第2話 イベント詳細と仲間
第二回のイベントは簡単に言うと綺麗な島でバカンスをしようという内容だ。
期間は一週間というかなり長い期間であるが、イベントの島のみに適用され、現実時間でいうと5時間程度と書いてあった。
ゲーム時間でも15時間。一日経っていないというのが驚きだ。
しかし、一週間もゲームの世界に行っても大丈夫かと思って検索したが、今までこういうVRMMOはたくさんあり、その中でも最長1か月程度イベント空間に居たというのだ。一週間程度なんら悪影響などはないとの話しで安心した。
島では色々なイベントクエストや謎、面白い場所など楽しめるコンテンツは盛りだくさん、プレイヤーはバカンスを楽しむのも、レベルを上げるのも、イベントで獲得できるスキルやアイテムを入手するもの自由。存分に満喫してほしいとあった。
イベント内容などを熟読していたらメッセージが届いた。サクラからのメッセージで早速開くと
【サクラ:今から会いたい】
そうかいてあり、ウルはなんだろうと不思議な顔をしながら会いに行くことになった。
今回はウルのホームで話すことにした。木工スキルを修行で上げたことにより、テーブルや椅子を一新してウルにしても会心の出来になっており。テーブルを撫でながらニコニコしていた。
しばらくすると鍵を持っているサクラが入ってきた。ワン太たちを一撫ですると、ウルの隣の椅子に座る。
「いらっしゃいサクラちゃん。」
「ただいま。」
合っているのかわからない挨拶を交わすと床に刀を下ろしていく。
身長より大きい大太刀は凄まじい切れ味でウルが少し手間取ったモンスターを一太刀で切り捨てる。しかも抜刀術を使いこなし、神速のような速さでウルには見えない速さで切り伏せる姿には頼もしさを覚えている。
見た目こそ清楚で小さな女の子ではあるが、戦闘となったらウルたちは一瞬で倒されるだろう。見た目で侮ってはいけない人ナンバーワンなのだ。
今回サクラが来た目的はイベントを一緒に回りたいというお誘いだ。
「うーちゃん、今回は私と遊ぶ。」
「イベントってこと?私も嬉しいけど。」
「ジャンヌとは大丈夫?」
「え?毎回パーティーを組むわけではないから。それに一週間でしょ?サクラちゃんくらい仲良くないと大変だよ。」
「そう?なら一緒。」
「うん。よろしくね。ワン太たちもいいよね?」
「わん!」「ちゅん?」「ちらー」「モー」
「わからない。」
「みんないいって。楽しみだね。」
「ワン太たちにお礼。」
ウルも第三の町に行きたいと思っていた。果物などが多くあるため、アルデ達の食材の調達がしたいのだ。しかしまだウルにとって第二の町周辺の敵が余裕で勝てるわけでもない。その上エリアボスなど倒せるわけない。しかも掲示板での情報を聞く限り今のままでは難しい。
それに神社や牧場をまだ完ぺきにしているわけではない、これがないあれがないとなるのは当然のこと、それが終わるまでは遠くに行く必要はないと考えていた。
しかし今回のイベントでかなりレベルを上げたりしたら、早めに第三の町に行けるかもしれないと皮算用をしていると。
「今回のイベントは色々できる、目的を決める。」
「え?目的?」
「スキルやレベルを上げる。バカンスを楽しむ、探索をする。」
「そうだねー、私はバカンスというか、楽しみたいな。レベルも上げたいけど。」
「レベル上げ?以外。」
「うん。少しは上げておかないとどこも行けないから。色々見て回りたいもん。オブロンの北の霊峰知ってる?」
「一応。行ってはいない。」
「あそこ綺麗なんだよー。だからああいう綺麗なところに一杯行きたいんだ。」
「見つけたら教える。」
「ありがと!」
「レベル上げはモンスターと戦えばいい。スキル上げも重要。」
「スキルかー。いっぱい持ってるけど確かに便利だよね。」
「スキルポイントは大事に使う。後々後悔する。」
「そうなの?海があるから水泳スキル取ろうと思っていたけど。」
「水中行動に補正がある、いいと思う。水中のみにいるモンスターもいる。」
「なるほど。」
「スキルについては統合と進化がある。それはわかる?」
「ううん、知らないよ?」
「ならしっかり教える。」
まずスキルについて、初期スキルやスキルポイントで手に入るものは特殊な物を除き、30レベルで進化可能になる。スキルレベルが30、もしくは☆マークがあるものがレベルMaxなのだ。そして統合スキルというのは一定の職業や種族、スキルや称号があるとスキルを統合できるようになる。
サクラの所持スキルにも統合スキルがあり、神速スキルというのがある。これはヘルメスの加護を持ち、素早さが100以上、そして移動スキルを3つもつと統合できるのだ。
「つまり、スキルは進化や統合を繰り返すとさらに強力になるんだ。」
「そう。私は5つ統合スキル持ってる。」
「私もできたらいいなー。」
「ステータスも重要。うーちゃんはどこに一番振っている?」
「うーん、大工とか弓とかに必要だったから攻撃と器用さかな?」
「エルフなら魔力に振ったほうが良い、けど考えているならいい。」
「そうなんだ。植物魔法しか持っていないから魔力には振ってないや。」
「植物魔法は土と水魔法の統合スキル。」
「アルテミス様の加護を持っていたから、統合せずに手に入れられたんだ。」
「いい選択。植物魔法は拘束などデバフがメイン、他の魔法も手に入れるべき。」
「そうはいっても、何がいいんだろう。」
「闇魔法がおすすめ、これあげる。」
サクラは手に持った巻物を渡してきた。タイトルには闇と1文字だけ書いてあっただけだ。
「これは?」
「闇魔法を覚えらえる巻物、見ればスキルポイント0で覚えられる。」
「そんな、悪いよ。」
「これはクエスト報酬、私は持っているし、売っても二束三文。」
「あ、ありがとう。お礼に何か料理を作ってあげる。」
「うーちゃんのサンドイッチは至高。」
「闇魔法ってどういう魔法が使えるの?」
「基本は他の魔法と変わらない、ハイドという気配を遮断する魔法が強い。」
「気配遮断は私持っているけど。」
「重複可能。もっとバレなくなる。」
「それは嬉しい。これから先も隠れることができるね。」
「それにチンチラが進化してもたぶん覚えられない。」
「それならチラリンと役割分担できるね。」
「ちらー!」
サクラはウルの料理と大きいハムを貰うと、アイテムボックスに入れた。ウルもようやく燻製ができるようになったのだ。
前々からミトの精肉店にはあるのは知っていたが、作り方はわからなかった。ずっと肉を卸していた事で燻製器を見せてもらった。
そしてダイタス組でずっと頑張っていたウルは木工スキルや技術が向上し、小さい家庭用の燻製器を作ることに成功した。
これにより、ウインナーやハム、ベーコンなど燻製肉をミトから購入しなくても作れるようになった。気分によってはミトの燻製肉を使いたいため、今だにミトから購入してはいるが。
話は戻り、ウルはもらったチケットで闇魔法を獲得した。
レベル1はダークバレットという小さな闇の弾を飛ばす魔法だ。
「後で鍛えたらいい。南の沼なら簡単に倒せる。」
「それってダンケルの?」
「そう。ドロンパがいるから。」
「ドロンパ?」
「ゆっくり泥を泳ぐ魚。耐久はあるけど的。」
「そうなんだ。じゃあイベント前に少しだけ戦おうかな。」
「それがいい。私も行く。」
それからウル達は、イベントまでの数日間、ダンケルの周りなど、色々な場所に行くのであった。




