3話 ステータス設定
ゲームを開始したら一面の花畑に私がいた、空気が美味しいと思うほど豊かな自然に呆然としてしまった。
「初めまして、異界の勇者様。私はこの世界の女神の一柱 アルテミスです。」
話しかけられたことが分かった、内容は消し飛んでしまったが、女神ということが分かった。
尋常ならざる美しい顔、綺麗な長い緑髪、豊かなプロポーションは男性なら誰もが魅了されるだろう。
話かけられていることが分かったが、何を話されたか忘れてしまったので賭けに出るしかなかった。
「初めまして、私は犬飼凜です。」
「自己紹介ありがとう、だけど本名はやめましょうね?」
失敗した。
アルテミスのことばに私は顔を真っ赤にしてやらかしたと思った。そうだこれはゲームの世界だから現実と違うんだ。
リアルの世界を持ち込まないため、それにプライバシーの観点とかいろいろの話でオンラインゲームでは本名は厳禁だった。オンラインゲームはやったことないから忘れていた。
自分のやらかしに少し落ち込んだが、女神様をそのままにしておけないと先ほどから目の前にでてくる白いプレートを見ながら。
「この白いプレートはなんですか?」
「あなたのことをこの世界に順応させるために必要なものです。わかりやすくいうとステータス設定ですね。」
「わかりやすい。」
「神様ですから、あなたたちとたくさん話してきたので、どう伝えるか学べましたよ。」
なるほどと、さっそく白いプレートに触ると目の前に色々出てきた。
名前【】
種族【】
スキル【】【】【】【】【】【】【】【】【】【】
称号 来訪者
「まずは名前を決めましょう。」
「えーっと、凛意外ですよね?」
「おすすめはできないですね、しばらく考えたら出てくるかもしれません。先に種族やスキルを考えてみては?」
それならありがたいと早速種族のほうから選ぶことにした。毎回凛としていたため、思わぬところで止まってしまうと少し冷汗をかきそうだったが、先送りにできて幸いだった。
アルテミス様も私ばかりに時間を割くのも悪いなー、もっとほかに仕事があると思うから。
そう思いながらいろいろ考えているのを慈愛の目で見ていた。
(凛、あなたが思うままにしていいのですよ。私にとってあなたも私にとってかわいい子供たちですから。)
凛の思いとは裏腹にまったく楽しんでいたアルテミスであった。
名前は後にしてまずは決めれるところを先にして、後で決めようかな?後のほうがいろいろ決まっているし。そう考え、種族を決めてからいい感じの名前を決めようとまずは種族を選択したが、こちらは五種類から選択する。
あ、これなら簡単に選べそう。どれどれ
【人族】・・・オーソドックスで困ったらこれ
【ドワーフ】・・・力自慢でHPも高め
【獣人】・・・選ぶ種族によって違うが、素早さと力が高い
【魔人】・・・魔法を十全に使う種族。MPと魔力と知力が高い
【エルフ】・・・森を好む種族。器用とMP、魔力が高い
ステータスは全部で8個あり
HP
MP
攻撃
防御
魔力
器用
素早さ
幸運
最初は80ポイントあり人族なら全部に10ポイント
ほかの種族は得意なところに多くのポイントが割り振られ、苦手なところは少なく割り振られるのだとか。
エルフでいうと
HP・・・10
MP・・・15
攻撃・・・5
防御・・・5
魔力・・・15
器用・・・15
素早さ・・・10
幸運・・・5
となっている、器用さと魔力系統が強いけど物理はそこまで強くない、獣人は逆に魔力が低く攻撃や素早さがかなり高い。
人間は全部が10らしい、平均だね。
私の中で少し人族と悩んだが、今回はエルフを選択した。
エルフくらい見た目が変わったらもしかして友達とかクラスメイトにあってもばれないでしょ
という身バレが怖いのであえて美形にすることにした。ばれてもゲームだから美形になってもそこまで変にみられないのでいい選択だろう。
今はまだ友達にばれても口下手のままなのでしばらくはソロで居たいための選択を取らざるを得なかった。
種族を選んだら次に見た目を変更できるらしいがここでも悩んだが、先ほどを思い出し、友達にばれないように思い切って変更した。
ぼさぼさの黒髪ロングは金色のショートカット、顔は目元はきれいな二重に瞳は藍色に。実生活では無駄だと思っていた大きなバストはBカップ程度にした。持ち前の170cmの高身長も相まってモデルのようなキャラクターができた。
軽く身体を動かしたら髪も楽ちんだし胸の重さもなく凛は喜んだが。
「う、なんか友達にさらにばれたく無くなったよ。」
自分のキャラクターでありながら綺麗になった弊害がもう出つつあるが考えても仕方ないのでオッケーボタンを押して、いよいよスキル選択だ
「スキルはこれからのあなたを決定づけるものですが、ここでスキルの選択を間違えてもレベルを上げると貰えるSPと言われるものでいくらでも変えられるので、慎重になりすぎないように。」
というアルテミスの助言を受けてスキル一覧を眺めることにした。膨大な量のスキルがあり、ソートで武器スキルを選ぶと剣や杖、拳や剣闘術なども書いてあった。
リアルな世界で私はモンスターを近距離で倒せないだろう、それこそドラゴンと相対して剣などもってのほかだ、
近距離を外していくうえで一つのスキルを見つけた、
【弓】スキルだ、遠距離でちくちく攻撃を出来る上に危ない場合逃亡もしやすい、早速これにした。
後は生産スキルも気になると、生産スキルに注目した。
弓スキルの上で木工は外せない、弓も矢も木で出来ているので【木工】スキルを選択。木の生産に向いていそうな【細工】スキル。素材を集めるのも必要と思い出して、汎用スキルから【採取】【鑑定】【探知】スキル、毒矢とかかっこいいなと思って【調薬】スキル。逃げれるように【気配遮断】【消音】スキルと9つまで決めた。
ここであることを思い出して、一つのスキルに決めた。
「このスキルで大丈夫ですか?」
「大丈夫です、最適解というやつです。」
「あなたがそれでいうならいいですが。」
少し悩まし気な顔をしたがあくまで送り出す女神であり、必要以上にアドバイスができないので、一言
「困ったことがあったら町の人に頼りなさい、あなたの手助けにきっとなってくれます。」
最後までずっと優しいアルテミスに凜はまた会いたくなったが、きっと会えないのだろうと少し落ち込みながらも
「では、行ってきます。」
「待ちなさい凛、まだ名前が決まっていないわ。」
顔が真っ赤になりながらを我慢して
ウルと打ち込んだ
語感が可愛いし狩猟の神らしい、大昔に神様とか気になって調べていたけど助かった。
うーん、名前に対して力不足すぎるけどいいよね。
一度お別れをした手前、かなり恥ずかしいけど両親に挨拶はしっかりすることを教育されているからもう一度挨拶をしよう。
「行ってきます。」
「いってらっしゃい、私の世界を楽しんでね。」
凜が光に包まれて目を閉じて光が消えたため目を開けたら町の中心にいた
「え?どうしよう、チュートリアルとかないんですか。」
名前【ウル】
レベル:1
種族【エルフ】
ステータス
HP10/10
MP・・・15
攻撃・・・5
防御・・・5
魔力・・・15
器用・・・15
素早さ・・・10
幸運・・・5
BP・・・0
SP・・・0
スキル【弓】【罠】【採集】【細工】【木工】【鑑定】【調薬】【探知】【消音】【気配遮断】
称号 来訪者 アルテミスの加護