国家予算と税金の関係について
前回、インフレとデフレの問題点についてお話しました。
今回はそれぞれの解決方法です。
まず、インフレから。
インフレとは物やサービスよりもお金が多すぎる状態です。
これを解決するにはお金を減らせば良いというのは自明かと思います。
お金を減らすとは税金として国民からお金を回収し、それ使ってお金の元になっている国債を行政が買い取れば良いのです。
こうすればお金は消えます。
次にデフレです。
デフレとは物やサービスよりもお金が少なすぎる状態です。
これを解決する方法はお金を増やせば良い……とは実はなりません。
勿論、お金を増やさなければならないのは確かなのですが、それと同時に下がってしまった物やサービスの価格を正常値に戻さなければならないのです。
チロルチョコもスマホも一円になった後にお金だけ追加しても値段が一円のままであれば正しく価値を計れていない事に変わりはありませんよね。
しかし、この正しい価格に戻すというのは簡単ではありません。一円で買えていた物がどんどん値上がりして行くのですから誰も買わなくなってしまいます。当然と言えば当然ですよね。
ですので、この価格が低下した市場に資金を投入して正常値に戻るまで買い支える又は減税するなどの措置も必要になってきます。
デフレの解消はとても大変です。
さて、税金とは何か。
その役割は主に二つあると考えます。一つはもう言ってしまいましたが、インフレ抑制装置です。
国民の生産率と市場に出回るお金の量を秤にかけてお金が増えすぎて物の価格が増えすぎないように調整する機能がまず一つ。
二つ目はペナルティとしての税金です。
タバコやお酒などあまり出回ってほしくない物に高い税率をかけ、流通量を減らす効果です。
税金は主にこの二つの効果を持っています。
どちらも過ぎたるを防ぐという効果です。
そこに予算獲得という機能はありません。
国の経済状態を見て集めすぎた分を次年度の予算として使いまわしているだけに過ぎないのです。
どうでしょうか。
”誰の金で飯を食ってると思ってるんだ! ” や”税金の無駄” という”国の予算は我々の税金から賄われている” というのは誤解であるという事は解っていただけたでしょうか。
政府がお金を正しく供給しているからこそ、我々は不便な物々交換を強いられることなく、お金という共通単位で自身の働きを数値化し、あらゆる物やサービスを購入出来ているのです。
”誰の金で~” の答えは彼自身の労働対価で食っている。ですし、”税金の無駄” ではなく、”予算の無駄” が正しく、そして国の予算は我々の税金ではなく、生産能力によって賄われているのです。
そういった理解のもとで日々のニュースに目を通すと今までと違った考えが浮かぶようになるかもしれません。