第十七話「小さな恋の終焉」
第十七話「小さな恋の終焉」
北米時間AM 9:54(日本時間am0:54)
ブレッド「ファァーーーックッ!!
シットッ!! シットッ!! シットッ!! シットッ!!
ファックッ!シットッ!!」
ウッド 「くっ 来るなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!
来るなっ! 来るなっ! 来るなっ!! 来るなっぁぁぁぁぁっ!!」
チャーリー「んったく・・・ アイツら一体ドコっから湧いて出やがんだろーなぁ?
オイ!」
ドグ 「まったくだ、だが今はそんな原因やら理由とやらを探してるヒマも無さそうだ!
只々目の前の標的を打ち倒すしか無さそうだ!!」
ウッドがゲートを開放したままで島の中央部へ逃げてから間もなく、ゲート方面から夥しい数のアイツらが押し寄せて来たのだ。確かに最初の犠牲者はローリエ一人であり、襲い掛かったのもジェシカ一人だったハズなのに。二人が友人や家族でも呼んで強引にパーティーでも開催するつもりだとでも言うのだろうか?
だが、パーティーと呼ぶには繰り広げられる情景はちっとも楽しめ無い内容になりそうだった。なにせ、集まる連中と来たら全員が全身蒼白で乱杭歯が覗いた口元からは陰気な吠える様な声やら、「ア”―」とか「ウ”―」という唸り声しか発して居ないのだから。
迎えるホスト達も皆正装では無い。バラバラな恰好に統一感のカケラも無い様な銃火器やら刀剣等でゲストを迎え、地面に平伏させ様としているのだ。しかも皆鬼気迫る表情を浮かべており、誰もジョークを飛ばす余裕さえ見せてはいない。
キャット「あー この拠点には何人詰めてるの? 他の拠点との連絡は?」
キャッスル「現時点では、他の拠点を放棄して、避難して来た者達を含めて10名程がこの拠点に。現在の拠点をキャッスルロックと名付け、他に、アルファー、チャーリー、ブラボーの三拠点から応援要請も含めて応答がありましたな。」
キャット「あーあ。僅か数分で他の残りの拠点は全滅してしまったのね・・・。
もう4か所しか生き残っていないなんて。。。」
マッスル「ウッス!! ウッス!!」
キャット「あー マッスルも励ましてくれてるのね・・・
ありがと。」
『マッスル語が理解出来る・・・だと!?』とこの場に居合わせた者達は顔を見合わせたが、今はそれどころでは無い。押し寄せるアイツらの波状攻撃に、銃火器で応戦しなければならないのだから。
キャッスル「ウッド! 君は少し前に出過ぎだっ!! もう少し周りを見たまえっ!!
戦線から逸れると囲まれて終わりだぞっ!
チャーリー!! あ。拠点名じゃなくて君ね。もう少し15時の方角の敵の
動きにも注意してっ!
ブレッド! ナイスシューティングだっ! 後で一杯おごってやるっ!」
最初は刀剣を構えて居た者達も、アイツらの集団の前では、接近されてからしか応戦出来ない刀剣の不利を悟って、銃器に持ち替えて戦っていた。無論、オーナーであるキャッツ自身も重たそうな銃を抱えて乱射している。
その両脇をキャッスルとマッスルの二人が固めて、トーチカ内に篭って、銃火器だけを表に出しながら戦っている。他にも、トーチカの前には塹壕が掘られており、指令を出す3人以外はこの塹壕からアイツらに向かって銃弾やら砲弾を雨霰と浴びせていたのだが、この抵抗もいつまで保てるやら。
キャッスル「クソっ! 拠点アルファーより拠点陥落通知!! 『我、抵抗不能! 我、抵抗不能!』」
ブレッド「こっちもだぜ! 拠点ブラボーより、『全ての人員が捕食された! 援護不要!』 ・・・これっきり連絡が途絶えたままだぜっ!!」
チャーリー「なんで俺に寄越すかなーっ!! 拠点チャーリーより『後は任せた!!』って俺と同じ名前の拠点が陥落ってメッチャ縁起悪いじゃねーかぁっ!! 命名したヤツ! 出てこいや!!」
キャッスル「はて、私のネーミングセンスにご不満でも?」
チャーリー「こーゆー展開を予想して付けたんなら、ご不満だらけじゃぁぁぁぁっ!!」
キャッスル「はてさて、古来より由緒正しい拠点名やらチーム名ではないかのう?」
