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外の人(その後)

 結局、俺の担当編集者だった矢部は、IT部門に異動させられる事になった。

 俺の漫画を連載している雑誌を出してる出版社でも生成AIを本格的に業務に使う事になったのだが……矢部の野郎は「悪事の手口を色々と思い付ける才能が有る奴は、悪事を取締る事も出来る筈」って事で、社内の他の連中が生成AIに変な指示を投げてないかチェックする役目を仰せつかったのだ。

 そして、世界のどこかで、生成AIを悪用する新しい手口を思い付いたクソ野郎が居た事が判明する度に、生成AIの倫理フィルタとやらは強化されていき……。

 生成AIは、創作に使えない道具と化していってるのに、でも、気付いた時には出版社の業務も生成AIが無いとロクに回らなくなっており……。

 結局、「テンプレ通り」&「炎上リスクなし」のプロットしか許可されなくなっていった。

 ちくしょう……俺は、こんなつまんね〜作品を描く為に、漫画家になったんじゃね〜ぞッ‼

 何とか昔の勘を失なわないようにしようと、自分の作品を最初から読み直す事にした。

 いつか、こんな馬鹿げた時代も終る筈……ん?

 あれ?

 おかしいな?

 何で、昔作ったエピソードが、今のと、あんまり変んねえ気がするんだろ?

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