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犬飼さんは目立ちます!!  作者: 猫踏み三年
第四章 第二回イベント

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第9話 シヴァ

「お初に、お目にかかり、こ、光栄です。」

「か〜、やめやめ、お前俺の事崇めてねーじゃん。信仰者でもないやつに変な敬語使われたくねーっての。」


 ウルの固い挨拶にシヴァは心底面倒な顔をしていた。まるで誰でもそう話してきていたのだろう。

 そこでウルはアルテミスと話すように礼節だけをわきまえた話し方にした。

 神と話すというのは緊張はするのだが、ゲームの世界であり、そして知恵者として格が高いものなのでしどろもどろにならずに話すことができた。


「あの…私と一緒に飛び降りた犬だったり、人はどちらに?」

「あー、あれらは別のところに行っているな。火の精霊がこの火口に住んでいるからそいつらと話してると思うぞ。」

「え?それなら私はなんでシヴァ様と?」

「嫌なのか?」

「いえ!嬉しいですけど。普通のエルフですし。私。」

「あー、そういうことならお前がアルテミスと縁、しかも寵愛ときたもんだ。どんなやつかと気になってな?会ってみることにした。」

「そうなんですね。アルテミス様とは友人として仲良くさせていただいています。」

「あいつがね~。面白いな、それ!」

「最強の武器とか、不老不死の薬とか、最高の食材でも言ってみろ。」

「そ、そう言われましても・・・」

「あん?いらねーってのか?俺への願いが!」


 そう言った瞬間ウルとシヴァがいる岩の中をくりぬいたような無機質な場所の壁が燃え盛る火炎に変わっていく。地面があっという間に溶けていく姿にマグマの数百倍は恐ろしいと思って恐怖に呑まれる。


「ち、違います。まさか火口に入ったら願いが叶うなんてびっくりしていて…私は欲深いので願いはかなえてほしいです。」

「ふーん、そうは見えてねーけど。なら言ってみろ!」


 火が止んだところで一息つくと、頭の中で色々考えていく。


(武器とかは分不相応なものを貰ってもだし。不老不死なんて怖いだけ。最高の食材は欲しいけど、冒険して見つけに行きたい。でもでも何か叶えてもらわないと。)


 うーんと悩み続けるウルであったが、一つ名案を思いつくと、それ以外はいらないと思ってしまった。これをお願いしようとなったのだ。



「き、決まりました!」

「お!待たせたんだぞ?いい願いをいえよ?」

 そう期待されて、口の水分がなくなるほど緊張をしていくが、声に出した。


「シヴァ様のお話を聞きたいです。シヴァ様の日常を知りたいです。」


「ほう?」


 こちらをギロリと睨むシヴァ、やらかしたのかと地面に水溜まりができるほど冷や汗をかいているウル。しばし時がすぎ。


「お前、名前は?」

「ウ、ウルです。」

「ウル。おもしれーやつだな!願い事で俺の話を聞きたいだと?初めて言われたぜ、そんなこと。」

「そうですか?武器よりはどこへ行ったとか、何を食べたかとか気になります。」

「そうか!良いだろう。ほれ!」


 シヴァが指を鳴らすと、高級そうな大理石のテーブルと、座り心地が良さそうなチェアを出し、シヴァはチェアに座ると。


「ほら。話すから座れ。」

「し、失礼します。」


 二人はテーブルを挟み面と向かい座ると、シヴァが話を始めるのだった。


 ・

 ・

 ・


「それでだな?俺もついつい怒っちゃってよ。」

「確かに、良くないことですよね。」

「そうなんだよ。だけど俺の都合で力を使うと世界を壊しちまう。だからこうやってストレス発散で裏の世界で踊るのさ。」

「律しているんですよね。人にはできないことですよ。」

「まあな。神様だからさ!」

「そうですね。」


 ・

 ・

 ・


「破壊というのは、その先も見てるんだ。気にせず壊した先には何もないからな。」

「見通すのは難しいことですよね。」


「まあ、第三の目があるからできなくはねーけどな!」


 ・

 ・

 ・


「酒!肉!ってよりはお米とか牛の乳とか好きなんだよな。」

「そうなんですか?凄い筋肉だったので、お肉とか好きなのかと思いました。」

「いや!気分が乗らん!果物とかがいいな!」

「なるほど。果物は私も好きです。」

「ほう。こいつはおすすめだぞ?」


 シヴァはそういうと、テーブルにたくさんの果物を出した。


「さあ食え。美味いぞ?」

「ありがとうございます。いただきます。」

 ウルはイチゴを一つ手に取ると、食べてみた。

 ほどよい酸味としっかりとした甘みに口いっぱいに幸せを感じると、飲み込むことが惜しいと思ってしまうほどに美味しかった。


「ウルはいい顔をするな。」

「へ?」

「幸せそうな顔をしていたぞ。」

「す、すみません。」

「良いことだ。ほらほらもっと食え。」


 そう言われ、お皿一杯に溢れる果物をお腹いっぱい食べるのだった。







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