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『Pandemic』   作者: 月夜乃雫
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第十一話「クルミン島群」

第十一話「クルミン島群」



pm23:45


 アテンションプリーズ。皆様、本日は当翠エアラインをご利用頂きまして、誠にありがとうございます。当機は、只今Area 51島へ向けて旋回した処でございまーす!

 ちなみにー後方ハッチからは別行動となりますにゃー♪


 翠ちゃんが去り際に鼻歌交じりに雫2に別れを告げてから、あたし達はArea 51島から隣の島へ絶賛逃避中なの。道のりはどうかって?


 現在のところ、順調です! 周りには雲ひとつ無い快晴! ちょっとだけ耳元には風が金切り声を挙げるような響きを伴ってますけどぉ! うん! 順調!!―


愛美 「って落下してるんですけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~~~~っ!!」

翠  「にゃっははははははははははははははーーーーーーーーーーーーーーw」

雪那 「やっぱりこーなるのね・・・」

真弓 「落ちるのはあんまし好きじゃないんですけど・・・」

若狭 「諦めましょ。こーなったら仕方ないわ」


 翠一人が滅茶苦茶楽しそうに笑い声を響き渡らせながらタイヤの沢山ついたゴッツイ感じの装甲車は5人を乗せて地表へ向けてダイブしていた。無論、パラシュートなんて親切な装備は無い。地面に落ちても壊れる事も無いからね。


 一同が乗り捨てた日の丸エアフォースワンは隣の『現実逃避』があるArea 51島へ向けて雫2を示す光点を乗せたまま滑空して行った。操縦者も居ない機体なのでいずれは島のどこかへ落下するであろう。その後で雫2やArea 51島にうじゃうじゃ沸いているアイツらがどの様な行動をとるのかは予測不能だったが、もしこちら側へ来るのならば、それまでに対策を打てば良いだろうと皆で考えていた。


翠  「そろそろ雲が見えて来たから、地表が近いにゃ」

雪那 「高度300m位になったわね」

愛美 「この風を切るびょぉぉぉぉーって音が嫌だなぁ・・・」

真弓 「でもこれで雫2さんから逃げれるならガマンしなきゃ」

若狭 「だね」


 地表が近付くにつれて、隣島、通称「クルミン島群」の一島が見えて来た。

 Area 51島と隣接したクルミン9と呼ばれる島だ。クルミンは日系島群としては、大きな方で、オーナーの久留美の人柄やイベント目当てに集まる住人も多いらしく、大小様々に個性的な建築物やらショッピングモール等が並んだ12の群島の名称だった。


 クルミン9は、Area 51島と隣接しているが、地続きでは無い。海が二つの島の間に横たわっていて、それぞれが砂浜を向かい合わせにした様に対峙していた。

 

真弓 「地表近くには、誰も居ない様ですね」

雪那 「まさかとは思うけど・・・ ここもアイツらに襲われたのかしら?」

若狭 「もしそうならココに逃げ込んでも意味無いわね・・・」

翠  「でも、この島の地表には灰色の光点は居ないのにゃ!」

愛美 「無人ならその方がいいんだけども・・・」


 現時点では、クルミン9に人気は無い。個人で開いているカフェや衣服店等が、扉を内側から外側へ開いたままの状態で装甲車内部から外の様子を伺っている5人を迎えただけだ。


翠  「とにかく、着陸にゃ 誰も落ちて無いかにゃ?」

一同 「「「大丈夫!」」」

翠  「それじゃー少し走って様子を見るにゃ」


 音も無く落下状態から地表に降りたが、そのまま翠の運転で装甲車は内部に5人を乗せたままクルミン9を走り抜けて行く。


愛美 「拍子抜けするくらい、なんにも起きないんですけど」

真弓 「愛美ちゃん。ソレってフラグって言って、こーゆー状況では言ってはいけないセリフって言われてるんですけど・・・」

愛美 「あ。今のナシで!」

翠  「にゃ? 隣の島に友人含む光点が結構沢山集まってるにゃ」

愛美 「遅かったか・・・orz」 

若狭 「未だアイツらって決まった訳じゃないし」

雪那 「そうね。ちょっとだけ近づいて、離れたところから様子を確認してみたらいいんじゃないかしら?」


 他に行く宛ても無いので、とりあえずは、雪那の提案通りクルミン9から地続きで隣のクルミン8へと移動する事にした。中央から真っすぐ伸びるアスファルトの道路を通って車窓から流れる景色は、のどかな田舎町風の建物群から、少しだけ都会っぽい高層建築物も含むエリアへと移り変わって行った。




