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私の魔道書はやかましい

作者: 毒兎

「なんでこの依頼受けちゃったかなぁ過去の私ぃ・・・」


唐突だけど私は冒険者ギルドの輸送部署所属の宅配人のレターです。

依頼料がすごい良かったから受けたんだけど道中の村が全て滅んでるってちょっと聞いてないんだけど・・・ちゃんと調べれば良かったよ、依頼料だけ見て依頼内容あまり読み込まなかったか私のバカァ!


『マスターはアホですからねっ!仕方ないですよねっ!』

「うっさいよこのおしゃべり魔道書!そもそもあんたわかっていてこの依頼受けるとき黙ってたでしょ!」

『あれ?バレちゃいました!!バレちゃいましたー!!!』

「ああもう、こいつと喋ってたらお腹減ってきた・・・真面目に食料どこかにないかな・・・」


このうっさいのは私に腰にチェーンでひっついてる灰色の板、真理の書とか言うらしいんだけど見た目完全に板なので自分で魔道書って言っていて混乱したのも懐かしい。なれるまで時間がかかったっけな。


「それにしてもなんで目的地までの村や町に人いないわけぇ・・・」

『マスターそれ本気で言ってるんですかー!!!ここ最近話題になっていたドラゴンの出没地帯ですよー!!』

「うぇええええ!?聞いてないよそんなこと!依頼内容にドラゴンなんて書いてなかったし!!」

『騙されちゃったんですねマスター・・・マスターらしくてすごい笑えますよっ!!』


・・・ゃだもぅお家かえるぅ。。。


『ここでマスターに嬉しいお知らせですっ』

「・・・なによ馬鹿魔道書」

『上空をご覧くださいっ!』


え?何?上空・・・・?あー、うん。大きな翼とでっぷりとした腹そしてこちらに狙いを定めている眼光、ちょっとまってあれどら「GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!」


「・・・・ドラゴンね」

『はいっ!ドラゴンですっ!』


あーこの魔道書燃やしたいわ・・・お腹も減ったしもう最悪・・・そういえば王都のギルドでドラゴンを食ったって言ってた奴がいたなぁ


「ねぇ、馬鹿魔道書」

『なんでしょうマスター??』

「ドラゴンっておいしいの?」

『古代王朝では美味しさのあまりに王家に献上されていたしょくざいのひとつですよっ!』


決めた、あのドラゴン食う。絶対食べる。もう空腹はいや。


「・・・魔道書、起きろ」


そう言いながら馬鹿魔道書の表紙を2度叩く


『へいっ!ウェイクアップ!ウェイクアップ!世界の真理に接続中っ!ぷりぃいいずうぇいとたぁああああいむ!ちょっとまってね!!!』


魔道書はチェーンから外れ灰色から白色に変化し私の前に飛んでくる、相変わらずやかましい


『オッケー!覚醒っ!準備完了っ!へーいマスターご入力はぁ!?』

「派手に爆発がいいわね、これとこれで!行くよっ馬鹿魔道書!」


魔道書の反対にぶら下げていた赤と青の指輪をはめて魔道書を殴る!うざいから遠慮なく殴る!


『ゆにぞぉおおおおん!!!ファイア!あぁあああああんどっ!ウォーター!すいじょうきばくはーつ!スタンバーイ!アーユーオーケー?』


魔道書のまわりに風が巻き起こる、魔道書の表紙は火と水の意匠になり、周囲のマナが魔道書によって事象に変化され

魔道書にストックされる、発動鍵は、私の声。


「オールオッケー!あのデカブツを落としちゃいなさい!」

『最終承認かっくにーん!危ないですので私より後ろにおさがりくださーいっ!』


瞬間、爆発。ドラゴンは翼がもげ腹が破け地を這った。ごはんが、降ってきた。


「馬鹿魔道書にしては上出来じゃない」

『これでも真理の書ですのでー?』

「そういえばそんな御大層な名前だったね」





ドラゴンは美味しかった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] おはようございます!軽快なのりと、主人公のポンコツさが結構好き(小声)。『真理の書』、荘厳な名前してるくせに結構喋るな。私だったらとりあえず埋めます(にっこり) 本当なら強いはずのドラゴン…
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