チャーリー「うがぁぁぁぁっ! なんか自分の名前がメッチャ不憫になってしまった俺は負け組なのかぁぁぁっ!?」
一部では未だそんなやりとりが出来る余裕が残っているのか、それとも場を和ませる為の空元気というヤツだろうか。いずれにしても、残りの拠点が制圧されてしまった以上、残りは彼らが篭っている拠点だけだ。他からの援護が来なければ、このまま詰んでしまう。
ドグ 「なあ、チャーリーよ。お前、軍属の頃ってどんな部隊に配属されてたんだ?」
チャーリー「なんだよ、今頃・・・ 実はな・・・ 俺、主計課だったんだ・・・。」
ブレッド「へ? お前も前線経験無しか!?」
チャーリー「え? お前もって・・・?」
ブレッド「俺は、会計課の伍長だったのさ。下士官様ってヤツさw」
チャーリー「バリバリの前線活躍士官様かとw ちなみに俺は上等兵で退役。」
キャッスル「なんと・・・ 実は我も・・・ 補給基地所属の軍曹だったので、実戦経験は0(ゼロ)なのですよー」
警備兵達 「「「それでも、俺達よりは階級は上じゃねーか!」」」
キャッスル「ちなみに、マッスルは?」
マッスル 「ウッス! 工兵隊所属! 兵長ッス!」
警備兵達 「「「ウッス以外の言葉を発しただとっ!?
ってゆーかしゃべれんのかよー!!
普段からフツーにしゃべれやっ!!」」」
『そーいえばマッスルと出会ってからこれまでに、数回くらいしか「ウッス!」以外の言葉を聞いたことが無かったっけなー』などと思い出した者も中には居たが、これが初めての会話らしい会話だという者達が大半を占めていた。
ブレッド 「そっかー うちの島って、兵役に就いてたって言っても、ほとんどが後方勤務の者達が多かったのかー」
チャーリー「それって・・・ マズくね?」
ドグ 「・・・ああ。実践経験者がまさかの0(ゼロ)とはなあ」
軍務経験者が多いからと油断していた訳では無いのだが、実践経験者はまさかの0(ゼロ)という結果に、その場に居た者達の心に一抹の不安が広がっていった。そのせいばかりではないのであろうが。
キャット「あー それよりも!!」
キャッスル「弾幕っ! もっと厚くっ!!」
マッスル「ウッス!!」
少しの間だけアホなやりとりをしている間に、アイツらが塹壕の一歩手前まで近づいて来ていた。即座にキャッスルとキャット、マッスルの三人が、他の守備隊員をフォローする為に銃撃を浴びせはした。が。
チャーリー「うわっ!? アイツら・・・ 倒しても倒してもすぐに立ち上がって来るぜ・・・」
ブレッド「・・・ウソだろ.... これじゃー覚めねー悪夢みたいじゃねーかよ・・・」
ドグ 「どーやらマジモンでロメロ映画じゃねーかよ・・・」
先程から弾幕を張りながら、次から次へと表れるアイツらに、大きなミサイルや鉛球やら大砲、レーザーキャノン、レールキャノンとゴテゴテした兵器群から雨霰と注いでいるにも関わらず、一度倒れたアイツらは、約90秒程で起き上がり、再び襲い掛かって来るという悪夢が続いていた。
実際、90秒という数字は、戦闘では長く感じられるかもしれないが、倒しても倒しても次から次へと襲い掛かって来るのだから、戦線は徐々にではあるが縮小せざるを得ず、縮小すればする程、弾幕を張れる範囲が狭くなる。するとまた戦線を縮小する。
こうして悪夢の様なスパイラルが戦場に形成され、いつしか、警備兵達もアイツらの牙の餌食となる者達が増え始めた。
ブレッド「おい! チャーリーっ!!」
チャーリー「うわっ?
うわっ!?
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」
ブレッドと共に戦線を縮小して、トーチカの中へ逃げ込もうとしたチャーリーだったが、いつの間にかトーチカの屋根の上からもアイツらが複数飛び出して来て、2~3人が一瞬でチャーリーを取り囲み、捕食してしまった。
ドグ 「マズい! ブレッド!! 生き残りは何人だ!?」
ブレッド「さっき、一緒に警備してた連中も捕食されちまったから、6人だろっ!!」
ドグ 「そうか・・・ 生き残れるといいなー・・・
ホワッツ!? ・・・オーマイ!! ガッデム!!」
ブレッド「どうしたドグ・・・!?
