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盲目の恋文  作者: ゆうなり
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財部慶太の1日

夜があけ、街には陽の光が差し込み、明るさを取り戻す。

10年選手のリュックサックを自転車の前籠に放り込み、仕事を終えたばかりの重たい体でペダルを漕ぐ。


ブリーフケース片手にスーツを着たサラリーマンや通学途中の高校生達とすれ違う。


まるでこの社会の流れに逆らっているのではないかという錯覚に陥りそうになる。


財部慶太は20歳から5年間務めていた印刷会社を退職し、4月から見習いバーテンダーとして働いている。


印刷会社に不満があったわけでも、バーテンダーに憧れていたわけでもない。


ただなんとなく会社を辞め、ただなんとなく職を変えたのだ。

唯一理由をあげるとするなら、慶太が大の酒好きという点だろう。

バーテンダーになれば、大好きな酒をタダで飲めるという下心丸出しの理由である。


そんな慶太にも酒以外に趣味がある。

大好きな酒に舌鼓を打ちながら行うチャットだ。


今日も自転車を、マンション備え付きの駐輪場に乱雑に置き、自室のある6階までエレベーターで上がる。

湿気と熱気が入り交じる部屋で、エアコンをつけるよりも真っ先に行うのはパソコンの電源を入れるという単純作業だ。


画面には名前も顔もわからない人たちとの会話が、ただただ羅列されていく。


冷蔵庫に買い溜めされた、スーパーの安い発泡酒を2缶ほど飲み干すと、程なくして眠りにつく。


昼飯時になると、ボサボサの頭を掻きながら身体を起こす。


そしていつもの様に仕事に向かう。


かれこれ半年ほど毎日このルーティンの繰り返しなのだ。


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