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犬飼さんは目立ちます!!  作者: 猫踏み三年
第三章 牧場と神事で目立ちます!

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15話 師匠と神社完成

「ウルさんはしっかり相談してくれると思いました。」

「ごめんなさい、つい張り切ってしまって。」


 牧場を作り終えて、すぐに牛を飼ってしまい、事後報告でマリーさんたち孤児院のみんなに伝えてしまった。


 子供たちもどうやって仕事をするのか、体力作りだったり、色々準備をしていたのだった。当然なんでとブーイングが起きる。


 マリーたちが1番怒ったのは、相談が無かったことだ。共同で作り上げるつもりでいた。もちろん牧場を作るのはウルであり、メインはウルなのは知っていた。


 だからこそ強くは言わないが、子供たちはみんな拗ねていた。ワン太も流石にウルの味方はしなかった。



「ごめんなさい、みんなを蔑ろにしているわけじゃ。」


「そうよ!ウルはいつも猪突猛進なだけ!私たちを助けてくれたのも、私たちが働けるのもこのイノシシみたいなパワーのおかげなの!」


 そう援護してくれるのは、ジェーンだった。ウルはそれよりイノシシ扱いされたことにひどく傷付いたが。


 ジェーンの話を聞いて、子供たちはようやく膨れっ面が解けた。


「今回はこれを使うから、説明をしたくて。」


「これは?丸い玉?」

「そう!これがあれば牧場と行き来出来るようになるの。」

「そうなの?」

「そうなの!ミニポータルって言うの、これがあればみんなも安全に牧場に行けるってこと!」

「やったー!早く繋ごう?」

「待ってね。どこに繋ごうかなー?」



 あれこれ孤児院の周りをみんなで見渡していると、ウルはなんだか大きい木が気になった。


「マリーさん、この木の前ってどうですか?わかりやすいですし。」

「ここですか。いいのではないですか?」

「ありがとうございます!じゃあみんなここにやってみるね!」


 目の前のオーブを使おうと念じると、こことどこを繋ぎますかとでてきた。自身のホームと繋げる、孤児院はマリーさんが認めてくれていたことと、領主のミニポータルのおかげで使用可能になっている。


 使ったらオーブが地面に沈み、地面に魔法陣が浮かび上がった。近づいたら牧場へ向かいますかとでてきた。


「これで出来ました。皆さんはどうですか?」

「それでは私が行きます。みんなは待っていなさい。」


 マリーは、魔法陣へ近づき、そして消えた。

 子供たちはマリーの姿が消えたことに少し騒然としたが、ウルがすぐ帰ってくるからと慰めていたら、帰ってきた。


「あらあら。凄い物を作りましたね。ウルさん」

「えへへ、ありがとうございます。」


「では皆さん。一人ずつしっかり間隔を開けて行きなさい。ウルさんは最初に行って、子供たちの興奮を収めてください。」


「わかりました。みんな?私が先に行くから一人ずつ来てね?」


 ウルは牧場へ消えた。一瞬であの距離を移動できることに感動した。

 その感動は子供たちがどんどん来たあとに暴れるため、一瞬で引っ込んでしまったが。


 しかし、興奮はかなり強い、そもそも子供たちは好奇心旺盛な生き物の上、それに外にでる機会など、ほとんどないのだ。もう暴れに暴れていた。


 どうしようもないと思ったとき、一つ思い出した。



 ♪~♪~!♪~♪~!



 ウルの歌声に子供たちはしずかになった。綺麗なうたごえに子供たちは夢中になって聞いてしまうのだ。転移してきた子供も少しは牧場を走り回るが、ウルの歌声を聞きたく、戻ってくる。


