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第19話 謝礼

 俺とハルロートは街へと帰ってきて速攻でギルドへと向かった。

 今回の件は罠だったため、この場合はどうなるかを聞きたかったからだ。


「ようこそ冒険者ギルドへ。依頼についてですか?」

「その事なんだが、これは罠だったようだ」

「罠!?」


 俺の罠という言葉にかなり驚いた様子の受付嬢。まぁ、そんなことがあったら大変だからな。

 この世界の基準はよく分からないけど、あれくらいの実力のある山賊だったら俺もハルロートの助けがなかったら危なかった。

 こいつに助けられてしまったな。


「それで、その場合はどうなりますか?」

「罠だった場合はこちらの検閲不足ということで、報酬と同じ額の謝礼をギルドからお払い致します」


 受付嬢がそう言うと、カウンターの下からなにやら箱を取り出して、蓋を開けて見せた。

 そこには確かに大量の金が入っていた。

 受付嬢はその状態で依頼書の報酬と見比べながら金を取り出していく。

 今回の報酬は千レンだ。かなりの額だが、ギルドの規則のようなものなのだろう。それならば、仕方がない。


「それでは、こちらをどうぞ」

「ありがとうございます」


 袋に詰められた金を受け取ると俺たちはギルドを後にする。

 空を仰ぎみる。まだ、空は明るい。もう少しくらいなら街を見て歩くことは出来そうだ。

 隣に居るハルロートへと目をやった。すると、俺からの視線に気がついたようで、こっちを見るとニコッと微笑むハルロート。


「よし、それじゃあ、街を見て回るか」

「はい!」


 観光だ。

 ハルロートは昨日からずっとこの街を物珍しそうに見ていた。観光をしてみたかったのだろう。

 とてもニコニコしていて、嬉しそうなのが見て取れる。そしてそんな表情を見ていると、俺も自然と嬉しくなっていた。

 まずは露店があるエリアへとやってきた。

 ここは服やアクセサリー、料理が売ってある。

 その中でも目をつけたのは焼き鳥だ。


 そう言えば、元の世界では肉料理なんて滅多に食えなかったからな。久々に食いたくなってきた。

 美味そうな炭火焼きの臭いが鼻腔をくすぐり、俺を誘惑してくる。


 値段を見てみる。すると、五十レンだった。二本買ったとしても百レン。全然所持金には余裕がある。


「よし、焼き鳥を二本お願いします」

「はいよ。あつあつだから気をつけろよ」


 見てみると、どれもホカホカの湯気が出ており、今作られた焼き鳥だということが分かる。

 支払いを済ませて焼き鳥を二本受け取ると、一本ハルロートに渡す。


「くれるんですか?」

「ん? あぁ、そのために二本買ったんだしな」


 ハルロートは俺から焼き鳥を受け取ると、目をキラキラと輝かせながら一口口に含んだ。

 すると、直ぐにハルロートはキラキラとした目で俺の方を見てきた。相当美味かったらしい。


 さて、俺も一口頂こうか。

 同じ料理でも料理人が違ったら味が違うように、元の世界とこっちの世界でも味が違う。前に食べた野菜炒めも味が違った。

 となると、この焼き鳥も違うだろう。

 久しぶりに食べる肉料理が異世界の料理だなんてな。夢にも思わなかった。


 俺も一口食べる。


「うめぇ……」


 久しぶりに食う肉料理は格別だった。

 香ばしい香りと、肉のジューシーな肉の旨みが口いっぱいに広がる。

 生きててよかった……。


「サツラさんもそんな顔をするんですね」

「え、どんな顔だ?」

「その……幸せっていう感じの顔ですね」

「最悪だ」


 まさか人前でそんな表情をしてしまうとは……。食べ物の魔力は恐ろしいものだ。

 だが、これは本当に美味い。久々に肉を食ったというのもあるだろうが、本当に美味い。


 他にも色々と違う世界から来た俺にとってはかなり物珍しいものがある。

 その中の一つは掘り出し物売り場で売っているものだ。物珍しいものというか、興味が出たものと言うか。


「仮面だな」

「仮面ですね」


 そこには般若の様な仮面や、狐の仮面、狼の仮面など色々置いてあった。

 その中で一番気になったお面は道化師の仮面だ。

 どうしてこの仮面が気になったのかと言うと、元々この仮面に近い仮面を元の世界でもしていたからだ。


「この世界でもこの仮面を見ることになるとは思わなかったな……」


 道化師の仮面は物心が着いた頃にはもう、家に存在していた。

 俺はその仮面を被って仕事をしていたって言うことだ。


「……その仮面を下さい」

「はいよ、百レンだ」

「ハルロートも何か欲しいものがあったら言っていいんだぞ」

「いいんですか?」

「あぁ、今回は俺が生きて帰ることが出来たのはハルロートのお陰でもあるんだしな」

「あ、ありがとうございます。それじゃあ、この狐のお面を」

「はいよ、百レンだ」

「はい」


 俺は袋の中から合計二百レンを取り出して支払った。

 受け取って手に持ってみると、そんなに期間は空いていないのに、なぜだか懐かしく感じる。

 しかし、また手に入れてしまった。

 この世界ではお世話になることはもうないと思っていたこの仮面。ただ、恐らくお世話になることはないと思うが。というか、そう願いたいものだ。

 この仮面が今後、どのように使われていくのでしょうか?

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