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犬飼さんは目立ちます!!  作者: 猫踏み三年
第四章 第二回イベント

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第15話 聖樹

「グアグア」「ぐあ?」

「サクラちゃん、ここにいい木があるらしいよ?」


 サクラに目の前のおおきい樹木を見ながら言った。しかし、サクラはそれより気にな事があり、つい発言してしまう。


「どうして私たちはクマ達と来たんだろう。」


 そういうサクラの顔は、大きいお腹でのんびり木を叩く熊に向いていた。



 ウルの甲斐甲斐しいお世話によりお腹が膨れた熊たちは、傷も無くなった親熊は先ほどより二割増しで筋肉が付いていた。ウルが少し細いと思っていたのは、飢餓状態だったかららしい。今は満腹で体もほとんど戻っている。


今ならサクラとある程度は戦えるらしい。サクラの勝ちであることは変わらないのが凄いことだが。




 熊はテリトリーは先ほどの中央広場ではなく、そこから北東に行き、山から川が流れる場所をテリトリーとしていた。子熊が生まれてからモンスターが少ない中央に子グマを置いて、食べ物を探していたのだ。


 川がある場所は川魚がたくさんいるため、熊にとっては最高の餌場所であり、そこで一番大きい木にテリトリー用の傷をつけていたという。


 目的地までは親熊がのっしのっしと歩いていき、その背中に子熊が乗って寝ていたが、モンスターは母熊を怖がっていたのか、一度も会わなかった。


 テリトリーの場所まで来てしまい、目の前に熊が話していた木があった。

 ものすごく大きく、ウルが首をぐっと上に上げてようやく頂点が見える程度で、かなりの大木であることがわかる。


 しかし、大きさだけではない。巫女になった影響なのかわからないが、ウルにはこの木はとても神聖さを感じていた。念のため鑑定をしてみることにした。


 聖樹

 この木は深淵なる力を払い、動物たちに恵みをもたらす聖なる木

 聖樹が枯れるとモンスターの場所になり、聖獣たちは住めなくなる


「聖樹?サクラちゃん。聖樹ってなに?」

「良い木。切ったらダメな場合が多い。」

「それはわかるけど、でも私も切りたくないよ。」

「それがいい。」

「でもどうしよう…そうだ。」


 ウルは聖樹にゆっくり近づくと、ダムルを持つと再生の踊りを始めた。


 サクラはぽかんと、熊たちとワン太達はウルに習って踊っていく。

 踊り終わったウルにサクラが

「なんで踊ったの?」

「え?ほら、聖樹さんなら意思もありそうでしょ?私が木を切るのを許してもらおうかと…」

「木の意思に任せるなら木こりは働けない。」

「もちろんそうだけど、なんだかしないといけないって思っちゃって…聖樹だからなのかな……。」


 ウルは聖樹に触れると

「聖樹さん。私たちはここから離れられない人のために船が作りたいんです。木を切ることを許してください。」


 ざわざわとウルの言葉に反応するように揺れた。それはまるで話しているようだった。

 ウルはそれを感じ、サクラのほうへ戻っていった。

「どう?」

「え?わからないよ、熊さんはわかるんだけど。」

 ウルの話を聞いて、ガクッと肩を落としたサクラだった。

「切らないの?」

「ううん。一応お伺いは立てたから、私はシーテンさんをこの島から出すことを第一優先にするから。」

「聞く意味。」

「たぶんあの聖樹さんはしっかり言われたら怒らない木だと思う。だから聞いた意味はあったと思う。」

「本当?」

「なんとなくだよ。行くよサクラちゃん!」


 サクラはウルがそういうと、斧を持ちながらどの木を切ろうかと考えながら行ってしまうので、サクラはボディーガードとしてついていくのだった。


 カーンカーンカーン ガダン

 カーンカーンカーン ガダン


「はあはあ…はあはあ…」

「うーちゃんまだ四本。」

「でも…ダンケルの時より硬いよ?」

「うーちゃんはレベル上げをさぼる。スキルレベルに適していないならしんどくて当然。」

「そ、そうなんだ…」

「伐採スキルは今どうなの?」

「え~っと。今は23だよ?」

「少ない、伐採は30にして伐採師に進化している人がほとんど。」

「伐採師になるんだ。進化とか〜師になるの?」

「★の場合もある。」

「★ってワン太とかみんな持っているよ?」

「うん。進化して強力になった証。うーちゃんはスキルの進化はしていないの?」

「うん。していないよ?」

「おかしい。スキルは30か50でマックスなはず。特殊スキル以外は。」

「そうなんだ。特殊スキルって?」

「アーサーが持っている雷光の勇者、魔法使いなら爆炎の魔帝、抜刀姫とか神速とか。」

「最後はサクラちゃんだよね?凄いなー。」

「うん。うーちゃんスキルを見せて?」


 そうしてスキルの見せ方を教えてもらい、サクラに見せることに…


「うーん。進化できるスキルがある。」

「え?ほんと?」

「うん。スキルの右に☆マークがあるとレベルマックス。触れるとスキルポイントを使って進化できる。」

「そうなんだ。だったら進化させたほうがいいの?」

「そうとは限らない。統合スキルなどもある。」

「統合スキル?」


 それはあとで教えるから今は木を切ろうと言われたウルは、せっせと木を切っていく。

 シーテンさんからこの程度ほしいと言われた量を数時間掛けて取ることができた。ウルはまるで汗びっしょりでクタクタな顔をしていた。全く汗はかいていないのだが。


 伐採が終わるとともに、座り込むと、カバンから水筒を出して一気に飲み干した。ご飯を食べる気がなく果物を少し口に入れて休んでいた。

 ゲームの体というのは不思議なもので、休むとすぐに体力は戻っていく。精神的な疲れ以外はとっくに吹っ飛んでしまった。


 シーテンに早く木材を渡しに行きたいと思ったウルは、聖樹に終わったことを伝えに来た。しっかり最後に挨拶は必要だろうとウルが言うためサクラも付き合った。親熊も当然だとグワグワ言っていたので間違いがないだろう。


「聖樹さん。それでは私たちは帰ります。ありがとうございました。」


 さわさわと聖樹が揺れて、何かが降ってきた。

 一つは果実、一つは苗のようなものだった。


 まず一つは果実。鑑定結果は聖樹の実

 聖獣が好む果実であり、様々な用途に使用できる。

 次に苗木。鑑定結果は聖樹の苗木

 聖域に植え、しっかり育て上げるとその聖域のレベルを上げる。大きくなると果実が生る。


「こ、これサクラちゃん」

「うん。良いもの。」


 ウルの礼節に対して聖樹は高価なアイテムで返事をするのだった。


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