第4話 進化と新たな仲間
商業ギルドで話終わった後、その足ですぐに孤児院に向かった。子供達やマリーに牧場のお手伝いをしてほしいとお願いしに行くためだ。
ウルもどうやって話そうともやもやしている時間は短いほうが精神的にいいと思ったのだ。
まずはマリーさんに牧場の件について話した結果、なぜ唐突にそんなことになったのかと話す羽目と聞かれたので、ウルの中で感じたことを話したらマリーさんに抱きしめられた。
ありがたい気持ちであると、子供達も町で働いたり、農家に行くことや、それこそ冒険者になる人も居るのだが、必ずしも良い場所で働けるとは限らないのだ。
子供達を見て、子供達のために作ると言ってくれたものがとてもマリーにとっては嬉しかったのだ。
しかし、ウルに迷惑をかけるわけには行かないと断るマリーだったが。ウルの説得により、許可を得れた。
牧場が完成したらすぐに働けるように準備を整えておくと言われた。
ついでに職業が巫女あることも明かし、教会とは畑違いではあるのはわかるが、神社の作り方などを聞いてみた。
神社には最低三つのものがあればできると言う。鳥居と本殿と神器、もしくは御神体がだ。その三つで一定の大きさの聖域が出現し、モンスターや邪気から守る結界が出来るという。
御神体や神器は神社によって祀るものが分かれるので聖なる力があればなんでもいいらしい。
その代わりものによっては最初にボーナスがつくらしい。
それこそ原始の神から賜れた神器などを祀るならば最初から当然凄まじい力があるのが当然だと。
そして建物類は作り替えることなどが多く、より良いものや神や巫女と相性がいいもので作るとボーナスがあるらしい。
とある神社では神樹のみで作られたものや、神樹そのものの中に神社があったりするらしい。
材料としては鳥居は木を切った時にでる【木材】や石をピッケルで壊すとでる【石材】を使うらしい。本殿も鳥居と同じ素材を使うが、個数が多いため業者に頼むのが一般的らしい。
そして職業に【宮大工】というものがあり、専門の人に任せたらいろいろ聖域にボーナスが出る。
(小さな本殿と鳥居のセットで3000万G?これは無理かも知れない。)
ウルの身長だと窮屈くらいの小さな鳥居と一般家庭の家くらいの大きさの本殿でこれだから大きな神社というのは100億Gが最低でもするかもしれない。もっというなら宮大工が受けるとも限らないのだ。
最近ウルは生産に励んでいたが、全財産が常日頃小さな採取クエストとゴブリンの討伐クエストにポーションの納品のみで10万Gしか稼げていないので不可能だろう。
(だったら素材を集めて作ってみようかな?木工は家具を作ったりしているから素材を集めてミニチュア模型から作ってみようかな)
そう結論をつけ、今回はかなり鼻息を荒くしているワン太とともに林へ出かけた。ウルも大きなお弁当を魔法袋に詰めて準備万端だ。
ワン太が興奮している理由は一つ、そろそろレベル10になるからだ。
ゴブリンを数体倒せれば進化できるのでワン太はログインしてからずっとこうなのだ。
ウルはワン太の進化おめでとう会を開こうと林の中にある湖でピクニックをしようと考えて料理を拵えた。もはや林のオークやゴブリンやイノシシは弓で倒せるのでもはや脅威ではないので気楽に行けるのだ。
舞と歌はまだ心配のため外では弓しか使っていないが、林に来てから鹿をもう二体倒している。
「ワン太?ゴブリンは任せるから動物は私でいい?」
「ワン!!」
ワン太から了解を得たのでイノシシと鹿をどんどん倒している。ついでに罠スキルの簡易罠を設置していた。
罠のスキルで簡易設置というアーツがある。素材を使用せずに今まで作成した罠を目視で設置できる。
簡易ということで、使用素材は最低品質であることと、カスタマイズはできない点で通常罠よりだいぶ劣るため、動物を捕えるために使うことしかせず、モンスターなどにはもっぱら自作の罠を使う。
素材を採取しながら中央へ向かうと、いつも通りゴブリンが2体いた。
「ワン太!」
「ワン!!」
私の掛け声より早く、ゴブリンのもとへ向かって走った。ゴブリンは唐突に来たポメラニアンに気づいたときにはもう遅く、二体ともキックを食らった。
一体は顔に食らって吹っ飛んだ、もう一体は腹に攻撃を食らって少しよろけただけだった。
ワン太は素早いスピードでゴブリンの素手の殴りをかいくぐって反撃を続けること四回目、吹っ飛んだゴブリンが怒りを感じながらワン太をにらみつけるころには仲間は倒れて自分だけになっていた。
一体相手に手間取ることもなく、すぐに倒してワン太のレベルが上がった。
「ワン!!」
【ポメラニアン:名称ワン太が進化できます。しますか?】
【はい】【いいえ】
「ワン太!進化するけどいい?」
「わん!」
ワン太も待たされたくないだろうと、早速はいを押した。
ワン太が光に包まれた。ぴかーっとかなりの光に包まれた。
(ま、まぶしすぎる)
ウルは手を覆い、光が終えた後にワン太が目の前に現れた。まったく変わらない白くかわいらしくもふもふだ。
「ワン太?何が変化したの?」
「ワン!ワンワン!」
ステータスでみろと急かされたため、早速見てみることにした。
名前:ワン太 レベル10
種族:穴掘りポメラニアン
スキル【大穴掘り】【キック★】【嗅覚★】【爪】
大穴掘り・・・地面に大穴を掘る。集団の足止めをするスキル。地面にあるものをゲットすることも?