 最後にマリーが転移してきた。


「あらあら、この前より綺麗な歌声ですね、しっかり練習しているようでなによりです。」

「あはは。本当に苦手だったので大変でした。私は冒険者なのに木工と歌と踊りスキルばかり鍛えられています。」

「あらあらいいではないですか、昔の英雄も大剣使いなのに悪食スキルが一番高かったといいますし。」

「そうなんですか?」

「ええ、自分のしたいこと、出来ることをがんばるのが一番いいですから。」



 そう話していると、子供たちのいつ牛と会えるのかという目線が見えたため、さっそく紹介することにした。


「まずは牛さんを紹介するけど、今回はお仕事の内容と、建物を教えるからね。」

「「「「はーい!」」」」

「まず、あそこの大きな建物は牛舎といって、牛さんが住んでいる家だよー。ごはんを食べるし排泄もするから、それがメインの仕事かな。」


「ここが牛舎、入る前に一つ。牛さんは生きているからしっかり飼育してね?」

「変なことって?」

「例えば、後ろから急に頭を撫でられたらどう?お話もなしにご飯をぼんって置かれたら?」

「やだー。」

「そう、自分がされて嬉しいことをしましょうね?したいけど大丈夫かなって思ったら私に聞いてくれればいいから。」

「ウルって詳しいんだな。」

「ううん、でも私が責任者だからね。」


 中はかなり大きく、最大10頭は飼育できる。まだまだ土地はあるため隣で同じものを作れるのでもっと飼育することはできる。しかしまずは二頭でみんなと慣れることにしたのだった。


 最初の話をしたのが聞いたのか、牛を見てもこどもたちは大声で話すことはなかった。そのおかげで牛は知らない人を多少は警戒しつつも、すぐに食べ物を食べていた。


「まず、牛さんはしっかり私たちの話はわかるの、だから挨拶をするのが大事。」

「こんにちは!今日はウルがお世話するね!」


 ウルは牛二頭に向かって、そう話すと

「「モウ」」あいよ


 そんな声がした。しかしこの声はテイムスキルを持っていないと聞こえないのだが。牛のタイミング良い声で子供たちはしっかり聞こえていると思った。


「まずはこの食べ物を入れるところに入っているか、入っていないならこっちの牧草から持ってくるの。水もとなりにいっぱいいれてね」


「それと綺麗な毛並みをしているけど、毎日メンテナンスをしないと駄目なの。だからこれでブラッシングしてね。」


「牛さんはトイレに行くとかはない。だからこれをしっかり掃除するの。排泄物は肥溜め入れが裏にあるからそこに入れてね?」


 一通り、一頭の牛で実際にやって見せた。子供たちは真剣にしっかり聞いている。


「もう一頭の牛さんをやってみる?私もマリーさんもいるから大丈夫だよ?」



 子供たちはかなり意欲的だ。さっそくやってみることにした。


 牛にみんなで話かけていく。牛はこいつはなんだと思っていたが、悪い匂いもしていないし、軽い返事をした。

 子供たちは二人がご飯と水分の追加を、残りの人は牛の部屋に入り、掃除とブラッシングをしていった。

 おっかなびっくりしながらブラッシングをしていたが、あっという間になれてつやつやにしていく。


 あっという間にやり終え、むしろ時間が余っている。


「ねえ、これで終わりなの?」

「もちろん、これからもう少し牛さんを増やしたり、畑も作るつもりだけど。慣れることが一番だからね」

「ちぇー、もっとできるのに。」

「みんなが毎回来れないかもしれないからね、余力はしっかりあるほうが良いの。それにこれからは私が居ない日もあるんだからね。」

「それに朝昼晩、毎回これをやるんだからね」



 とりあえず、子供たちの牧場の仕事ぶりを確認して、しっかり出来ていることがわかったので安心した。もしかしてしばらくはウルがしっかり見ていないとまずいのかもと思っていたのだ。ウルですら社会経験はないおこちゃまなので、一安心した。


 次の日も一応仕事をしているか、確認をしておいた。しかしこの町というか、この世界では若いうちから仕事は多少しており、孤児院の子供も町のお手伝いなどをしていたり、冒険者になる人も居るのだとか。


