第8話 ティニーとダンケルの町巡り1
次の日になり、ウルはダンケルの町にティニーと来ていた。今回は町の中を案内するということで、おちゅんさん以外のみんなは神社と牧場で休んでいた。
肩におちゅんさんを乗せながらダンケルの町で唯一何回も訪れた場所である喫茶店でカフェオレを飲んでいた。
少し経つとドアが開き、ティニーが入ってきた。ウルの姿を目視したら笑顔になり、すぐにマスターに一言いうとウルのほうへ向かった。
「お待たせいたしました。」
「いえ、時間より早く来てしまっただけです…」
「この町をしっかり案内することで名誉挽回いたしますわ。」
「え、ええ。ありがとうございます。」
軽い挨拶をしたら、マスターがティニーの飲み物を持ってきた。
「ストレートティーです。」
「ありがとうございます。」
「ではごゆっくり。」
そういうと、カウンターのほうへ行ってしまう。ティニーは紅茶を軽く飲むと。
「美味しいです。こういうゲームでも食べものと飲みものに力を入れているかは半々なんですよ?」
「そうなんですか?」
「ええ。あまりゲームをやったことがない様子でしたので、このゲームから別に移るときは注意が必要ですわ。」
「なるほど。美味しいほうが良いですもんね。」
「私やウルさんはそうですわ。人によっては口に入れれば良いという人もいるんです。美味しいや美味しくないなど関係ないって。」
「そういう人もいるんですね。」
「ええ。私のパーティーの一人がそうです。あの子にお使いをお願いすると一番安価の美味しくないものを買ってくるので。」
「そうなんですか。」
「ええ。それで今回はダンケルの案内をするんですが、ウルさんは知っている場所はここ以外にありますか?」
「えっと…冒険者ギルドと。ピッケルと斧を買った道具屋さんですね。」
「他は知らないと…ここと第三の町、オブロンもそうですけど職業ギルドがあるんです。」
「職業ギルド?」
「例えば剣士などになったとしましょう。そうなると基本として冒険者ギルドをメインにしますよね?鍛冶師は生産ギルドという風に。」
「はい。そうですね。」
「そこにプラス職業ごとに小さなギルドがあるんです、新しいアーツを教えてもらったり、専用のクエストを進めて職業レベルを上げていくなどできるんです。」
「そ、そうなんですね。」
「ちなみにウルさんの巫女や私の精霊術師のような特殊職業は職業ギルドが見つかっていない場合が多いんです。巫女は今のところ楽譜と舞の図面が少し見つかっているだけです。」
「あるんですか?私はマリーさんと神様にしか教えてもらっていないです。」
「そこでこの地域の総大司教と神様がでてくるのがウルさんの凄さなんですけどね。プレイヤーの中では王都にはNPCの巫女がいるだろうと辺りをつけて攻略をしているようです。」
「凄いです…私はリンネル町に行ったらしばらくはゆっくりするつもりなので、王都にはいつ行けるか…。」
「リンネル町へはワン太さんたちと?」
「はい。」
「ボスは結構厄介ですけど、対策はしていますか?」
「一応状態異常の薬は作っていますけど。」
「それだけだと危ないですわね…もしよろしければ私も御一緒していいですか?」
「え?」
「だって…今のままだと負けてしまうと思うんです…それに私はリンネルの町をご案内できますから。」
「よ、予定が合えば。」
「ええ。合わせましょうね。」
次の約束をすぐさまつけられてしまったウルは、さっそく喫茶店から出てダンケルの町を回ることにした。
「まずはテイマーギルドへ参りましょう。そこで登録することで色々困った時に聞けるようになりますから。」
「そうですね。でもどこにあるんですか?」
「職業ギルドは建物は大きな一軒家くらいなんですけど。テイマーギルドなら動物の看板が掛かっているんです。」
「え?看板が付いているんですか。」
「ええ。ほらそこにあるのが剣士ギルドです。剣と盾の看板が付いていますよね?」
ティニーが指さしたところは石造りの一軒家であるが、玄関前に木の看板が付いていた。
「なるほど、別の町でもこういう看板で把握するのがいいんですね?」
「ええ。ですが。まったく看板もないのに重要な建物とかもあるんですよね…。それこそ特殊職業は全部そうです。」
「な、なんでですか?」
「わからないのです。わたくしの考えとしては少数のみで秘匿しているからだと思っているんですが。そのために色々貢献をしたり、貴族と仲良くなったり、逆に犯罪者と仲良くなることもあるんです。」
「は、犯罪者。」
「ええ。PKも少ないですがありますし、そもそも盗賊団とか見たことないんですか?」
「ないですよ!そんな怖い集団。」
「なるほど?いつかは会うことになるかもしれないですわ。その時にはさくっと倒しておくべきですわ。殺しても捕まったことになるので。」
「は、はあ。」
「リンネルに行くときに会えたらわかると思うので、ぜひその時は会えるといいですわね。」
「あ、会いたくはないんですけど。」
「そうはいっても会うことになりますよ?リンネル以降では頻繁に会いますし。有名な盗賊団がいるらしい。アーサー様が討伐に乗り出しているんですよ?」
「え?それならアーサーさんと一緒に居なくていいんですか?」
「ええ。みんないつも一緒というわけではないんです。私も今回はアーサー様よりあなたと仲良くしたいので。」
「えーっと。ありがとうございます?」
「ふふ。そろそろ着きますよ?」
ティニーの言葉通りテイマーギルドの家に着いた。看板には愛らしい動物が描かれていた。
「さて。入りましょうか。」
「はい。入りましょう。」
ウルは意を決してテイマーギルドに入るのだった。




