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三題噺集

月光・鍋・恐竜

作者: シュウ

原始人的な

月の光が眩しい夜。

その地域に住んでいる原住民たちは、夜の宴を開いていた。

今日は恐竜の赤ちゃんの肉を手に入れることができたため、その肉を使った料理が振舞われている。

調理方法は、あーでもないこーでもないと議論に議論を重ねた結果、そのへんの食べられる草と動物の乳、そしてメインの肉を大きな石の器に入れ、火をかけて温めてから煮るという、現代で言うところのお鍋として食べていた。


「フガフガフガフガー」

「フンガー!」

「オホホホオオホー」

「ママハハホホホホー」


原住民たちは楽しそうに会話をしながらフンガフンガと宴を楽しんでいた。

と、その時であった。

突如地面が揺れ、大きな地鳴りが鳴り響いて、原住民たちは何事かと辺りを見回した。


「アババー!」


その中の一人が大きな声を発して指を差した。

他の3人がその指の先を見ると、大きな岩の影から、それはそれは大きな恐竜が顔を覗かせていた。

恐竜は4人が食べていた鍋の中にいた、元子どもを見つけると、大きな遠吠えを空に向かって打ち上げた。

そして悲しみを超えた恐竜は、仇討ちのためにその4人に向かって駆け出した。

4人はとっさに協力して鍋を持ち上げると、抜群のコンビネーションで鍋をこぼさないように恐竜から距離をとるように逃げ出した。

恐竜は4人を追った。

4人は追われながらも冷静に森の中へと逃げ込んだ。

しかし持っているのは鍋。匂いで恐竜にはバレてしまうため、逃げ切ることはできない。目標は振り切ることだった。うまい具合に木と木の間をすり抜けて走っていく。

恐竜は匂いを頼りに倒せそうな木をなぎ倒しながらドスドスと直進していく。


そんな追いかけっこも森を抜けて、平原に出ても続いた。

森を抜けた4人は、依然として鍋の中身を死守しており、森を抜けたあともそのコンビネーションは続いた。

一方恐竜はというと、森を抜けるためにスタミナを使い切ってしまってはいたが、子どもをあられもない姿にされたということもあってか、怒りと意地だけで追いかけることができていた。しかしスピードは遅い。

4人が逃げるスピードと、ほぼ同じスピードで追いかける恐竜。

月明かりに照らされた4人と1頭は、どこまでも追いかけっこを続けたんだとか。

4人は鍋を食べることができたのかは、4人と1頭のみが知るのであった。


それは遠い未来では壁画の一部となって今も残っているのだとかいないのだとか。




おしまい。

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