愛美 「あのーーーー・・・ コレってドコの世紀末覇者世界ですかっ!!」

モヒカン達 「ヒャッハーッ!! ココを通りたければ俺達を倒すか、貢ぎモノを献上してから通りな!!」「ヒッヒッヒッ なんならアンタらのカ・ラ・ダ・でもイイんだゼ!!」

「へーっへっへっへっへ」「ふあっはっはっはっはっはっはっ」


 クルミン8に着いた5人は、装甲車から降りる前に、アスファルトの道が島境を越えて直ぐの所で建物をバリケードにした防壁に設けられたゲートに阻まれてしまったのだ。

 ゲート周囲には、火炎放射器やら重機関銃、超電磁砲やら訳の分からないイカツイ武器がハリネズミの様に仕掛けられており、ゲート前に立つ者達を睥睨していた。幾つかドラム缶に焚火がセットされているのはきっとお約束なのだろう。

 そこへ、いかにもな恰好をした10名程の武装モヒカン集団がどこからともなく表れて、装甲車を囲まれてしまったのだ。


真弓 「お母さーんっ(棒読み)」

愛美 「うううう・・・ こんなところで変な集団に襲われちゃって・・・ もうオヨメに行けないカラダにされちゃうのね・・・」

雪那 「・・・」

若狭 「・・・」

翠  「・・・にゃぁ~っ」

モヒ集団 「「「フエーーッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッヘッー」」」


翠  「あのーもしもし?」

モヒ's 「「「ん?」」」

翠  「いい加減にするにゃーっ!!」


 どこからともなく取り出した巨大ハリセンでモヒ集団全員の頭をスパコーン! っと翠が叩いてツッコミを入れた。


愛美 「・・・え?」

真弓 「えへっ」

翠  「二人ともノリ良すぎにゃーっ」

雪那 「本当に」

若狭 「うんうん」


 どうやらモヒ集団は、クルミン島群の住人達によるおふざけだった様だ。お陰でこんな状況で随分な余裕だなと愛美は少し期待してみるつもりになれた。


 モヒA 「いやー 悪い悪い、この騒動の中、クルミン島群だけ平和でねー」

 モヒB 「そうそう、ちょっと暇持て余してたんですわー」

 モヒC 「あ、どうせならこのまんまイメージプレイで続きでも・・・ イイskyあるヨ? スグ呼べるヨー」

モヒD 「お・・・ オジサンとイイことしに・・・ ふひょひょひょひょっ」


 スパーン! スパーン!!

 翠   「いらないにゃ!」


 今度は小振りで個人に対象を絞って後ろからモヒC・Dにツッコミを入れた。GJ!と愛美は親指を立てるのを忘れなかった。


 女  「あらあら、折角お客さんがいらしたというのに、貴方達はふざけてばかりで。ごめんなさいね、オーナーの私がネタ好きなばかりに。でも、悪気は無いみたいだから許して頂戴ね」

 モヒ'S 「「「あ。久留美さん!!」」」

 

 後から遅れてやって来たのは、クルミン島群の所有者である久留美だった。小麦色の肌にサラサラのロングヘア。ラフな白のワンピース姿は、島群の所有者とは思えない様な恰好だった。が、その右手にはしっかりとライフル銃が握られているのは、やはり非常事態だと現実に引き戻される。


