表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
犬飼さんは目立ちます!!  作者: 猫踏み三年
第1章 犬飼さんは目立ちます!
6/10

5.5話 アミンさんと訓練

「まず。調合が一番簡単に教えられるからそれからにするね。調合はビーカーにすり鉢に混ぜ棒にすりこぎ。後は魔道具のコンロだね。」


 調合セットを広げるとアミンの話しの通りのものが出現した。あまり大きくないので大量生産はできないのだろう。


「まずはポーションを教えるね。薬草を摺って摺ったものをビーカーに入れて水と一緒に温めて緑色になったら完成。」


 目の前で薬草を慣れた手つきでちぎってすり鉢に入れながら言っているが、絶対いろいろほかにも必要だろう。


「もちろん、薬草をどう処置するか、水の種類、どれだけ摺るかとかいっぱいあるよ?でもどれもポーションだから。」


 あくまで必要以上は教えないようだ、それはアミンが意地悪なのだろうか?いやこちら側にさらなる発展してほしいのだろう、もしかしたら砂糖など調理のものを入れたら美味しいジュース系のポーションが作れるかもしれない。それこそポーションスープなどが作れる余地があると思うのだ。正解を教えてもらっては5割の人がそれ以上何かをしないのだろう。


「悩んでるねー、それがいいよ?モンスターを狩るのと同じさ、真っ二つにするのも皮を傷つけないようにするのも同じだけど、結果後者のほうが素材になるでしょ?」

「生産も同じだよ、いろいろ考えて、どんどん失敗して。それですごいものを作るの」


 すごい熱で生産の良さを解説しようとしているが、さすがにそこまで熱量があるわけではない、ある程度外で活動できればそれでいいのだ。

 だが、せっかくゲームをするのだから少しは熱量をもって生産をしてもいいだろうとも思う。特に料理は大好きで毎日やっているから調合と料理で薬を使った料理が出来たら楽しいかもしれない。

 料理と調合の統合をしてみたいとアミンに話してみると


「薬膳のことかな?かなり調理経験と知識がないと駄目だね、毒になっちゃうから。でもウルは料理は出来るんだっけ?」


 別の世界では毎日作っている、7年は経験していると


「あー、だめだめ。こことそこは違うから。スキルがないとできないんだよねー。」

「まずは薬膳についてとモンスターとかを知ってからだね。でもウルならできそう。薬膳料理ができたら私に食べさせてね。」


 会話をずっとしているが手元はずっと調合をしている、薬草を手でちぎって摺って煮込む。これをずっとやっているが、たまに上手くいったのか


【ポーション】HPを10回復すると【ポーション】HPが15回復する

 と少し増えている、理由はわからないし、アミンもずっとにこにこしているため教える気はないのだろう。


「たぶん北の林に行ったんだよね?薬草とか木の枝とかとれるのはそこだし。」

「はい、結構大変で何者かに負けました。」

「ウルはいいよ、復活するんだから。でも気を付けてね?南ではあなたたちが味方を倒しているって衛兵から噂がでているし。」


 PKのことだろうか、このゲームはPKは推奨をしているわけではないが禁止をしているわけではない、つまりは必ず出てくるのだ。

 プレイヤーキラー、NPCと違い不死身で倒しても復活するため

 デスペナルティとしてお金が3割、3時間能力が2割減、経験値効率半減となる

 イベントの際には特殊にデスペナ0になることもあると書いてあったが。


(PK側にメリットがあるのかな)


