第13話 船の材料探し
船を作る宣言をしてから、シーテンは職人顔になっていた。
「いいか?俺を助けるための船とはいえ、船を作ると言ったんだ!しっかり俺の言う通りの物を持ってくるんだぞ!」
「もちろんです!」
「よし!まずは木材は大量に必要だ、防腐剤としてタールも必要だから何処かで石炭が取れる場所があるなら取ってきてくれ。」
「防腐剤は必要ですね。」
「まあ最悪火で焼くだけで十分だが、数日の航海では腐らないと思うがタールが一番良い。」
「まずは木材ですね。」
「もちろん!そしてできれば鉄があればいい。ウルは鍛治用のキットは?」
「持ってきてます。」
「よし!ならそれを使って釘を作れば船はかなり強固になるからな。」
「なるほど。他には?」
「スライムがいれば、スライムジェルは欲しい、木の間を強固に接着できるからな。」
「サクラちゃん?スライムっていそう?」
「いる。スライムはどこにでもいる。」
「そうだ、スライムは隠れているがどこにでも居たりするんだ。まずはそれを持ってきて加工をするぞ!」
「はい!」「うん。」
ウルとサクラは早速木材の採取に向かった。まずは一度訪れたことのある、ボスザルがいた森だ。
ボスを倒した影響なのか、攻撃的なモンスターはなく、簡単に伐採できてしまった。
ついつい切りすぎてしまい、猿やリスなど住処にしていたモンスターたちに物を投げられてしまった。
「いったー。ごめんなさい〜。」
「うーちゃんは限度を知らない。」
慌てて逃げるウルなのだった。
木材を取ってきたウルたちはこれで大丈夫かと確認のため、シーテンに見せに行く。シーテンは丸太を鋭い目つきでじっくり確かめる。
「う〜ん。40点だな。」
「どこがだめ?」
サクラが何が駄目かと聞いてみた、すると。
「柔らかすぎる、船の破片だけどこれを触ってみろ。」
残骸なった船の一部を渡してきた、密度が濃いのか、かっちかちに固かったのだ。
「これがベストだが、この木材なら船にならない。波とかに負けちまう。40点って言った理由はわかったな?」
「はい。この木は別の用途に使いましょう。」
「そうだな。水を入れとく樽とか、食料や小物を入れる箱とかなんでも使えるからな。」
「じゃあシーテンさん、もう一度行ってきますけど。遅くなるかもしれないので、ご飯置いて行きますね?」
「ウルってやつは!聖母みてーだな!」
「いやいや。普通ですから!」
「うーちゃんは聖母、間違いない。」
二人はウルを置いて、優しいよなと言い合っていた。
「恥ずかしい…やめて…」
という声は二人には聞こえないようで、顔を真っ赤にして座り込むウルをワン太たちが慰めていた。
二人はシーテンと別れて、先ほどの森から更に山の方へ向かい、今度は別の森の方へ来ていた。
この森は、ウルが疲れながら山を登っているときにサクラが見つけていたのだ。
山を下りていくと、ようやく木の大きさがわかった。
手前の木ですら、先ほどの森で伐採した木より大きいのだ。大きさイコール固さではないかもしれないが、期待できる森だった。
ウルたちが森へ近づいていくと、看板があった。木の看板で文字が少し書いてあった。
「サクラちゃん!」
「うん。見たほうがいい。」
どれどれと文字を見てみると、一文だけだった。
【クマ注意!】
熊という凶暴な動物に怖くなり、泣きそうな目でサクラを見るウルに、サクラが任せろと刀を見せつけるのだった。