 久留美「はじめまして~ クルミン島群のオーナーの久留美です。」

 愛美 「はじめましてー 愛美です」

 雪那 「お隣のArea 51島にあるクラブ『現実逃避』オーナーの雪菜です」

 真弓 「初めまして。雪那ちゃんのパートナーの真弓です」

 若狭 「お久しぶりです。」

 翠  「先日ぶりにゃ~」


 どうやら、若狭と翠は旧知だったらしいが、残りの三人は初対面だったので、軽く自己紹介を交わした。


 久留美「ついでなんで、うちの4人衆を紹介しときますね。右から順に春鬼ハルキ夏鬼ナツキ秋鬼アキ冬鬼フユキです。こちらもよろしくね!」

4人衆「「「我ら四人揃って、クルミン四天王でーす!! ヨロシクね!」」」

 愛美 「四天王って・・・」

 若狭 「ダメよ、愛美ちゃん。ソレ以上は言っては可愛そ・・・ゲフンゲフン」

 翠  「ば・・・馬鹿なっ! 四天王が敗れるとわっ!! ってゆーネタをやるための前フリとしか思えないにゃw」


 あーサラっと言っちゃったよ・・・。と軽く周囲の空気が冷たくなった気がしたが、そこは大人の対応で受け流し、四天王を名乗る四人は、久留美を囲みながらも愛美達にも色々声を掛けて来た。


 春鬼 「あーそーいえば、今回の騒動ってどうなんですかねー」

 秋鬼 「うんうん。俺ら、INした時からこの島群以外は動いて無いから、周りの様子って分からないんですわ」

 雪那 「それよりも、さっきのだけど、どうやって移動して来たのかしら?」

 夏鬼 「移動って、テレポーターの事っすか?」

 一同 「「「えっ!? テレポーター!!」」」


 夏鬼の説明によると、騒動の最中ではあるが、クルミン島群の住人達は、外部の友人や知人にささやきチャットによる連絡を行い、SOSが出てからTPテレポートで呼び出すと、既に感染している率が非常に高く、手遅れであり、SOS前の近付いて来た状態であれば島群内に受け入れ保護していた事。自分からのTP移動やLMランドマークによる移動は出来なかったが、何故か同一島内かオーナーが同じ島群内であればテレポーターによる移動が行えた事などの情報を教えてくれた。


 代わりに、雪那達からは、感染者がどの様に増殖して行くのか、感染した者達が鉤爪を生やして襲って来る様子等を伝えた。


 久留美「つまり、これまで集まってる情報をまとめると、アイツらはまるでゾンビ映画やパニックモノみたいに、対象者に噛みついて頭部を噛み砕くのね? そして噛み砕かれた対象者は、しばらくすると感染者となって、次の対象者へ向かって襲い掛かるという連鎖が現在進行形で起こっているのですね」

 雪那 「その通りです」

 翠  「一番最初が、雫ちゃんだったのにゃ それから次々と爆発的に増えてるのにゃ」

 若狭 「うんうん。もう頭が痛いわ・・・」

 愛美 「・・・疲れたよー」

 真弓 「私も、ずっと気が張ってたから少し疲れました」


 それから、クルミン島群の住人達とも情報を共有した結果、次のような事が分かってきた。


 『アイツらについて』

分かっている事

1 顔面と全身が蒼白

2 乱杭歯と鉤爪/武器にもなる

3 人を襲う

4 動きは緩慢だが人を襲う時は素早くもなる走れる、ジャンプも可能

5 倒しても死なない (90秒程ですぐに復活する)

6 襲われた者は感染者となる/90秒後に起き上がる姿から

7 襲われる以前に使用していた道具は使うが、新しい道具は出していない様だ

Rezしている所が目撃されていないだけかもしれないが

8 言語は不明瞭なため意思疎通は出来ない/文字化けにも見える

9 かつての仲間や親しい者にも容赦や躊躇いは無い様子/友人・知人・恋人・パートナー全部

10 運営元であるエバー・オーク社とも音信不通らしい

     ※電話やメールを試みた者達からの証言らしい。

 



 とりあえず、一旦クルミン群島に身を寄せる事にして一同はしばしの休息が取れそうだと四天王やクルミン住人に護衛してもらうことにした。『現実逃避』からずっと雫や雫2、アイツらの襲撃に怯えていた愛美などはとても喜んでいた。


 どうせならこのまま何事も無く事態が収拾してくれれば良いのだが・・・

 それよりも運営元であるオーク社は何をやっているというのだろうか

 異口同音にオーク社への不満を覚えながら幾つかの島を越えて、クルミン群島内でも一番安全と言われるクルミン1へと移動した。


am0:44


あ。しばらくオリジナル登場してなかったっけ・・・(汗

そのうち出番あると思われます?(何故疑問形

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