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犬飼さんは目立ちます!!  作者: 猫踏み三年
第1章 犬飼さんは目立ちます!
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5.5話 アミンさんと訓練

 矢は羽をつけたらすぐ作れたため、調合について聞いてみた。


「ウルは生産系はオート?マニュアルどっちにしているの?」

「アシストはオフにしていますけど、」

「ならマニュアルかな?オートは教えることがないからマニュアルで良かった。」

「オートなら素材とキットを出して作りたいものを選ぶだけだからね。」

 

 と簡単にオートについての説明をした。


「調合に必要なものはスキルレベルが上がるたびに増えていくけど、最初のポーション類を作るにはこれくらいかしらね。」

 

 まな板、包丁、ビーカー、すり鉢、すりこぎ、混ぜ棒、コンロを机の上に出した。


「まな板と包丁は薬草を切るため、切ったものをすり鉢に入れてすりこぎで細かくする、それをビーカーに入れて水とともに熱していいところで火を止めて終了。」


 終わったものをポーション用の瓶に入れた。


「この瓶は錬金で作られるわ、細工でも作れるけど錬金のほうが簡単な上品質が一定でギルドは細工のポーション瓶は買い取らないわ。」

「なぜですか?同じものならどっちも買い取るほうが」

「ガラスの良し悪しが誰でもわかる?粗悪品が多い場合があるうえに、それを鑑定するスキルというのは商業ギルドでも副ギルド長なのよ?細工はガラス細工とかそちらを作ることをお勧めするわ。」


 それより、一回やってみなさいとアミンはウルに調合をやらせてみた。


 包丁で軽く扱いやすい大きさに切り、そのまますり鉢で細かくした、細かくする作業は意外と力が要り、摺りごまなどを家で作ったこともあるウルは慣れた手つきで終わらせて水とともにビーカーに入れて火をつけた。


(最初は弱火で対流が出来そうになっていたら弱火にしていた、そして1分程度掛けてエキスが出きったら終わり)


 先ほどのアミンの作業を料理として覚えていたため一発で成功させた。


「素晴らしいわね、調合の才能というより料理の才能かしら?料理スキルはなさそうだけど?」

「料理は自前です、人の調理を真似するのは得意なんです。」

「なるほどなるほど、だったら料理スキルもそのうち取るのをお勧めするわ。」

「なぜですか?調合と料理スキルって相性がいいんですか?」

「え?あなたの料理を食べたいからだけど?」


 ガクっと力が抜けたが、スキルの相性ではなく食べたいからだとはびっくりした、作ることは別に嫌ではないが、あまり材料がない今だと少しスマホで調べて作らないと出汁スープや干し肉くらいしか作れない。


「さっきの調合は一個の正解、材料ごとにそれぞれ特色があって、正解をすると効能はよくなるし、口触りとか美味しいものを作れるようになるかもしれないわ。」

「そういうものって教えてもらえないんですか?」

「いいけど、あなたと私では色々違うから教えないほうが面白いものを作れそうじゃない?だからやっぱり教えない。困ったらヒントとか材料の場所とかは教えるけどね。」


「でも一つ、調合と料理を発展させていくと薬膳というスキルがでるかもね?効能や美味しさを追及して解毒や毒についても詳しくないと無理だけど。」


 先ほどから話をしながら調合を続けていると、一個だけポーションの回復量が+5上がっているポーションがあった。


 これはどういうことなんだろう、アミンを見たがにこにこしている。考えてみなさいということなんだろうか?調合はノートなどメモをしながら研究をしてもいいのかもしれないと思いながらずっと2時間すこし作り続けた。会話もありながらだったが結構疲れてしまった。


「さてさて、ポーションは作るのも大事だけど、取るのも大事、来訪者は死んでも生き返るけど、死なない準備をしないのはバカだからね。」


 アミンからどこへ材料を取りに行っているのかと聞かれ北の林と答えると、あなた一回死んだでしょう?と簡単に言われた。


「な、なんでわかるんですか。」

「わかるに決まっているでしょう、武器も扱かったことのない風貌にスキル構成も逃げて一撃で攻撃する狩人、テクニカルなスキル構成なんだから使いこなせるわけないじゃない。」