 オンラインゲームが初めてで、通常のゲームもほのぼのしているのをプレイしているため、こういう話題には疎いのである。


「とりあえず、私は北の林にしか行かないですね。怖いですし。」

「それがいいけど、いざとなったら身を守る必要があるでしょ?どれ、私が見てみましょう。」


 身体能力やバトル経験を見るために、アミンはさらっとウルの腕をつかんで生産ギルドから冒険ギルドへ連れていかれた。


「アリアー、ちょっと裏借りるね-」

「あ、アミンさん??いいですけど、ほどほどですよ?」


 はーい、と軽い返答でずるずる裏庭に連れていかれた。裏には藁の人形や木の的、泥だらけの場所に小さい草原などたくさんの訓練ができる場所であった。


「ここまで連れてきたけど、ウルはたぶん弓だよね?武器」

「はい、武器スキルは弓と罠ですね。」

「罠?落とし穴とかの罠スキルを取ったんだ。」

「近距離に来るまでに倒したいので、それに動物も簡単に狩りたいですし。」

「なんか猟師になろうとしている?まあいいけど、でも罠かー。」


「もしかしてあんまり強くないですか?罠スキル」


「ウル、強くないスキルはないよ?私たちの国の英雄だって自然治癒能力スキルの一個だけだったんだよ?それが努力と死ぬほどの経験をして英雄になるんだ」

「それに自然治癒能力向上スキルのおかげで勝てた戦いも何個もあるんだから!」


「それに10mのミスリルとかで作るトラバサミとかドラゴンにも効きそうじゃん。」


「でも、そのためにはいっぱい罠を作って失敗しないとね!そのためにも林で動ける体になろう!」


「でも私運動得意ではなくて、それに逃げられるようにスキルも取りましたし。」

 新味にいろいろ教えてくれるアミンには現在のスキルを公表しておいた。これで走り込みなどがなくなればという期待も込めている。


「剣士でも騎士でもないのに走り込みはしないって、歩行術だよ歩行術」

 歩行術、アミンが言うには歩行にまつわるスキルでこのスキルのレベルを上げていれば沼や草ばかりの場所など歩きやすくなるというのだ。

 それに移動に音が出づらくなるため必須ではあるという、消音スキルも音を消す溜めに魔力を使うので魔力探知するモンスターには弱いという弱点もある。だったら歩くときに無音にすれば発見率が低下する。


 そう解説をされればこのスキルはかなり私にあっているといえるだろう。その上このスキルは今回の訓練で入手できるらしい。そのためあっさりお願いした。


「まずはこれ、鳴らさず歩いてね?」

 首と腰回りにたくさんの鈴をつけたスカーフみたいなものをつけられた。

 じゃらじゃらと歩くたびになるために絶対鳴らさないというのは難しいだろう。でもやるだけやってみるが


「む、むりー。」


 ずっとじゃらじゃら音が鳴り、拗ねたように座った。それをアミンが近づいてきてきた。


「出来るんだよ。スキルはできないことを可能にするすごいものなんだから。」


 すごい話をするアミンをウルが見上げたら首にウルがつけている10倍の鈴をつけていた。目の前で正解を見せつけられて驚いていると

「ここまでやってって話しじゃないよ?歩くときにならないように姿勢とか気を付けてあるくだけ。あくまですずはそのきっかけだよ」


 先ほどの拗ねたのはきれいさっぱり忘れて、林をすいすい動ける自分を想像した。動きづらくて大変だったのだ。これがなくなるなら嬉しいことはないと。

 先ほどからじゃらじゃら歩きながら腰使いや足の出し方など、いろいろ変更しているけどずっと鳴り続けている。さらに20分ずっと歩き続けて足腰に疲れが来ていると


≪【歩行】スキル獲得しました≫


 と通知が来たため歩いてみるが、先ほどよりかなり楽になったがまだまだ鳴っている。

 これはどういうことなんだろうとアミンをつい見てしまったが。


「あー、歩行スキルだけでは鈴はなるよ?私はさらに進化して無音歩行と体幹、柔軟スキルを持っているからね。」


 なんだ、でもスキルは獲得できたからいいかなと、ちょっと休憩することにした。


「武器スキルはアシストがあるんだよね?それで慣れてみるといいよ。」

「罠スキルはいろいろたくさんの種類の罠を作ってみるといいよ。木工スキルと合わせてとか、袋を使って蛇とか捕まえられるしね。」

「矢をたくさん作って動きながら、弓を引いてから動ける体にしているといいかも?体幹スキルがあると楽だよ。」


 などたくさんのアドバイスの後に、じゃーねーと、一言話すと帰ってしまった。


「忘れないように日課にする。」


 と歩いて弓を変な方向に飛ばしながら訓練をするのであった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