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希望
結局その後、藤崎は一度も見舞いに来てくれなかった。
気まずい思いを抱えて退院した僕を待っていたのは、通信室を破壊したことに対する審問会だった。 さすがに丸ごとふっ飛ばすつもりなんてなかったけれど、魔力で銃を撃った事などなかったので仕方ない。
だだっ広い部屋に数人の軍人達。
『研究局局長』という札が立っている席と、それから一番奥の札すら無い席、その二つ以外を埋めたいかにもな人達が集った審問会で、僕は一カ月の減俸と懲罰勤務という罰を命じられ、それから満を持して部屋に響いた『有沢源十郎』と名乗る元帥の皺がれた声によって、彼の手足となって働く『第零小隊隊長』という新しい『僕』と、それに当たっての隊員を秘密裏に推薦するという最初の任務を与えられた。
望外に光栄な事だった。
偉くなるのは、ありだと思った。
元帥の下で偉くなり続ければ、我儘で頑張り屋さんな藤崎にも、有無を言わさず長いお休みを与えられると思ったから。
このまま出世街道を行くのも悪くないと考えた。僕の目的には薬を使わない戦い方もあるかもしれないと。ならばこれはこれで最前線だと。腰の後ろで腕を組み、一番奥の空席を睨みつけ、真顔のままで一人笑った。




