ストーカー男子の初恋事情
誰だって、恋しちゃうときがある…
そんなことを思い知った僕ー白河華之伊ー。
絶対恋愛って一通りじゃないんだね。
「はぁ…やっぱりいいなぁ、僕の麻子の部屋…」
僕の黒い帽子にいかにもという黒い手袋。
でも格好はー…制服だ。
ということはつまり学生なんだけど…わかるよね?
僕ー白河 華之伊ーはここ、北川麻子の部屋に1時間以上居る。彼女は今日はバイトで午後には帰ってこないという。まぁ、午前の真昼間からなんで僕が部屋にいるというと…。話が長くなる。
元は、ストーカーではなかった。
普通の男子高校生より少し…いや、結構女子が嫌いだった。苦手ではなく、嫌い。
その違いは明らかで、話しかけて来られても無視しちゃう程だ。初め、クラスメイトは僕をホモー同性愛者ーだと思っていたらしく、言われたりしたけどそんなことはなくて、男だけとか正直ウェッとなる。女も好きじゃなくて男も好きじゃない…人間不信ではない。
多分みんなはこんな男いやかも知れないけど許してくれ。
ただ、こんな僕に転機と言うか、初めて女に夢中になった事件がー…一ヶ月前にあったんだ。
一ヶ月!?と、驚く人が多いだろう。なぜならストーカーをしているからね。いや、でもストーカーをやったのはほんの一週間前。遅くなったのは、家とか調べたり、彼女がいない時など狙って、だ。
自分でも驚くこの行動。何がしたいとかはなくて、ただ彼女がいたこの空間に溶け込みたいだけだ。
変態に見える僕だけど、彼女を好きになった理由はちゃんとあって、ストーカーする理由も…ある。
丁度一ヶ月前ー…そう、地域での学校交流会みたいなのがあって、そこで彼女と出会った。交流会の主な活動は、他校の人との交流会やゲーム、これからの地域支援などだ。大きな行事見えるが中身はたいしたことなくーたったの二校だしー自分は女嫌いで特に興味がなかった。そんな時に話しかけてきた彼女が、北川麻子だ。
別に美人〜って程ではなく、普通の女子高生そのものだった。ただ、普通の女とはちがう、ちょっとだけ一目惚れという感覚と好きだなぁと思ったことがあった。
麻子「何してるの?」
華之伊「…。」
麻子「私さぁ、こういう行事興味がないんだ。」
華之伊「…そ。」
麻子「だってさ、おかしくない??何でわざわざ合コンみたいな事するの。」
華之伊「…はぁ。」
麻子「…私男の子嫌いなんだよね。」
驚いた。男が嫌いなのか。
華之伊「…それ、僕にいう事じゃないと思うんだけど。男だし…。」
そしたら、麻子は驚いて。
麻子「…だって、君は女の子が嫌いでしょ??」
初めて女と会話したような気がする。
なんかこの人だったら話してもいいような気がした。
ていうか…
華之伊「…そうだけど、じゃあ何でわざわざ話しかけてきたの?」
意地悪に問い返す。と言っても疑問だったことを聴いただけなんだけどね。
麻子「だってさ、話しやすそうだったんだもん。」
多分、このときの麻子の笑顔が、僕にとって一目惚れの材料だったのかもしれない。
同時に、好きだという感情も湧き上がってきた。
僕の恋って、ああなんて単純なんだ。
ここまで読んでくれてありがとう!
僕は嬉しいよ!
しつこく言うけど変態ではありません…。
ではでは、二話まであなたをご案内する日まで…