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第20話 また一緒に

 それからも俺とハルロートは様々なものを見て回った。

 この国ににはこの世界で生まれ育ったハルロートでも見たことがないものが沢山あった。

 特に、前の国には無かった灯台。自由に登っていいと書いてあったので、登ってみたのだが、そこからの景色が凄かった。


「……凄いですね」

「あぁ、こんな景色は滅多に見られないな」


 この世界は工業はあまり盛んではないように思える。そのため、全然空気が汚れておらず、澄んでいるため、景色がさらに綺麗に見ているのだろう。

 似合わないとわかっているものの、この景色を見て俺も感動していた。


「こんな毎日が続けばいいですね」

「……あぁ、そうだな。平和は続けばいいな」

「はい! 今日みたいに遊んで、こうして一緒に景色を見たいです」

「ん? 一緒に……?」

「あ、いいえ。その……なんでもないです」


 なんでもないというハルロート。だが、その様子はとても恥ずかしそうに俯いて顔を手で覆い、耳まで紅潮していることから、なんでもないようには思えないんだけど、深くは追求しないことにした。

 特に追求しなくても俺に害のあることではないということは分かっている。


「まぁ、そうだな。また一緒に来れたらいいな」

「……はいっ、絶対にまた一緒に来ましょう!」

「お、おう」


 突然大声を出したハルロートに驚いて気圧されてしまう。

 だが、ハルロートの言うように、このままずっと平和に何事もなく過ごすことが出来れば嬉しい。

 殺し屋として連続殺人という重罪人がこれを願うのはおこがましいと思う人もいるかもしれないが、俺はこの生活が続くことを切に願う。


 それからそこで日が傾くまで過ごし、俺たちは宿に帰った。

 宿に帰ると料理がもう既に用意されており、俺たちはそれを食べたあと、部屋へと戻る。


「今日は楽しかったです。ありがとうございました」

「あぁ、だけど依頼をこなした後だったから、そんなに時間はなかったな」

「それでも、楽しかったです。私一人だったらこんなに楽しいことは出来ないであの街で一生を終えていたかもしれません。私は凄くサツラさんに感謝しているんですよ」

「…………」

「どうしたんですか?」

「なんでもない」

「どうして顔を逸らすんですか?」

「だから、なんでもない」


 俺は今まで褒められなれていないため、物凄く恥ずかしい。

 恐らく、今の俺は顔が真っ赤になってしまっている。この顔を見られないために顔を背けたのだが、ハルロートには不審に思われてしまっただろうか。


「そ、それじゃあもう寝ろ。今日はもう疲れただろ。しっかりと疲れを癒せよ」

「は、はい」


 照れ隠しで少し強い口調を使ってしまったのだが、ハルロートは素直に従ってベッドに入っていった。

 俺はというと、まだやることがあるので、寝ない。

 部屋の明かりは消すが、俺は観光中に買ったノートと教科書のようなものを取り出して机に広げてノートに書き綴る。


 この世界の言葉は読めない。そのため、俺は勉強が必要だと判断して、これらを買っていたのだ。

 俺は暗いところでも見ることの出来る夜目を持っているので、この真っ暗な中でも問題ない。俺の目には昼間よりも少し見にくいくらいにしか写っていない。


「なるほどな。ローマ字に似たような感じか」


 母音と子音の組み合わせで成り立っている文字のようだ。

 だとしたら簡単だ。

 ローマ字は既に習得済み。このローマ字のアルファベットをこっちの世界の文字に変換して考えればいいだけだ。


「さて、それじゃあ本気を出しますか」


 そうして俺は夜通し勉強をした。

 徹夜は前の世界でも慣れているので、別に問題は無い。職業柄、眠れないことも多いから一週間徹夜しても問題ないように訓練している。


「いつまでもハルロートに読んでもらう訳には行かないからな」


 そういえば、俺は言語習得は得意だけど、他のみんなはどうなんだろうか?

 クラスメイトの中には英語すらも出来ないような人がいたような記憶があるけど……。まぁ、あいつらのことはどうでもいいか。

 ただ、俺を逃がしたあと、大輝がどうなったか気になる。


 あいつは俺の事を逃がした張本人だ。バレたりなんかしたら大変だろう。

 まぁ、あいつの事だから何も考えなしなわけがないんだが、それでも心配だ。


「でも、今はまだあいつらのことを心配している暇はなさそうだな。不穏な空気だ。何かが起こりそうな、そんな雰囲気だ」


 この街に何か危機が迫ってきている。そんな気がする。

 今後、今日みたいに体を硬直させてくる敵も大量に出てくるかもしれない。そうなった場合の対策も練らないといけない。やることは山ほどあるって言うことだな。


「はぁ……さて、今はこっちに集中するか」


 夜はまだ長い。

 真っ暗な部屋の中、俺はひたすらノートにペンを走らせ続けた。

 割と危険はすぐそばに迫ってきています

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