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 どこまでも広がる壮大な一色のキャンパスに、雪に似た模様が描かれている。




 時間と共に、景色も常に変化している。




 ゆっくり眺めていると、この大空も自分たちのように生きているんだなと思う。




 屋上で俺と彼女が二人寝そべりながら、その様子を観察していた。




 言葉数は少ないが、彼女もまたこうするのが好きなのかと改めて知る。




「今日も暑いねー」




「もうすっかり夏だな」




 昼食時、俺たちはよくここに訪れていた。ここなら誰もこないから。




 いつもなら耳障りのセミの声も、身体を火照らせる太陽の熱も、どこか今日は居心地が良かった。




「私たち、なにしてるんだろ」




 横の彼女が俺を見た。




「んー、ダラダラと休憩?」




 俺も隣の彼女の方を見つめ返した。




 あの日以来、俺たちは友達になった。




 俺が彼女に言った酷い言葉の数々を、今更取り消せるわけではない。




 取り消せるわけないのだから、なら、できるだけ優しい言葉を投げかけようと思った。




 彼女にもっと笑って欲しいから。




 俺を救ってくれた、青空のような笑顔をもう一度見たいから。




「そうだ。夏休みに祭りでもいかない?」




 彼女が俺に尋ねる。




「祭り?」




「うん。夏祭り。花火も見れるんだよ」




 休日に一緒にショッピングに行ったことはあったが、こういった行事にいくのははじめてだ。




「行こうか、二人で」




「うんっ!」





 夏の陽射しが、俺たち二人を暖かく包んでくれていた。






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