キック★・・・蹴りの威力が遥かに増す
嗅覚★・・・嗅覚がすごく鋭くなる。
爪・・・爪を使った攻撃に補正
なんだろう、この強いような強くないようなスキルと種族は?穴掘りというよりキックが得意な方な気がするけど。それに爪って短くて可愛いものだけど?
ワン太が一番知っているだろうから聞いてみることにした。爪は出し入れ可能になっており、ワン太の長くなった爪を見て、付け爪をしていた友達を思い出した。
でもワン太が進化したのが嬉しくなり、早速湖に向かってお祝いをすることにした。湖にはモンスターなどはおらず、近くの大きな石に腰を掛けて、ワン太と食事を楽しむ。
町には柔らかいパンがあったので、野菜とお肉を挟んだサンドイッチを食べている。ワン太にはあまり濃い味付けをしていないお肉を挟んでいる。
動物もモンスターも普通の食べ物を食べるみたいだが、ワン太は薄味が好みのグルメのため変えている。
(妹とか結構偏食だから、薄味程度なら可愛いものだよ。)
がつがつ食べるワン太を見てサンドイッチに手を伸ばした、しかし手の先にはサンドイッチがなく、ウルの手は空を切る。
(もしかしてゴブリン?)
立ち上がり、周りを見渡したが何もいないため、気配察知をしてみたらを石の近くに小さな生き物を発見できた。
覗き込むと手乗りサイズのすずめがおなかをぱんぱんにして寝ていた。
(食いしん坊のすずめだ、どうしよう?)
倒してもいいが、ワン太と私の察知をかいくぐる凄さと、私のご飯で満腹で寝ている姿に庇護欲を覚えてしまった。
(決めた、この子を仲間にしよう)
今すぐ起こしたところですぐ逃げる可能性が高い。町で買った布の上にサンドイッチを小さくちぎり寝ている雀の前に置いておいた。
起きたら目の前にご飯で懐柔作戦だ。このすずめが起きるまではワン太とゆっくり湖の景色と風の涼しさを満喫した。
20分後にはすずめが起き上がり、目の前のご飯にがっついて食べ終わると、ウルを見た。
(ワン太もそうだけど、私たちの言葉はわかるし、しっかり伝えればわかるはず。)
「ねえすずめさん。私の仲間にならない?ごはんはたくさん作るからたくさん食べてもいいよ?」
「ちゅん」
【手乗りすずめが仲間になりたい、仲間にする?】
【はい】【いいえ】
このすずめはかなりの食いしん坊だ。ウルのご飯がたくさん食べられると聞いてすぐに了解したのだ。
ウルはすずめの名前をおちゅんさんとした。この図太さには敬意を払いたくなったのだ。
おちゅんさんはぱんぱんのお腹で飛ぶと、ウルの肩につかまった。
「ねえ、おちゅんさん?ステータスってわかる?それをみてもいい?」
「ちゅーん?ちゅん」
何か知らないけど、食べ物ではないなら好きにしてと言われて早速ステータスを見ることにした。
名前:おちゅんさん
種族:手乗りすずめ☆
スキル【飛行】【食べる】【消化促進】【眠る】
【飛行】・・・自由に飛び回れる
【食べる】・・・食事でHP回復
【消化促進】・・・食事回数を増やす。満腹状態になり辛い
【眠る】・・・睡眠時にHP・MP回復量増
レアらしいけど、ワン太と同じく強いのかわからないスキルのラインナップだった。
おちゅんさんはステータスを確認している間にずっと肩と頭を移動しながらご飯を強請っていた。
「おちゅんさん?ご飯はもうないから帰ったら作った上げるからね。」
「ちゅ、ちゅーん。」
ご飯の前にワン太の大穴掘りについて知りたいので湖から少し離れたところで大穴掘りをお願いした。
わんの掛け声とともに爪を使ってあっという間に直系1メートル程度の穴ができた。ワン太に詳しく聞いたら時間を掛けたら3メートルまでは掘れるみたいだった。もうオークを落とし穴に入れて倒すことが出来そう。
おちゅんさんは戦闘はあまり好きではなく、小さい嘴で攻撃しかできないの戦うことはせず、ホームに帰ることにした。
ご飯は大人4人分作ったけど、おちゅんさんが全部3人前を食べてしまった。
ウルは今後は料理の材料をたくさん買わないといけないとおちゅんさんを見て感じた。