 ぐ、そう簡単に当てられては負けを認めるしかない。

 先ほどの会話の後にそのまま腕を引きずられながら商業ギルドから冒険ギルドまで移動した。



「アリアー、ちょっと裏借りるね-」

「あ、アミンさん??いいですけど、ほどほどですよ?」


 はーい、と軽い返答でずるずる裏庭に連れていかれた。裏には藁の人形や木の的、泥だらけの場所に小さい草原などたくさんの訓練ができる場所であった。


「ここまで連れてきたけど、ウルはたぶん弓だよね?武器」

「はい、武器スキルは弓と罠ですね。」

「罠?落とし穴とかの罠スキルを取ったんだ。」

「近距離に来るまでに倒したいので、それに動物も簡単に狩りたいですし。」

 少し考えるアミンにウルは少し不安になって


「もしかしてあんまり強くないですか?罠スキル」


「ウル、強くないスキルはないよ?私たちの国の英雄だって自然治癒能力向上スキルの一個だけだったんだよ?それが努力と死ぬほどの経験をして英雄になるんだ」

「それに自然治癒能力向上スキルのおかげで勝てた戦いも何個もあるんだから!」


【Sランクのドラゴンキラー スザク】小さい時に病弱な子供であったが、自然治癒能力向上スキルを発現して克服、そこから鬱憤を晴らすように運動や遊びに明け暮れ、大人になったら冒険者になった、そこからゴブリンやモンスターと何度も死闘を繰り広げいつしか英雄になった。


 アミンはその冒険者が大好きなのか教えてくれた。


「罠だってがんばって大きいのとかすごい素材を使えばいつでも役に立つんだから。ミスリルで作る10mトラバサミとかドラゴンにも効きそうじゃん。」


「でも、そのためにはいっぱい罠を作って失敗しないとね!そのためにも林で動ける体になろう!」


「でも私運動得意ではなくて、それに逃げられるようにスキルも取りましたし。」


 あまり走りとか激しい運動は嫌いなため、それを嫌だと伝えるとアミンはにへらと笑いながら



「剣士でも騎士でもないのに走り込みはしないって、歩行術だよ歩行術」


 歩行術、アミンが言うには歩行にまつわるスキルでこのスキルのレベルを上げていれば沼や草ばかりの場所など歩きやすくなるというのだ。


 それに移動に音が出づらくなるため必須ではあるという、消音スキルも音を消す為に魔力を使うので魔力探知するモンスターには弱いという弱点もある。だったら歩くときに無音にすれば発見率が低下する。


 そう解説をされればこのスキルはかなり私にあっているといえるだろう。その上このスキルは今回の訓練で入手できるらしい。そのためあっさりお願いした。


「まずはこれ、鳴らさず歩いてね?」


 首と腰回りにたくさんの鈴をつけたスカーフみたいなものをつけられた。


 じゃらじゃらと歩くたびになるために絶対鳴らさないというのは難しいだろう。でもやるだけやってみるが


「む、むりー。」


 ずっとじゃらじゃら音が鳴り、拗ねたように座った。アミンが近づいてきてきた。


「出来るんだよ。スキルはできないことを可能にするすごいものなんだから。」


 すごい話をするアミンをウルが見上げたら首にウルがつけている10倍の鈴をつけていた。目の前で正解を見せつけられて驚いていると


「ここまでやってって話しじゃないよ?歩くときにならないように姿勢とか気を付けてあるくだけ。あくまですずはそのきっかけだよ」


 先ほどの拗ねたのはきれいさっぱり忘れて、林をすいすい動ける自分を想像した。動きづらくて大変だったのだ。これがなくなるなら嬉しいことはないと。


 先ほどからじゃらじゃら歩きながら腰使いや足の出し方など、いろいろ変更しているけどずっと鳴り続けている。さらに20分ずっと歩き続けて足腰に疲れが来ていると


 ≪【歩行】スキル獲得しました≫


 と通知が来たため歩いてみるが、先ほどよりかなり楽になったがまだまだ鳴っている。

 これはどういうことなんだろうとアミンをつい見てしまったが。


「あー、歩行スキルだけでは鈴はなるよ?私はさらに進化して無音歩行と体幹、柔軟スキルを持っているからね。」


 なんだ、でもスキルは獲得できたからいいかなと、ちょっと休憩することにした。


「武器スキルはアシストがあるんだよね?それで慣れてみるといいよ。」

「罠スキルはいろいろたくさんの種類の罠を作ってみるといいよ。木工スキルと合わせてとか、袋を使って蛇とか捕まえられるしね。」

「矢をたくさん作って動きながら、弓を引いてから動ける体にしているといいかも?体幹スキルがあると楽だよ。」


 などたくさんのアドバイスの後に、じゃーねーと、一言話すと帰ってしまった。


「忘れないように日課にする。」


 と歩いて弓を変な方向に飛ばしながら訓練をするのであった。



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