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犬飼さんは目立ちます!!  作者: 猫踏み三年
第1章 犬飼さんは目立ちます!
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2話 犬飼さんの世界

 それからの学校は語ることがない。普通に授業を受けて、お昼ご飯を食べて、また授業を受けて帰り支度をして帰るだけだ。


 ここで部活動などがあれば色々しんどいながらも青春を送れるだろうが、凛は帰宅部、家の都合もあり本人の素養としても部活動が一番合っていた。


 友人から遊びの連絡は来ないので自宅へ直行する。部活や彼氏、ゲームに忙しいらしいので凛に構う時間はないのだと受け入れている。


(さて、限定版でもない上に販売台数とか無制限だからよかった。)


 こう言うゲームは大昔は処理の関係で1万人などの限定をしてから始まるものだが、機械が進化し続けて最初から無制限になっている。一応チャンネル分けなどはしているみたいだが。


 200年も経っていると世界は大きく変化をしていると思いきや、あまり変化は起きていない。


 学校も普通に歩いていくし、市役所などの施設も実際に存在する。車も事故数が多すぎるということで自動運転のみ空を飛んでいる。


 その中でもゲームやエンターテイメント関係は発展に発展を遂げている。


 VRMMOの実装で中世ヨーロッパに剣と魔法のリアルプレイなどできるだけでわかるだろう。


 仮想空間でのコンサートでの大盛況は凄く、リアルより仮想空間の方が今は力が入っている。


 医療とか軍事には疎いがそこもすごいであろう、そんなことはさておいて、VRのゲームはかなり出ており、先ほどのファンタジーゲームも数多く神ゲーもクソゲーもあるらしい。


 牧場経営をするゲームも、銃を撃つFPSも迫力があり、許可証が必要だとか、撃たれ感覚に気絶をしてしまう人が多いからだとか。


 今回私がやろうとしているゲームは王道のファンタジーゲームであり、少し初心者に優しいようにできている。


 魔王を倒すのが目標とはいえ、最初の町が大きく、町の人たちと遊ぶだけでも楽しいらしく、魔法をどんどん使ってるだけでも満足できる上にゲームアシストと言われるものがあり、バトルも生産も楽らしい。


 武器を実際に振った人はごく僅かで、それを敵対生物を倒すために使った人なんてほぼ0%だろう。そのために剣を上から振ればそのまま真っ直ぐ振り下ろせてしまう。


 魔法であれば呪文名を唱えれば杖や決めた場所から真っ直ぐ飛ぶらしい、らしいというのはここまでの情報はYouTuberの動画を見たからで、実際にやらないと実感が湧かないためらしいとつけた。


 そうこうゲームのことを考えながら歩いていると、数十分で家に着いた、庭付きの一軒家である。


「ただいまー」帰ってこないと分かりつつも習慣というか、気持ち悪さを紛らわすために帰りの挨拶を真っ暗の玄関から言った。


 凛の家は両親と妹の4人家族であり、今は3人しか居ない。妹が県内の中高一貫校で寮生活をしているためだ。スポーツが凛と違って特段良く、女子バスケといったらここだと言う中学から推薦され入ったのだ。


 最初は活発な妹がいなくなって暗い雰囲気だったが、慣れというか週に4回ビデオ通話で家族と話すため、家には居ない妹の存在を補填できた。


 その両親は妹の心配が終わったら仕事にどんどんのめり込んで、家を夜まで開けている日が殆どになった。


 高校生な上、元々家事らしいものは凛がしていたため特段寂しさはなかった。逆に料理中にうろちょろする母親が居なくて楽になったほどだ。


 外食で十分と思っていた凛の両親は料理を作ると意気込む凛に根負けして生活費を渡していたが、18万というデパ地下で買って作るのかというありえないお金を渡すほどで困惑させたのだ。


 多すぎると言う凛と、余ったらお小遣いにしなさいという両親の話し合いは結局凛に生活費として15万円渡すことになった。


 豊富なお金は凛の凝った料理に昇華され、プロには到底なれないが、一般人の中では上澄み程度には料理が得意になったのが嬉しい誤算だった。


 毎日お弁当と夜ご飯が両親の楽しみになっており、毎日美味しかったと言う一言と、夕食時に楽しそうに食べる顔は、さらに料理人魂に火をつけた。


 そのため凛の趣味は料理と読書になったのだ。読書は友達が少なく暇な時間を本で過ごしていただけで特段読書が好きと言うわけではない、スマホやゲームと同じように暇つぶしに読む程度だった。


 帰ったら手洗いうがいをしてキッチンへ向かった。


 軽く夕食の準備をしてようと冷蔵庫を見たら、タッパに詰めていたサバのカレー炒めとほうれん草の胡麻和えにきんぴらごぼうがあったため、お米とお味噌汁を作ればいいやと決めて予約炊飯をして寝室に向かった。


 凛の寝室は2階で妹の部屋に、物置に、凛の部屋と書斎が2階の全部屋で一階に両親の部屋がある。ゲームはベッドの上で出来るため部屋着に着替えて早速ベッドに座った。


(今ではヘッドギアでなんでもできるんだからすごい時代だよね。)


 高校入学に祖父母がヘッドギアを贈って貰った、妹がゲーム大好きで、祖父母もゲーマーであるために送られてきたが、凛はゲーマーではなくゲームも数回しかやったことがないので押入れの荷物入れに箱ごと閉まってあった。


(おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう。今日からゲーマーになります。)


 意味のわからない宣誓からベッドギアの電源を入れると着いた。充電などしなくても身体の振動で電気をもらえるらしい、理解はできないけどそう言うことだと思っておく。


 早速つけて仮想空間へ移動した。ヘッドギアをつけると仮想空間へ行けてそこから友達の部屋やゲームの起動、色々出来るが凛はフィルター設定されており今はゲームしかできない。


 部屋は自宅と違って質素にベッドとソファと机だけで、女の子の部屋だと言われてもわからないだろう、極端なミニマリストの部屋と言われて納得できる物だった。


 それもそのはず、家具系は課金をしないと手に入らず、簡素なベッドは無料だが、キングサイズのベッドになると40万円で現実世界に連れていけないとなると高校生には難しい、それにたまに使うかもしれないものなので凛は尚更だった。ソファーも4万円したが、妹につまらない部屋だから買ってあげると言われて慌てて自腹で買った物だった。


(この世界にどっぷりハマる人は自宅は何もなくてこちらに豪華絢爛にしているみたいだけど、すごいなー)


 大体半額から3割の値段で買えるため家は寝るだけのものと割り切ればこちらで幸せになるというのは一つの選択肢だった。


 ゲームをプレイするのに必要なスマートフォンを机の上から持ってきてベットで寝転んでエボアドを購入した。


 18000円と高い値段だが、サーバー料金も入っており一度購入したら追加で支払うものはないため仕方ないとダウンロードした、4分で全てダウンロードして今すぐやりますか?と選択肢がでたため、はいを押して早速プレイすることにした。






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