷物を待っていた兵士に渡す。


「はい、問題ないです。これが許可証です。返すときは、冒険者ギルドで登録するときにギルドの受付に返して返してくれればいいです。よき冒険を。」

「ありがとう。幸福を。」

兵士から荷物と許可証を受けとると城門を抜けた先にある広場でまだ来ていない二人を待つ。

広場を見渡してみるとやはり冒険者や兵士が多いことである。その中でも、目につくのは女性兵士の多いことである。

女の冒険者はある程度いるのは知っていたし、ミハ村にも依頼で来たこともあった。だが、女性の兵士はほとんど聞いた事はなかった。貴族階級の娘が女騎士となることはあっても平民階級の男性の職業である兵士に女性がなることがあるとはまったく知らなかった。

そんなことを考えているとヘルマとアステルが荷物を抱えて、出てきた。

手を振って二人を呼ぶ。

「おーい。ヘルマ、アステル、こっち、こっち。」

俺に気づいた二人はこっちに駆け寄ってくる。

「遅かったな、二人とも。」

「いやー、悪い、悪い。検問の連中、軽くとは言え矢の一本一本まで調べるから、遅れちまった」

「こっちも魔法関係の物を全部出して、調べられたから、少し時間かかっちゃた。そんなことより私の担当の兵士さん女性だったのよ。私、びっくりしちゃった。」

アステルも同じだったようだ。

「アステルも気づいた?俺も、二人が来るまで広場見てたんだけど、女冒険者もそうだけど、女の兵士の人も多くてびっくりしたよ」

「そうなの。それでね、兵士の人に何でか聞いてみたの。そしたら、この都市では女性が兵士になることは侯爵様が認めてるらしいのよ」

ヘルマが尋ねる。

「へぇ、ここのオットー侯爵ってのはそんなことを認めてんのか。でも、兵士の男達の中だと女性達は大変なんじゃないか?」

「大変らしいけど、その分配慮されてることもあるらしくて、兵士になって婿探しをするなんて人もいるって言ってたから、そんなに悪いものでもないんじゃないかな。」

「流石、あれだけの城壁を持つ都市を管理する伯爵様だね。」

「まったくだ。」

「そうね。でも、ここであんまり長く話しててもなんだからさっさとギルドに行って、やることやりましょう。」

そうして、俺達三人はここを管理するオットー侯爵に感嘆しながら、冒険者ギルドを目指した。


道を聞き、ギルドのあるという街の中央に向かって、歩くこと少しばかり。

俺達三人は無事冒険者ギルドにたどり着くことができた。

冒険者ギルドの建物は比較的華美な建物の多い街の中央部にあって、その質実剛健を表したかのような装飾のほとんどない門構えであるため、街からは浮いていたが、その堂々たる威容は確かに冒険者達の住処にふさわしいものであった。

俺達三人は建物の中に入り、登録受付のカウンターを見つけると、俺は受付で座っている眼鏡を掛けたノーム(小人族)の女性に話しかける。

「今、大丈夫ですか?」

受付嬢は笑顔を浮かべ、応対する。

「はい、大丈夫ですよ。本日はどのような要件でしょうか?」

アステルが答える。

「俺達、冒険者になりに来たんだけど、登録はここであってるかな?」

「はい、あっていますよ。冒険者登録ということですがそちらの二方も一緒ですか?」

「うん、二人も同じ。」

「わかりました。ではお二人は横のカウンターで登録していただけますか。担当の者がいますので」

「わかりました。」「りょうかーい。」

二人は答え、それぞれ横のカウンターに移る。

「ギルド冒険者支援部のディオナ・ショクトです。よろしくお願いします。では早速、登録を始めたいと思います。この書類にわかる範囲でいいので記入をお願いします。文字は書けますか?」

「問題ないです。」

受付嬢はいくつかの空欄のある書類を渡してくる。

俺はすぐに書き終わり、書類を受付嬢に返す。

「終わりました。」

受付嬢は俺から書類を受けとると、書類に目を落とす。

一通りの確認がすんだのか、受付嬢が顔を上げる。

「ありがとうございました。問題ありません。アレク・ミハさん、最後に、いくつかの質問をさせてもらいますがよろしいでしょうか。」

「ええ、大丈夫です」

「では、まず一つ。あなたは特定の宗教や魔族を除く種族に対する強い差別を行いますか?」

「いいえ」

「二つ目。あなたは五大神系以外の宗教に入っていますか?」

「いいえ。入っていません」

「3つ目。他のお二方とパーティーを組みますか?もし、組むのならそのように手続きしておきますが…」

「はい、よろしく頼みます。」

「最後に。冒険者になった場合、あなたの死や仲間の死にあたり、当ギルドは特別の理由のない場合を除き、一切の責任と補償を行いません。それでもいいですか?」

「構いません。覚悟の上です」

受付嬢は聞き終わると一つ間をおき、口を開く。

「はい、登録終了です。アレク・ミハさん当ギルドはあなたとあなたのこれからのの冒険を心から歓迎します。また、当ギルドの決まりとしてパーティーはその登録受付を行った者が担当する事に原則なっています。もし、変更の要望があるなら、受付ますが…」

受付嬢は相変わらず淡々とした口調だが、その瞳に微かに期待の色が混じった気がした。

「ありがとう、変更はしないで大丈夫。」

俺が答えると、受付嬢はどことなくほっとした顔をする。そして、立ち上がり、

「ありがとうございます。では改めまして、ギルド冒険者支援部のディオナ・ショクトです。ディオナとお呼びください。これから、あなたとあなたのパーティーのサポートをさせていただきます。よろしくお願いします。」

、と言い、俺に一礼をする。

「こちらこそ、よろしくお願いします。ディオナさん」

俺も、彼女に向かって一礼する。


これが俺達のパーティーの最初の加入メンバーであり、担当である彼女と出会った瞬間だった。


誤字や脱字の発見にご協力下さると幸いです。

感想やレビュー、評価をもらえると作者が大いに喜び、投稿ペースが上がるかもしれません。

お読みくださりありがとうございました。

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