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佐藤ジャック(3)

 青年は両手両膝をついてうなだれている。


 じゃあ俺は何のために死んだんだ……とか、

 死んだんだから召喚系じゃなくて転生系だろ? とか、

 いや待てまだ慌てる時間じゃない、とか……。


 なにやらずっとブツブツ呟いている。

 側から見ていると……うん。キモいな。


 まぁ突然の死を受け入れられない事は人間ならよくある事だ。

 その点、動物や植物は物分かりがいいんだけどな。

 そこまで深く考えることがないとも言うが……


 だがまぁ……このままこうしている訳にもいかない。

 俺も与えられた役割はしっかりとこなさなければ気が済まない性格なのだ。

 と言っても、俺、ではなくて、俺たち、と言うべきだが。

 まぁその辺は今はいいだろう。

 今はこの青年だ。


「ところで、あなたの名前を確かめさせてもらってもよろしいでしょうか?」


 俺の言葉に青年のブツブツは止まり、ゆっくり顔を上げてこちらを見た。

 あ、若干やさぐれモードに入りつつあるのでは?

 これはいかん。


「………く」


「ん?」


「さと………く」


「申し訳ございません、聴き取れないのでもう一度……」


「さとう………っくだよ」


 あー……言いたくないのか名前……

 これはアレだ。名前でいじめられたとかか?


「言いたくないと言うことでしたら無理には……」


「佐藤ジャック。名前が嫌いな訳じゃないぞ? ただ……」


「ただ?」


「言ったら……本当に死んじゃう気がしたんだ」


 安心してください。もう死んでますよ!

 とは……言えないよなぁ……。

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