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 しばらく泣きあって、俺たちは離れた。




 だけど、手だけは離さなかった。




「……ありがとう、もうクヨクヨしない。俺、変わるからさ」




「うんっ!」




 その言葉に嘘はなかった。明日から変わろうと思う。ちゃんと皆の顔を見て、逃げないで向き合おうと。




「それと……この前はごめん。さよならとか言っちゃって」




「いいよ。もう謝るのもやめよ? 私も謝ってばっかりだし、明日から変わるんでしょー?」




「はは、おっしゃる通りです」




 彼女は俺たちを似たもの同士だと言った。確かに似てるかもしれない。




「そうだ。正月神社に行かない? コーヒーのお礼もあるし、さ」




「うん、行こうか。私も……二人で行きたかった」




「そう言ってくれて、助かるよ」




 笑いあって、ふと思う。




 あぁ、なんて幸せなんだろうって。




 ベンチでコーヒーを飲みながら、話をする。そんなありふれた日常をこんなに素晴らしいものに変えてくれたのは、彼女がいたからだ。




 彼女は、曇っていた俺の心を晴らしてくれた。




 あの、晴れ渡る空の太陽のように。




「実は俺も、言いたかった事があるんだ。聞いてくれよ」




 ずっと胸に抱えていた気持ちを伝えようと思う。




「奇遇だね。私にも、もう一個あるよ」




 お互いにわかっていたようだった。何も言わなくても、気持ちは通じあっていた。




「同時に言おうか?」




「じゃあ、せーのでね?」




 いつかもう一度、いや何度でも空を眺めよう。




 例え、ボロボロのおじいちゃんとおばあちゃんになっても、昔のように空を見ながら話をしよう。




 朝になるまで、話をしよう。





「「せーの!」」






 その日、俺たちの関係は友達ではなくなった。




 もうどんな事があっても逃げない。隣に君がいるだけで、俺はそう思えるのだから。





 満天の星空は俺たちを祝うように輝きを増していた。







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