 それなら次の目的を果たせる、神社を作ろう。


 神社といったらかなり大きい神社を想像してしまうが、こじんまりしているものを今回は作るつもりだ。



 本殿に拝殿、そして神楽舞などの準備をする小さな家に、私の神社ということで仲間たちの木彫りの狛犬を置こうと思っている。



 本殿は神器や祀るものを置いている大事な場所で、私以外は基本入れない。


 拝殿は神社のお参りをするときにお賽銭などを入れて礼をするところだ。マリーが強く勧めたので作ることにした。


 最初は本殿だ。本来ならもっと色々準備などが必要だろう。しかし宮大工でも無ければ、こういうゲームや伝統に詳しいわけではない。


 しかし、親方がいつの間にか見に来ていた。弟子たちが牧場を作り、私も報告に行ったのだ。弟子の仕事ぶりを見にいくのは当然だった。


「おいおい。本殿の作り方は教えたつもりはないぞ?」

「ダイタスさん!」

「牧場の方は広くて寂しいが、後々作ればいいだろう。しっかり骨組みをしっかりしてるから牛たちが暴れても壊れることはないだろう。」


「ありがとうございます!みんなと作ったんです。」

「全く…俺も呼べよ?見た目は良くてもってことがある。子供を入れる前に俺に見せるべきだったな!」

「そうですよね…一人で盛り上がってしまって」

「まあそういうこともあるだろうな。しかし本殿をこの歳で作ることになるとはな。」


「え?ダイタスさんも一緒に作ってくれるんですか?」

「あのな?本殿は神様の住む部屋だ。お前一人にやらせてヘマしてみろ。俺たち神罰が下りるぞ?」

「私だけではなくですか!?」

「神に言わせれば同じことだ。まあそんなに器が狭い神は居ないから安心しな。ところで誰を祀りたいんだ?」

「決めれるんですか?」

「当たり前だろ。適当に神器をあげても大体は鳥か虫の小さい神になるだけだ。」

「なら、アルテミス様です。最初に色々教えてくれたり、とてもお綺麗でした。」


「おいおい。最高神か。まあ来訪者だしそんなこともあるのか。なら神器は弓、家は木と植物。動物も多いといいな。」

「狛犬を私の仲間たちにするつもりですけど。」

「これからも増やす…よな?まあ大丈夫だと思うぜ?出てくるかはアルテミス様が知るってな。」


 それから本殿をダイタスと一緒に作った。いつもより緊張しているダイタスは、とても丁寧に木の加工をし、組み立てていった。


 私もしっかりダイタスより遅くはあるが木材を鉋で削る。アルテミスが住むとなるとより気合が入る。


 転圧をして、あたりに聖水を撒いた。土地を浄化するためである。


 柱をどんどん立てていき、板で壁を張っているとき。ダイタスは屋根に色々細工をしていた。私なら不可能のため、諦めていたことだった。



 ダイタスの力は凄まじく、1日で本殿とそれを前に繋いで拝殿を作り終えた。


 マリーさんから貰ったお酒と、神器用の弓。そして元々作っておいた狛犬たちを設置した。


【神社ができました。名前を決定してください。】


「ダイタスさん!この神社の名前は何にしましょう?」

「え?ウル神社でいいんじゃないか?」

「そんな。恥ずかしすぎますよ。」

「そうはいってもな?神社とか教会とか名前があるだろうに。考えてこいって。」

「ちょっと考えます。」


 アルテミスにちなんだ方がいいだろう。アルテミスといえば。


 狩猟だろうか?狩猟神社はどうだろうか?厳かな、そしてこの町でも畜産というより狩猟でお肉を得ているのだ。



 狩猟神社で決定。


 神社が光っていた。目を手で防ぐほどの眩さだった。すぐに落ち着いたが。


「ったく。どうなっているんだ?」

「わからないです。名前を決めたら光ったんです。」

「名前は何にしたんだ?」

「狩猟神社です。私の中では狩りの女神様なので。」

「なるほどな。最後に奉納の舞をすれば、完成だな。」

「やはり舞うんですか?」

「もちろんだ。神社という家を作っても神から小さすぎる?そこで舞をすることで注目させるんだ。」

「なるほど!そうしたら近くの神社にも気づくということですね。」

「そういうことだ。しっかり舞を成功させないと見向きもしないから気をつけろよ?」


 そう言うと、仕事を終えたかのように、去っていった。



「待ってください!お礼になにか。」

「弟子の手伝いで何をもらうんだ。そんな気を使うくらいならもっと上手くなれ!」

「そんな…でも師匠に比べたらまだまだですね。」

「当たり前だって。俺はずっとやってるんだからな。一月もやってないガキンチョに負けるわけないだろ。」


 軽口を言われながら、ウルたちはオブロンの町へ戻って行った。







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