ドグっ!!」
ドグもまた、アイツらに取り囲まれてしまい、数秒と保たずに、後頭部からあんぐりと食べられてしまった。彼の最後の悲鳴は
ドグ 「おかあさーーーーんっ!!」
であったのは、後にあまり触れないでおいてあげて欲しい黒歴史となるであろうが、他の者達も、最早時間の問題であったので、あまり注目していられなかったのも不幸中の幸いだったかもしれない。
先程ゲート付近から逃げ出して来たウッドもまた、塹壕から出た地点で、仁王立ちとなり、狂た様に重機関砲で斉射しながらアイツらの接近を阻もうとしていた。だがしかし、既に時は遅く、どの方角を向いてもアイツらしか居ない状態となっていたので、これもまた一瞬で詰んだ。
ウッド 「クソっ! クソっ! クソっ!
オレに近付くんじゃねーーーーーっ!!
ファック! ファック! ファッキュー&キルユーッ!!
お前のかーちゃん (ピーーーーーーーーー)
ガッデミッドッ!!
ジーザス!
サノバビッチッ!!
(ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!)」
彼の最後は、前後左右全方向から一斉に飛び掛かって来たアイツらに全身を押さえ付けられ、噛まれて動けなくなるその瞬間まで、ありとあらゆる罵詈雑言を周囲に居るアイツらに叩きつける様に吐き付けたが、自分の身を守るためには1ミリも貢献しなかった。
そしてブレッドもまた。
ブレッド「・・・どうやらオレの悪運とやらも、もここで尽きちまうみてーだな・・・
一思いに殺れよ・・・
どーせここが陥落しちまう様なら、援軍も期待出来ない状況だろうからな・・・」
彼もまた、全周囲を囲まれて、一斉に襲い掛かられて地面に組み伏せられ、後頭部からガッツリと喰われて動かなくなった。
ボリッボリボリ、ボリッボリボリボリッボリボリボリッボリボリボリッボリボリ
ガリッガリガリ、ムシャムシャムシャ、クチャクチャクチャ・・・
死闘を演じた防衛拠点では、虚しく咀嚼音と破砕音が響くのみとなった。
キャット「あー とうとう私達三人だけになってしまったわね・・・。」
キャッスル「申し訳ございません・・・。我の力不足でこの様な事態を招いてしまい・・・
かくなる上は、我ら二名で血路を開きます故、お嬢、隣の日系島群へ落ち延びてくだされ。そうすれば、彼の地の者達による庇護を受ける事も可能でしょうから・・・
最期までご一緒出来なかった不忠をお許しくだされ・・・。」
マッスル「ウッス! 血路、開くッス!!」
キャット「あー そういう選択肢もあるかもしれないねー
でもね、私は逃げないよ。やっぱり、最後まで一緒に居たいもの・・・」
キャッスル「それはなりませぬぞ! お嬢までアイツらと化してしまったら・・・・
一体誰がこの島を取り戻せるというのですか!?」
キャット「あー その時は、アイツらと化した私達でこの島を守ればいいんじゃないかしら? アイツらも仲間を呼ぶ能力は残ってそうだし? むしろ、逆転の発想とでも言うのかしら・・・?」
キャッスル「成る程・・・。それは案外名案かもしれませぬな・・・。」
キャット「んー そうでしょう?w」
マッスル「・・・ゥッス」
三人は顔を見合わせると、篭っていたトーチカから銃撃する事を辞めて、自らトーチカの後ろにある扉を全開にした。そして、そのまま、押し寄せる大軍勢をなったアイツらに向かってその身を差し出して行った。
キャット「あー ほらね、これで死ぬ時は一緒よ?」
キャッスル「ええ。お嬢、来世とやらがあるならば、再び見えましょうぞ!」
マッスル「ウッス!」
キャット「ふふふ。それも素敵かもしれないわね・・・」
こうして、キャットが所有する島は、完全にアイツらに制圧されてしまった。ちなみに、アイツらに捕食される瞬間まで、三人は手を繋いだままであったという。
北米時間AM 10:04(日本時間am1:04)
エセガイジンっぽく書いてしまってすみません☆彡
あと、汚い表現ばかしですみません m(_ _)m
なんとなーく「軍人さん=汚い言葉も」って偏見ですかね^^;
次から本編に戻りますからっ ><b




