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中継場料理人クルトゥーラ  作者: 榛名のの(春夏冬)
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1話 冒険者ギルド

初めまして。

新連載です。よろしくお願いします!

「ちわ~っす。何かいい依頼ない?!」


ホームのメイア王国ルーア市支部冒険者ギルドに久々に帰って来た俺はギルドのドアを開けるなり、大声を出した。

 ギルドの受付嬢のエスキーナが、片手で俺を手招く。

相変わらず凄い胸だぜ。カウンターに置いてあると言っても過言ではないたわわな果実から、ソッと目をそらして大人しそうな顔を見る。


「髪を伸ばしたら似合うのに、もったいねぇ~」


「はいはい、お世辞はいいから、指名依頼です、クルトゥーラさん」


指名依頼か。どこのギルドからかな~?


 【指名依頼書】

♢依頼主/メイア王国カベッサ村冒険者ギルド

♢依頼内容/カベッサ村とエスタソン草原の中継場での調理。

♢依頼期限/オウトーノの花が散るまで。

♢報酬/食材の提供。調理器具と天幕の貸与。




「オウトーノの花が散るまでって、もう雪降るじゃん~!寒くて死んじゃうよ!」


「クルトゥーラさんが死ぬ?あり得ませんから!60日間頑張って」


「ヒドい!何気に日数水増ししてる~!」


「あら?【狂い咲きのクルトゥーラ】だからこその指名依頼ですもの頑張れ!」


「クウ~!何でいつも報酬が現物支給なのぅ~?」


「あら、カツアゲしているのに、まだ、お金要るんですか」


「カツアゲっていうなぁあああ!」


そもそも最初の指名依頼が貧乏な村の依頼だったから、現物支給で、冒険者達から炊き出しの代金を徴収してただけだったのに、それが俺の指名依頼のベースになったのだ。

それをカツアゲだの、面白がって言うもんだから、採取専門の冒険者達からは、【カツアゲのクルト】と呼ばれている。

 もう一つの異名【狂い咲きのクルトゥーラ】は、俺の行くところでは草木、獣類が豊富になると言うウワサからだ。

 本当はもう少しややこしいのだが、この体質を正しく知ってるヤツらから年がら年中狙われてて、一所に長い間居られなくていつも旅に出てそこで料理人をして稼いでいる。

 14才まではお師様に魔法と剣を教わった。もちろん旅しながら。お師様は、俺に関わり過ぎたせいで、死ねない体になってしまった。お師様は、便利でいいと笑っていたが、笑いごとじゃない!

 だから、皆、知り合いでも関わり合いは無い。正直さみしい……。ハッ!?いかんいかん!

俺は孤高の冒険者~!寂しくなんかない~!!


ギルドの宿舎に向かう小道を歩いてると下水の溝が途中で詰まっていて水が道に溢れ出ていた。目詰まりに何かの塊。よく見ると生後半年くらいのヘドロで汚れた猫だった。

まだ、息はある。思わず助けてしまったが、どうせ、死にかけてたのだもの!

宿舎の自分の借りてる部屋に入ってタライに少し温いくらいのお湯を張る。ガーッと洗ってヘドロを落としていると、口から泥を吐き出し始めた。急須で水を飲ませると、その分泥を吐く。根気よく付き合ってたら、寝落ちした。今、都で流行ってるシャンプーで洗うとブルーグレーの艶やかな毛並みが蘇った。

綿布で拭いてベッドに寝かせる。


「ふわふわ、カワイイ~」


元気になあれ、元気になあれ。

 俺の初めての友達。

絶対、死なせない!


その夜、初めて意識して能力ちからを使った。



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